2015/06/11 のログ
■狛江 蒼狗 > 調書がファイリングされた青いファイルを開く。その日附と内容を鑑みて背にラベルを貼り概要を書き込み、時には別のファイルに分割するなりまたひとつのファイルに統合するなりの作業を繰り返す。
そしてアルファベット順、また日付順等で棚へ隙間なく詰めていく。これで作業の第一段階が終わる。
■狛江 蒼狗 > 次に事件資料がファイリングされた青いファイルを開く。その日附と内容を鑑みて背にラベルを貼り概要を書き込み、時には別のファイルに分割するなりまたひとつのファイルに統合するなりの作業を繰り返す。
そしてあいうえお順、また日付順等で棚へ隙間なく詰めていく。これで作業の第二段階が終わる。
ご案内:「特別資料室」に『室長補佐代理』さんが現れました。
■狛江 蒼狗 > 次に違反本の山から一冊一冊取り出してくる。その内容をあれやこれやなんやかんやして最終的にISBNに従って並べる。これで作業の第三段階が終わる。
■狛江 蒼狗 > 次に調書がファイリングされた青いファイルを開く。さっき纏めた筈のそれを内容でまたバラして統合してさらにバラして新しくラベルを貼り棚にまた隙間なく入れていく。これで作業の第四段階が終わる。
この作業にはコツがあり、棚にほこりが残っていると指を棚の平たい部分につーっとやられてふっとやられるのできっちり拭いておくことである。
話題が逸れたので次は第五段階を紹介しよう。これは事件資料がファイリングされた青いファイルを─────。
■『室長補佐代理』 > 「相変わらず精がでるようだな。特雑の」
いつのまにか、その男はいた。
扉があいた気配はなかった。それでも、いつの間にかその男はいた。
黒のザンバラ髪を揺らした、長身の男。
公安委員会直轄第二特別教室 調査部別室。
ハイエージェント。『室長補佐代理』
部署は違うとはいえ、一応、同僚にあたる両者は、狭苦しい資料室で対峙する。
「先日片付いた『非常連絡局』の資料か?」
■狛江 蒼狗 > 「…………………………」
ハノイの塔を積み上げ続けるかのような作業にも慣れたもので、筋力トレーニングの一環とでも言いたげに黙々と続ける。
寡黙な気質の白髪の青年は、特別黙々としていなくても普段から黙々としているのだが。
「………………ん」
狛江蒼狗はその男を察知した。扉の開閉音なしにそこに佇んでいる者に対し、特に驚くでもなく向き直る。居住まいを正して。
もう暫く通電させていれば間違いなく点滅し始めるだろう、蛍光灯の明かりの下で蒼狗は顎に手を当て溜息をついた。
「………………………………ちがう」
たっぷりと間を置いてそういう返事があった。
この“特別資料室”は名ばかりだ。特別な事件の資料等、間違いでもなければ回ってこない。
万引き、強盗、喧嘩の調書を軽く拡げて見せてみる。何も珍しいものはなく。そこには退屈が詰まっていた。
■『室長補佐代理』 > 「ほう、まだ一応重要案件扱いなのか。そろそろここにまで下ってくるかと思ってたんだがな」
嘲るように嘯き、ガタイはいいが、それでも蒼狗と比べればいくらか劣る黒い男はパイプ椅子に座る。
適当に手に取った資料はまさに公安委員会にとっては『日常茶飯事』といえるもの。
日常を守るために日常から日常的に排除を続けている非日常の山だ。
別段珍しいものではない。
ここには、そういう資料しかない。
お互いに分かっていることだった。
「特雑の。本当に相変わらずだな」
滲むような、不気味な笑みを向ける。
泥が滴るような、好感よりも先に嫌悪が来る笑み。
「いつまでこんなところで燻っているつもりだ」
■狛江 蒼狗 > ここに来たものは死蔵され続ける。喩え過去の重要案件だろうと、過ぎた事は全て立ち並ぶスチールラックの内側で二度と日を浴びる事はない。
いずれは、『非常連絡局』の資料もここで綴じられる運命なのだろう。今はまだ事後処理だの報告だので資料に役割があるのだろう。
「…………………………」
目を伏せた。透明な無表情をして、話し相手の目の底を見ぬようにする。
立ちふるまいに悩む様子はない。ただ、“この男”に対してどんな言葉でそれを伝えるか選んでいる。
「E-3事件の資料がここに眠る限り」
