2018/06/18 のログ
ご案内:「大時計塔」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 > 「……場所変えやちっとはやる気出るかと思ったんだがな」

 はぁと溜め息を吐き出す。彼の手にあるものは英語の単語帳。明日小テストらしいのでそれの為の勉強。
 なのだがやる気が出ず見晴らしが良いらしいという理由でここに来た。侵入禁止のエリアらしいが警備も居ないし話で聞くレベル。たぶん暗黙の了解的な物があるのだと理解。
 もっとも落ちたところで異能を行使すれば地面に激突することは無い。

「ルーン語や古代魔法文字なら勉強なんかしなくたってどうにでもなんだがな」

 魔術を込めた道具、魔具を作る際それは必修も良いレベル。中学時代にはそれなりにマスターしていた。もっともそうではないからこうして単語帳片手に苦しんでいるわけだが。

「……この街こんな見た目してたんだな」

 単語帳を閉じ一番端に座り外を見る。夜の街はライトや明かりがともりどこか幻想的な景色を映し出しているだろう。
 今まで特にこんな場所にこなかった彼には始めての景色だった。

白鈴秋 > 「色んな場所あるしもっとゴチャゴチャしてるかと思ってた」

 普通の街には無いような場所や場所や施設を一つの島に入れた島。ここから見るまではどうしてもゴチャゴチャした島という印象が拭えなかった。
 だがこうしてみるとしっかりと整っており綺麗な島という印象を受ける。
 
「昼に見りゃまた色々変わるのかもな……いや昼はやめとくか。チャイムと被るとたぶん耳がいかれる」

 想像し顔をしかめる。学校ですらよく聞こえるチャイムの音。こんな至近距離で聞けばそれは凄まじい大音量だろう。

「雪の日とか来たら綺麗だろうな。まぁ、相当防寒対策してこねぇとヤバイだろうが……他にも色々あんのかなこの街」

 来てから回る余裕など無く学校と寮を行き来したり個人の調べ物をしたりとこういうのを見る機会はなかった。
 少し興味が沸くが。首を横に振る。

「今は明日の事考えるのが先か。はぁホント英語って面倒だな」

 再び単語帳を開き目を通し始める。色々な場所を回る前に明日の小テストである。

白鈴秋 > 「…………やめた、こんな状態でやったって何にも頭にはいらねぇ」

 単語帳を後ろに置いた鞄の中に仕舞う。完全にやる気起きなかった。
 そのまま入れ替わるように取り出すのは音楽プレイヤー。 
 イヤホンを耳にさし極を流す。
 バラード調の静かな曲が流れ始める。冬の出会いと別れを歌った歌。雪と人を重ねて書かれた。らしい。
 お気に入りの曲だから少しは気分も上がるというものだ。
 しかも景色も良い。曲と季節は全く噛み合っていないが。
 飲み物でもあればいう事は無いのだが。元々少し勉強したら帰る予定だったのだからそんなに用意が良いわけでもない。

「どうするか、これから」

 帰るかもう少し景色を見ていくか。少し悩む。

白鈴秋 > 「まぁ、もう少しここでゆっくりしていくか」

 寮に帰ってもすることは無い。どうせテレビを見るか結局勉強を始めるかだ。
 鞄を後ろから退かし上を眺めるように横になる。音楽プレイヤーから流れる曲は次の曲に変わる。

「……ここからだと、星もよく見えるな」

 下では町の明かりなどで星などそこまでしっかりとは見えないがここだとそれなりによく見える。それに高いから空が近く感じる。

「結構気に入ってる奴がいるのもわかる気がする」

 こういう景色を眺めるのが好きな奴ならばこういう場所は気に入るだろう。
 彼自身も結構この場所を気に入り始めていた。

白鈴秋 > 「もうこんな時間だったのかよ」

 時計を見ると既に結構な時間だった。ボーッとしているうちにそれなりに時間が過ぎていたらしい。
 座り、立ち鞄を掴む。

「流石に戻るか。バレると面倒だし」

 一応は進入禁止エリア。バレると厄介だ。居ないうちに逃げてしまえ。
 足早に階段を下りていった。

ご案内:「大時計塔」から白鈴秋さんが去りました。