2017/09/26 のログ
ご案内:「大時計塔」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
■鈴ヶ森 綾 > 学園を睥睨するように高くそびえ立つ時計塔
その頂上部に女の姿はあった
外縁をぐるりと囲む金属柵に背を預け、遠く広がる街灯りをぼんやりと見つめている
雑多な街並み、そこに暮らす雑多な人々
それらを象徴するような光の群れを眼鏡のレンズ越しに見る目には、
今は特にこれといった感情はうかがい知る事はできない
■鈴ヶ森 綾 > ついっと、光から目を背けるように視線を逆側に移す
繁華街の広がる東側から未開拓の西側へと
灯りは途端に疎らになり、夜の闇が遠く山裾まで広がっている
どちらがと言われれば、自分にとって心安らぐのはこの景色だ
街灯など存在しない、月と星、手元に握った僅かな明かりだけが頼りとなる、そんな世界
自分の原風景がそういった場所にある
昔のことを思い出す事は多くない
思い出そうとしても、虫食いの本のように断片的にしか思い出せない
それでも、たまには昔を懐かしんでみようかと目を閉じ、
吹きつける風にその身を晒したまま、今は遠い何処かへと思いを馳せた
■鈴ヶ森 綾 > 寂れた農村、収穫の季節、黄金の稲穂、それを収穫する一組の男女
一人はかつての自分、ではもう一人は…
「……っ…」
不意に、奇妙な感覚に襲われて表情を歪める
こめかみに走る鈍い痛みに思わず俯いて顔に手をやったが、その拍子に指が眼鏡のつるに触れて床に落ちた
落下した眼鏡の無事を確かめるどころか拾おうともせず、暫し時が止まったように動きを止める
表情にはどこか険しさが浮かび、苛立っているような様子がありありと見て取れた
ご案内:「大時計塔」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 本日の仕事も終了し、気分転換でもしようとあまり最近は訪れていなかった大時計塔へと独り足を運ぶ。
長い長い階段をゆっくりと一段ずつ昇り、やがて最上階へと辿り着けば…先客の姿。
一瞬、足を止めて瞬きするが風紀委員として何か注意する気は無い。服装はそのままだが、もう仕事の時間は終わったのだ。
…ただ、その相手が何やらこめかみを抑えてジッとしているように見える。
「…こんばんわ。あの、大丈夫ですか?」
おそらく初対面であろう女性へと、挨拶をしつつも心配そうに声を掛けてみる。
頭痛か何かだろうか?と、思うが来たばかりの少年には相手の状況はまだ分からず。
■鈴ヶ森 綾 > どれぐらいの時間そうして固まっていたのだろうか
階段を上ってくる音も気配も感じ取れず、
自分に声をかけてきた相手の存在に気がついたのはまさに声を掛けられた瞬間だった
跳ねるような勢いで頭を上げ、凶相の浮いた顔を相手に向けたところでようやく我に帰り、慌てて顔を背けて
「えっ、えぇ、こんばんは。少し目眩がしたもので…ご心配には及びません」
それから眼鏡を落としたままである事も思い出し、顔を横向けたまましゃがみ込むと床の上を手探りするように手を伸ばした