蒼狗はそう答えた。
■『室長補佐代理』 > 前触れもなく、男が立ち会がる。
そして、ガタイのいい蒼狗の襟首を左手で掴み……嗤った。
滲むような笑み。滴るような笑み。
墨汁が淀んだような、伽藍洞の黒い瞳でその目を覗き込み、嗤う。
唸るように。
「まだ諦めてねぇのか。度し難い阿呆だな」
E-3事件。
公安委員会秘匿深度分類Lv4の案件。
Lv3ですら、世間では重要機密扱いで表にでることは決してない。
その上をいくLv4。
それはもう、『消された』事件だ。
あった、でも、なかったことにされた、でもない。
痕跡からして何も『ない』事件。
口にすることすら、調査部規則では禁則事項とされている。
特雑である蒼狗には関係ないのかもしれないが、調査部所属の男にとっては、それは『口にしてはならない』事件だ。
故に、思惑を匂わせたまま、しばらく蒼狗の目を覗き込んでいたが……最後には、苦笑と共に離す。
「まぁいい」
そして、汚らしい笑みを顔にはりつけたまま、またパイプ椅子にすわる。
「出来れば、お前にはうちの部署に来てほしかったんだがな。最近、一人『優秀』な捜査員を失ったんでね」
■狛江 蒼狗 > 室長輔佐代理の獰猛な笑みは、獣じみたというよりも生ける屍じみた不気味さを放っている。
胸ぐらを掴まれても蒼狗は抵抗をせず、その鋭い蒼白の瞳は怯んだ様子すら見せた。
「……………………………」
返すは沈黙である。沈黙は肯定を────というがまさしくその通り。
己の愚かを認め、そしてそれを改善しないとびきりの阿呆を肯定している。
「あれは」
(おかしいんだ)
公安委に逆らってまで自らの自信を貫くような気力は彼にはない。情報が少なすぎるのだ。口には出さなかった。
E-3事件は、表向きには《ホワイトビースト》事件、『《ホワイトビースト》なる魔物が多数の死傷者を出した』事件とだけ知らされている。
公安委内でもその通り。“E-3”なんて呼び名を使う者は、狛江蒼狗しか居ない。
「……………………」
手を離されると息をつく。心臓の拍動を落ち着ける。
深呼吸をすると、蒼狗は先程までの無表情に戻っている。
電気ポットと湯飲みを取り、ティーパックを指してみせる。
(この話題はおしまい)
そういうことだ。
「……………………物好きめ……」
狛江蒼狗は他部署の動向に明るくない。事件も“噂”のみしか知らない。
けれども、結構大変だったのだろう。彼は自分より苦労を背負わされる立場に居る。
「…………」
何か声を掛けようかと思ったが、この男と自分は仕事仲間であり何度か口を利いたのみである。
親しくはない。
(大変だったな)
という言葉を出すべきか迷って、黙っている。
■『室長補佐代理』 > 親しい中とは決していえない。
だが、知らない仲でもない。
故に、その沈黙を察したのか、男は小さく笑う。
「いつものことだ」
それだけいって、ティーバックを棚からとって、テーブルに置く。
この話はこれでおしまいだ。
秘匿機密どころか、抹消機密に触れる事件の話をいつまでもするわけにはいかない。
茶が準備されるのを待ちながら、銀の指輪が目立つ左手で肩を揉む。
左手しか、基本的に男は使わない。
右手は基本的にポケットに突っこんだままだ。
「特雑の。公安と風紀のあれこれの一件は聞いているか」
少し前にあった非常連絡局関連の話である。
■狛江 蒼狗 > 沈黙を読み取られると、「うん」とだけ返した。
電気ポットは型番が古く、然しよく磨かれている。色気のない質実剛健とした白いプラのボディが、蛍光灯の光に映える。
陶器のポットに緩慢な動作で茶を淹れながら、話に耳を傾けた。
「……………………又聞きだが」
当事者と話した事もなければ、現場を見たこともない。噂で聞いたのみだ。
(資料もないしな)
と言いたげに、周囲のスチールラックを見回す。
なかなか大掛かりな事件だったようだ。ロストサインの残党絡みで、公安も風紀も慌ただしくしていた。
一応は丸く収まった、と聞いた。
要は“終わった事件”だ。
なんでそんなことを聞くのか、と沈黙で続きを促す。
■『室長補佐代理』 > あらゆる意味で安っぽい紅茶……というより色のついた湯を啜りながら、ぎしりとパイプ椅子に腰掛け直す。
