2018/06/29 のログ
ご案内:「大時計塔」にミスラさんが現れました。
ミスラ > 本格的な夏が訪れる前だというのに厚く寝苦しい夜。
何とも居心地の悪い熱気に眠気は訪れず涼を求めて施設内を彷徨い歩く。
目的はなく、何とはなしに目立つ建物のそばに寄ってきただけだった。
さすがに塔の周囲は開けているが風通りが良いかというとそんなことはなく…。

「…。」

上層へと向かう階段の壁面に寄りかかりに座り込む

ミスラ > 「ここは、静かね…。街はあんなに眩しいのに、」

窓から差し込む月の光は青白く一定で、乱れはない。
人のぬくもりや気配のない光は恐ろしく、しかしこれ以上なく心を落ち着かせてくれる。
時計塔内部に響く一定に時を刻む振り子の音にゆっくりと眼を閉じ、呼吸を揃える。

ミスラ > 大きく息を吸い込み、そのまま留めると周囲の音が近くなる。
僅かな風音や草の擦れる音。どこか遠く、ヒトの声や足音がすぐ近くまで迫ってくる。

「すう、はー…」

息を細く吐き出す。先ほどまで近く感じていた全ての音が遠のく。
身体と頭が空っぽになった感覚のまま、閉じた眼を見開く。

ミスラ > 指先を浮かせてするすると躊躇なく空中に文様を描き出すと、
その軌跡が月光の銀色から淡い水色、深い青と色を変えていく。
そうして完璧な円を描いた指が始点へと戻り繋がるとすぐさま、周囲の熱が遠のきはじめた。

「…寮ではなんだか使いにくいのよね、これ…。」

周囲の冷気を集約する魔術は場所によっては顰蹙を買ってしまいがち。
ようやっと一息つける、といった風に縮こまっていた体を伸ばした。


そのまましばらく涼をとれば適度に魔力を消費した体はちょうどいい疲れと眠気を届けてくれる。
ベッドが恋しくなった体に従って寮の方向へと引き上げていった。

ご案内:「大時計塔」からミスラさんが去りました。