2018/08/26 のログ
暁 名無 > 「そういや……最近顔を見なくなった奴が増えたな……」

徐々に藍色に染まっていく空を見ながらそんな事を思う。
教師と生徒という立場ながら、顔を見なくなると言うのは割かし深刻そうにも思えるが。
教師も生徒もそれなりに数多く在籍しているこの学校では、それなりに珍しくも無いのかもなと考えを改める。

「そういやガキの頃も、ちょいちょい人付き合いの範囲が変わったっけか。」

同じと思っていいのかは分からない。
でもまあ、“そういうもの”と思っていた方が、心は少し楽だ。

暁 名無 > 「……ま、そのうちまた顔を出すだろ。」

ぐぅ、と腹の虫が鳴いたところで俺は時計塔を下りる決心をする。
腹減ったし、研究室に戻って何か食ってから帰ろう。
ラフィには簡単な飯の作り方くらいは教えたけれど、二人で食うのもそれはそれで良いもんだ。

「まあ、それはそれとして。
 最近藤巳の弁当も食ってないなー……というか顔見せねえなあ。」

むう、と眉根を寄せて一度空を見上げれば。
もうすっかり暗くなって星が瞬き始めていた。
……ちょっと急がないと、機嫌を損ねられかねないので俺は速足で時計塔を後にするのだった。

ご案内:「大時計塔」から暁 名無さんが去りました。