男は一度だけ返答に頷くと、再び口を開く。
「例の公安と風紀の対立は丸く収まったが、そのせいでお互いに交流という名の機密の受け渡しが増えてきた。
そのおかげで、以前よりも機密のセキュリティが緩んでいる。
そのセキュリティを補佐するために新たなエキスパートも雇いいれてはいるが……結局どうにかできるのは電子戦のみだ。
従来通りの手や足での流出には暫く歯止めがかかりそうにない。
資料と資金の透明化といえば聞こえがいいが、それだけでは都合が悪いのもまた事実だ。
故に、現場は……『機密』を取り扱える実働調査員を求めている。
ロストサインの連中もうろついてるらしいしな」
他人事のように、いつも目を見て話す男には珍しく、明後日の方向を向きながら、そんなことをいう。
「そろそろ現場に戻るころじゃないのか。《地の果てまでも追い縋る猟犬》」
■狛江 蒼狗 > 気の抜けた茶の味にも慣れた。インスタントコーヒーの浅い苦みにも。
腑抜けた猟犬は黙って、室長補佐代理の語りを聞いていた。
「…………………………無茶苦茶、だな」
呆れ調子で溜息を漏らす。
『本気で言っているのか』と聞けば、本気であろうがなかろうが、
『本気で言っているのだ』と答える男だ。
きな臭さと埃臭さでは随一の、“特別資料室の墓守”“飼い殺し”そして『《ホワイトビースト》容疑者』にこんな言葉を掛ける者は他を探しても見つかるまい。
「……………………………………“特雑”の仕事は続ける。どうなろうと、なんだろうと」
(やめるつもりもない)
だが、狛江蒼狗は呆れた調子の微笑みを崩さない。
現在、“特雑”の指揮系統は公安委員会上層部という曖昧な役付けになっている。
そこへ別の課の指揮系統を一つ滑りこませる程度、眼前の男には造作もないことだろう。
指令が下れば動く。
そういうことだ。
それ以上は黙して語らない。
■『室長補佐代理』 > 我が意得たりとばかりにニヤりと微笑めば、紅茶を飲み干して、立ち上がる。
「誰にでも相応しい舞台というものがある。役者にはその役者が舞うべき場がある」
言葉は物証になる。
だからこそ、仕事柄彼らは言葉を選ぶ。
片方は詭弁によって。
片方は寡黙によって。
溜息に嘲笑で返し、男は踵を返す。
「お前だって本当は自分でわかっているはずだ。俺にいわれなくてもな」
指揮系統でいえば、公安委員会直轄であり調査部別室の役員である目前の男。
多くを語る必要はない。
その上で、男は意味深に呟いた。
「それでは――良い仕事を」
男は笑みだけを残して、資料室を出ていく。
いつものように、ただ静かに。ただ厳かに。
ご案内:「特別資料室」から『室長補佐代理』さんが去りました。
■狛江 蒼狗 > 「……うん」
多弁な黒い男の全ての台詞に、二つの音節で返した。
特別資料室の扉に手をかけた彼に、それは届く。
肯定し、否定しなかった。
“あの男”はそれを幾らにも膨らませて受け取るだろうし、蒼狗もそれを意識していた。
埃と静寂と薄明かりのみが残る特別資料室で、一人茶を啜る。
パイプ椅子の結合部が軋みを上げる音だけがそこに響いている。
スチールラックに死蔵された資料達が、自分を視ている。
「俺は」
■狛江 蒼狗 > 全てを失った。
守るべきもの。
どころか、復讐すべき相手まで。
だから事件記録の骸を守り続けることで、その代替としていた。
墓守のような気持ちで卒業まで待ち、緩慢に足掻きながら自分の感情が風化するのを待っていた。
「………………強引なやつ」
盆にカップを乗せて、一人で笑む。
これは、きっかけなのかもしれない。
ご案内:「特別資料室」から狛江 蒼狗さんが去りました。
ご案内:「委員会街・カフェテラス」に正親町三条楓さんが現れました。
■正親町三条楓 > 「――良くない傾向ですねぇ」
正親町三条楓は平和を愛する。
その平和が乱されている。
各種争い、それにロストサイン残党の蠢動。
今なお残る公安委員会への不信。
争いの火種は尽きない。
■正親町三条楓 > ミルクティーを飲みながら考える。
この騒動の原因は何か。
「――非常連絡局の解体、痛かったですねぇ」
仕方がないとはいえ、代償はあった。
非常連絡局は様々な問題を抱えた組織だが、一つだけ何物にも代えられぬ特質を持っていた。
組織なのに恐ろしく行動がはやく、迅速に『悪』を潰す権力と暴力だ。
風紀委員会の行動力のはやさ、公安委員会の対組織能力のいいとこどりのようなものだった。
■正親町三条楓 > それ故に様々な問題を起こし、また腐敗した。
だが、その存在は学園の大小さまざまな『悪』にとって恐怖の的でもあった。
奴らに目をつけられれば、即、潰される。
その恐怖を持って非常連絡局は学園の騒動を抑え込んでいた。
――その要石が、消えた。
小さな悪党は、春を迎えた蟲たちの如く闇から這い出てくる。
小悪にかまけているせいで治安組織の手が回らなくなる。
やがて小悪を飲み込み悪が肥大化する。
結果、ロストサイン残党が大手を振って歩くようになる。
「ままならないものですね~」
■正親町三条楓 > 「――ま、なるようにしかなりませんか~」
正親町三条楓は平和を愛する。
だが、その平和を守るのは風紀、公安両委員会の役目だ。
式典委員会はあくまでバランサー。
そもそも大半の式典委員は「お祭りの裏方が好きで、学園生活の全てを行事に捧げる学生」だ。
体育祭の打ち上げの次の日には文化祭の準備を始めるような連中である。
学園の平和なんぞ、知った事ではないだろう。
現にこの前、行事の準備会場に行ったら、大量の寝袋が並んでいた。寮に帰る時間も惜しいらしい。
ミノムシみたいで気持ち悪かった。
■正親町三条楓 > 鉄道委員会は学園の運輸を一手に握る巨大委員会だが、いかんせん鉄ヲタと呼ばれる連中が多すぎる。
鉄道運行以外に興味もなければ、ほかの委員会と協力する事も滅多にない。
2年前に"時刻標"殲滅作戦に協力したのが最後だろうか。
噂によると、鉄道委員会が所有する巨大列車砲まで持ち出したらしいが。
生活委員会は巨大なお役所だ。
電気、ガス、水道、各部局がそれぞれの職権を侵される事を極端に嫌う。
いわんや、他委員会との協力なんぞ、といったところだ。
大半の生徒は普段の学園生活を保守点検する、公共心に溢れた人間ばかりらしいが。
「――結局、公安・風紀がなんとかするしかないんですよね~」
■正親町三条楓 > さて、休憩時間は終わりだ。
ミノムシたちの様子をもう一度見に行くとしよう。
お土産でも持って行ってあげようか……
たぶん、リポデタンDとか喜ぶだろう。
今日も徹夜でイベントの準備をしているだろうから。
できれば風呂と寝る為に帰ってほしいけど。
ご案内:「委員会街・カフェテラス」から正親町三条楓さんが去りました。
ご案内:「委員会街」に詩想八宮さんが現れました。
ご案内:「委員会街」に詩想 八夜衣さんが現れました。
■詩想八宮 > (委員会街カウンセリングセンター。保健医にはちょっと……と言うような話は概ねここにやってくる。やってこないこともある。そんな場所で長身の少女はうんざりとした顔をしていた。事務所のデスクワークである。姉がセンター長であるので、その雑務である)……っち。この書類作ったやつ誰だ。書式間違ってるぞ(ぶつくさ言いながらパソコンのキーボードを叩く。うんざりとしていながらも仕事は早い)
■詩想 八夜衣 > (時間は、すでに学校も終わって放課後になって長い、夜頃の話だろうか?すっかり、辺りは暗くって。けれども、初夏の嫌な温もりが感じられる気がする。)
(して、妹が御仕事中の傍らで、カタカタとでもなってきそうな中、姉である自信は何をしているのかと言うと。)それにしても今日は、暑いですね。(高級感のある和紙にて作られた扇子でぱたぱたと煽ぎながら。立ち上がって、悪態のような物を付いた妹の姿を、後ろから見遣ってみる。)…ふふ。(例によってあまり御淑やかとは言えない口調だった。少し、諌めようかと思ったけれど、何だかんだ言ってもテキパキと仕事をしてくれている姿は、微笑ましく映って。扇子で口元を抑えながら。…こうしていると、次には振り返って「姉貴も働け」とでも言われそうだけれど。)
■詩想八宮 > 暑いならクーラーつければいいだろ。誰もいないし節電叫ぶやつなんかいねーよ。先月電気代安かったら文句もないと思うぜ?(ちら、と女性らしい仕草の姉を見やったが、すぐにパソコン画面へと視線を向ける。現在の進歩状況は半分程度。予定より遅れていることに舌打ちをした)ジロジロ見んな、気が散る。あっちいけあっち。後暇ならアイスコーヒー(しっし、と左手を振って追い払う仕草をしたかと思えば、飲み物を強請ると忙しない。その間、一切姉を見ず)
■詩想 八夜衣 > はぁ、全く…今何月だと思っているのですか。クーラーはまだまだ先です。…が、先月電気代が浮いたというのであれば、扇風機を付けましょう。(呆れ顔を、見せようか、と思ったその矢先には既に妹の目はこちらに向いておらず。しかして、構ってくれないのなら、姉としては少々寂しい。ので。扇風機をそちらに持っていけば―――。)八宮。八宮…?話をする時は人の目を見てするものですよ。八宮。…えーい。(パソコンの方を見遣る妹へと、「強」のボタンを押した扇風機の風を当ててみる。大分迷惑な話である。)
うー…仕方ありません。アイスコーヒーですか。待っていなさい。(働いてもらっているのだから、それくらいはせめてしようか。と、忙しない彼女と対称的に、ゆるりとした足取りで冷蔵庫の方に向かって行った。―――扇風機は止めずに。)
■詩想八宮 > 6月。ついでにとうとう中旬に突入だ。立派な初夏だよ、姉貴。……扇風機かよ、しけてんなー(とは言え、付けてくれるのであればそのまま甘える方向。こちらは両手でタイピングをしているために扇なんか使えないからだ。扇風機を近くまで持ってきてくれた姉にに、と一瞬笑顔を見せて)いいねいいね、姉貴最高だ。優秀な誰かさんが手伝ってくれねーから下っ端が苦労してんだ、我慢しろ。――って強かよ!?(嫌味言いつつも近くの扇風機に喜んだのもつかの間、勢い良く回る扇風機に髪の毛が舞い上がる。慌ててそれを抑えて)せめて中にしていけよ! っく、自分でやるか……うわ、微妙に届かねーし!(片手で髪の毛を抑え、片手をプルプルさせながら扇風機へと伸ばすと言う微妙な格好で軽く余裕な姉を睨みつけた。とは言えアイスコーヒーを持ってきてくれるようなので、それ自体は甘えて待つ姿勢だが……この体制ちょっときつい。椅子倒れそう)
■詩想 八夜衣 > そう、六月です。良くできました。私も本当の所はクーラーを奮発して付けたいのですが、そうしてしまうと体がだれてしまいますし。(扇風機を持っていったその矢先、きっと彼女に笑い返しただろう。年不相応な、物凄い悪戯心に湛えられた笑顔、だったが。)ごめんなさい。私だって、御仕事したいのですが…ああもう、分かりました、良いでしょう。あと半分くらいでしょう?残りは全部やっておきます。(ぶわぶわりとでも風の音が聞こえる傍ら、睨むその視線にもにっこりとしていて。して、間もなく緩い足取りにて、御盆に二つコップを乗せて戻ってくる、紫色の和装姿に、ほんのりと「強」の、こちらまで流れてくる程に強い風に煽られる長い髪。ことん、と御盆をそこの机に置くならば、しゃがんで。そうして、妹が如何にも"ギリギリ"な姿勢をしているのを、頬に片手を添えながら、「いけるかしら?それともこけちゃうかしら?」と、心中で反芻しながら、自らは見届けるのみだった。…流石に椅子ごと倒れたりはしないと思うけれど、どうなのだろうか。)
■詩想八宮 > 馬鹿にしてるだろ、姉貴。どうせ文明社会なんだ、いくら電気使おうが今更これ以上ダレることもねーよ(と言いつつも扇風機を持ってきた姉に笑みを浮かべていたのだが、姉の顔に子供っぽい笑みが浮かんだのをみて、やべ、と小さく口の中だけで呟いた。結果扇風機が強だ)別に全部やらなくていいぜ。こっちやってくれればそれでいい。今度は俺が暇になるからな(と、言って顎で書類の一山を示しつつ。基本的には仕事に対しては真面目な質だ。待ち望んだアイスコーヒーが運ばれてきたが、今はそれに気を取られている場合ではない。身体を支えている椅子はぎりぎりの角度を芸術的に保ち、手はピンと伸ばされ震えている始末のなのだ。しかも姉は傍観に徹している――孤立無援とはこのことか)っち、う、くぅ……や、もうすこ、しいいいいいいいいいいいいい!!!(手を伸ばしてかち、と中のスイッチを押した途端、耐え切れなくなり倒れこんだ椅子、そのまま不安定な体勢だった自分は共倒れた。髪を抑えて手を伸ばしていると言う微妙に間抜けな格好のまま)
■詩想 八夜衣 > ごめんなさい、ですが私としてはそんな八宮を馬鹿にするのも一興です…んん、こほんっ。…はぁ、もうー…。これで我慢しなさいって言っているでしょう?冷房の時期はまだ早いのですから、ダメです。ダーメ。(扇風機の傍らに立って、両手でバッテンマークを。ぶん、と首を横に振りながら。)そうですか…、分かりました。それでは、そうしておきましょうか。たまには暇も良いものだと思いますけれどね。(少々残念そうであったが、示された方の書類の山を目測。どれくらいかかるかな、と一考。何だかんだと言いながらも、仕事はきっちりこなしてくれるのは嬉しいのだが、もう少し、構って欲しい様子。はてさて…。)あ、わ…え…っ。ちょ、ちょっと…やっ…八宮ーっ!!(まさかこけてしまうとは思わなかった。彼女、運動神経もバランスとるのもうまそうだと思っていたけれど。ただ、ちゃんと目的のスイッチを押した後で倒れたなら刺し違えたというべきか。いや、そんな事は置いておいて。)…もう、横着するからいけないんですよ。ほら、立って。服を払いなさいね。(少々早い足取りにて、寄って行けば、申し訳なさそうな、心配そうな表情を浮かべながら、その倒れた妹の伸びている方の手を取ろうと。…これが余計なお世話であることは、多分言うまでもなかろうか。)
■詩想八宮 > 謝ってるのに全然謝ってねーなおい!? 今更咳払いしてもおせーよ! だだ漏れだよ! ……っち、しゃーね、これで我慢してやんよ(と渋ったもののクーラーは諦める、とバッテンじるしの姉に頷いてみせる)忙しく動いてるほうが性に合うんだ。姉貴だって知ってるだろ(書類の山は量が多いだけで簡単なものだから、彼女ならあっさりと片付くだろう。かまって欲しそうな姉をよそに、今少女は扇風機を構っていた。全力で)――っち、油断した……ッ、イケると思ったんだけどな(運動神経は悪い方ではないが、流石に全身の体重を椅子に預けていた状態なのだからそこから復帰するのは難しい。舌打ち再び)いちいち立つの面倒だろ。……はいはい、ガキじゃないんだから自分でできるよ(とは言いつつ、伸びた手を握って身体を起こす。それから立ち上がると服の埃を払い)大体姉貴もアレだろ、悪戯がすぎんだよ、中でいいだろう、普通(ご機嫌斜め、そんな風を装って口にした)
■詩想 八夜衣 > はい、素晴らしい突っ込みと御見受けします。(にっこり笑いながらも、しれっと流す強かな一面が。)えぇ、素直に了承してくれて嬉しいです、7月下旬にはクーラーつけることもかんがえますからね。(嫌々と言った様相もアレなので、取り敢えず、今は補足的に今後の予定を。)ふう、それはそうですけれど。立派ですが、体を壊してしまっては元も子もありませんよ。適度に休むように、と毎度言っていることも覚えているでしょう?(目測を終えれば、ペンを片手にとって。)横着するからいけないのですよ、反省なさい。(けれど、自身もあの状況だったら、多分同じことをしていたような気がする。)ふふ…そう、でしたか。それなら、不要だったかしら。(くすくすと、小さく笑いながら、少しだけ握られた手に一瞥を遣って。立ち上がった妹の表情を見上げる。)ごめんなさい、つい、悪い心が擽られてしまったのです。えぇ、次からは気を付けます…ね?(ぺこ、と小さく頭を下げた後、語尾に伴って、片目を閉じてみたり。)…さて、涼む手段も得られましたし、早く終わらせてしまいましょうか。(持ち場に戻って、腰を落とす。左手に扇子、右手にペン。そして、己の眼前に見据えるは、書類の一山―――時々妹。やっぱり、クーラーを付けたくなってきた気がする。)
■詩想八宮 > は、誰かが鍛えてくれてるからな(と面白くなさそうに鼻の頭を掻いて)一ヶ月以上じゃねーか。その頃には熱中症患者が出るぞ(随分先、夏休みすら見えてくる時期の予定に対しては眉を寄せ抗議したい)自己管理はしてる。人より身体は丈夫な方でな。――姉貴は心配症なんだよ、倒れたことなんて無いだろ(そして、自分もパソコン画面へと戻りながら、アイスコーヒーのグラスを手にとって、一気に半分ほど飲み)反省する要素がね(しれっと)ぅんや? 必要だったの姉貴の方だろ(寂しかったくせに、と笑う唇は意地悪く歪んでいる)もうちょっと姉貴は自制心持てよ、そんなんじゃ彼氏が思いやられっぞ(ウィンクを面白くなさそうに見てから、お前がするなな心配をした)だな。早く帰りてーし(と言いつつ再び仕事に向き直る。見られているのに気づいても見ているのはパソコン画面で、あまり姉は見ていない。集中力は高い、が)やっぱりクーラーつけようぜ……。30分でも違うだろ(と、そんな提案をした)
■詩想 八夜衣 > ふふ、良いではありませんか。笑うこと…ヒューモアは、大切ですよ?(一笑すらも見えないその表情に、語り掛けつつ。)…はあ、良いですか?熱中症はちゃんと対策をすれば大丈夫ですよ。水分補給、それから、適度な休息を取れば大丈夫なんです。ですから、まだ先の事でも良いではありませんか。(指折りながら、熱中症についての説明を述べつつ。悠々と話して。)知っていますが、自分では管理しきれないことだってあります。…そう、ですが。それでも、無理していないかは心配なのです。(走らせていたペンを止め、横目を遣りながら。)…は、反省…なさい。(むぅ、と不満気にもうひと押し。)…ああもう、そうですよ。ですけれど、姉たる私の心を知りながら、そんな事をずけずけと言ってしまうなんて―――(すっと、不意に立ち上がりれば、悪戯心に湛えられた笑みを再び浮かべて笑い返して)―――とっても意地悪、なんですね?そういう事、言っちゃダメですよ。(パソコンへと向かっているだろうその顔、歪んだ唇に、人差し指をちょん、と押し当ててみる。)…これでも、自生している心算ですよ?…八宮の前以外では。え?…か、彼氏?…こほん。(不意に飛んできた言葉には目をパチパチとさせて。わざとらしく、咳払い。して、そのまま持ち場に戻って。)そうですね、ですが、すぐ終わりそうです。(よそ見をしながらも、ペンを走らせて。)はぁ、分かりました。30分だけですからね。本当に30分だけですから。(折れた姉。ピッ。と、電子音がすれば、やがて風の音ともに冷風が出てくるだろう。)
■詩想八宮 > なんだったら組むか。姉妹漫才(勿論皮肉である)はいはいはいはい。あーあーあーあーきーこーえーなーなーいー(適当に声を張り上げつつ聞こえないアピール。そんな対策よりクーラー欲しいが本音だ)睡眠食事休養。これさえ管理できれば大体の体調不良は起こらんね。言っただろ、自己管理はできてんだって(まっすぐパソコン画面を見たまま。文字列がモニターを流れていく)ヤダ(と、言ってくつくつと笑い。楽しそうである)姉貴に何遠慮する理由があるんだってね(立ち上がるのをちらりと見遣り、近づき押し付けられた人差し指に、冗談めかしてリップノイズ)や? 流石にいう相手は選んでるよ(と笑ってみせた)私の前でも是非して下さい。作る気ねーの?(投げかけた質問はごく軽いものだ。カタカタと再びパソコンに向き合いながら)こっちもそこまでかからんね。後もうそれこそ30分かそこら(と、言いながら流れてきた心地よい冷風に頬を緩ませる。生ぬるい空気が少しずつ下がり始め)わぁってるよ、その頃には終わるだろ
■詩想 八夜衣 > あら、良いですよ、コンビ名は何にしましょうか。(とことん乗る姉。)―――あのね?八宮。(「聞けよ、おい。」と言わんばかり。妹の頬を抓ろうと手を伸ばし。それでも、口元ひくつかせながらも、笑っていた。)ふぅ、全部出来ているなら宜しい。ですけれど、本当に体調壊しても知りませんよ。私は面倒みませんからね。(因みに本当に体調を壊したら多分面倒は見るだろう。)は・ん・せ・い。(しつこい要求だった。)はぁ、まったくもう。私だって、結構遠慮しているのですよ。まぁ、八宮はそういう事をしない人だとは知ってますけれど。悪い子です。(ジト目。そのまま近づけた片手にて軽く頭を小突こうと。)…私は八宮に選ばれてしまったのですね。悪い意味で。(はぁやれやれ、なんて言わんばかり。)いやです。その質問は宛ら返しておきますよ。(びしりと、人差し指向けて。)はいな、了解。私もそれくらいです。もう少し早めに上がるかもしれません。で、何で書類の山にこんな要らない書類入ってるんですかね。(「もやしの栽培法」と書かれた黄色い書類で紙飛行機を折って。)えぇ、頑張って下さいね。(ひんやりとした風。漸く、自身が入れてきた方のコップに手をかけ、グリーンティを啜ってみる。)えーい。(して、先に折った黄色い紙飛行機をゴミ箱に投擲。見事にホールインワンまっしぐらのコースを捉える。しかして、冷房の風に煽られて、コースが逸れた。)…やっぱりアレ切っていいですか?(とてもヒューモアで…気紛れだった。)
■詩想八宮 > 姉貴が考えてくれるならそれでいい(丸投げだ!)……………。はい、お姉さま(むに、抓られれば敗北宣言。傷は少ない内に収めるのが一番だ)大丈夫だろ。病は気から。倒れないって思っててねて食ってが出来るうちは大丈夫さね(見るんだろうなぁ、とは解っている妹、過保護なのはよぅく知っている)だが断る(めげなかった)姉貴以外には多少はね。…………悪い子はお嫌いですか? 叱り甲斐があっていいだろ、て!(まるで姉の為を思ってやっている、そんな雰囲気すら醸し出し。小突かれた額は抑えておく)……姉貴。ちょっと落ち着こうか(真顔で言うと身震いした、先に仕掛けたの自分のくせに)ひっで。まあ、いい人がいたら考えるって程度さね。いたらな(と、こっちはごく自然に流れるように言った。お約束の言葉ですもの、簡単だ)へぇ、流石。……適当にそこら辺の混ぜたんだろ。雑な仕事はしないように姉貴から言ったほうがいいぜ? 私じゃ立場弱いからな(所詮は平役員である。ちらりと紙飛行機とその行く先を見つめ――)遊ぶなよ、後で拾えよな。……駄目、絶対ダメー(クーラーを切るのはお断る姿勢)
■詩想 八夜衣 > あ、え。あ…うん。…どうしようかしら。(困った様相。)人の話はちゃんと聞きましょう。特にこう言った真面目な話をする際は、ちゃんと聞かなければいけません。良いですね。(ぐい、と抓ったままこちらに向かせようと引っ張りつつ。)実際は、気合でどうにかなることではありません。本当心配なんですからね。分かって下さいね。(割と、本気そうな言い方で。)そこに痺れも憧れもしません。貧弱貧弱です。(因みに彼女、元ネタは知らないそうだ。)いいですか?八宮、私は、私はですねぇ、八宮…もっと、もっと…御淑やかな子になって欲しかったんです…どうしてこんなになってしまったの私の八宮。(えぐえぐ、とウソ泣きをしながら、小突いた手をひっこめて袖を目に宛がって啜り泣きしつつ。)あら、違うのですか?…選ばれてしまった。のですが。(強調しながら、キリっと向き直りつつ。)ふん、です。そうですか、では今はいない、とそういう感じなのですね。…ふむ、ともあれ八宮に悪い虫が集っていないようで何よりです。(結構な本心からそんな事を言う己は…まごうこともなきシスコンだった。)いや、大分言ってるんですけど「善処します」程度の答えしかもらえませんからね。やれやれです。(呆れ顔で肩竦めながら。)帰り際にでも捨てましょうか。…そうですか、なら扇子を貸してあげますからそれで我慢なさい?(既にリモコンは我が手中にあり。だった。)
■詩想八宮 > (丸投げたので手助けはなしだ。困った様子をニヤニヤ眺めつつ)わかってるよ、真面目な話って一般常識程度の話じゃねぇか! て、いてててててて!!!(むにに、と頬が伸びて強制的にそちらを向く。さよならパソコン、こんにちは姉)……はい。わかってるよ。多分姉貴がわかってる以上にはわかってる(本気そうな言い方で、こちらも真剣な顔をして。一つ頷こう)こんなことで反省してたらキリねーし(こちらも知らないようだ)………あー……うん、それは本当に育て方間違えたとしかいいようねぇな、うん(嘘泣きする姉をみて、再び鼻の頭を掻いて。嘘泣きなのは解っているが、心は若干痛む)違うな。別に選んだ訳じゃない(真顔で返そう。真顔で。真顔で)は、こんななりで集まってくるような男は変態さね。王子様は自力で探しに行くタイプだぜ? 私(と、姉のシスコンぶりを今一理解していない己は、余計なことも付け加えた)姉貴でそれかぁ。先生に頼むしかねぇんじゃね? まあ、姉貴物腰やわいからな(舐められてるかもな、とか何とか付け足した)そうしてくれ。パソコン打てねーよ!(既にリモコンを持っている姉――恐るべしである。悔しそうな目で見つめ)