2015/06/15 のログ
ご案内:「公安委員会 調査部」に『室長補佐代理』さんが現れました。
『室長補佐代理』 > 書類の山に埋もれたまま、デスクの椅子に深く腰掛けて、男は左手だけで作業を続けていた。
あれこれと面倒な案件が増えている。
それに伴い、男が処理しなければならない書類もまた加速度的に増えていた。
毎度の事なのでそれほど気にしていない男ではあったが、それでも時間だけは徒に奪われていく。
今後の課題の事を考えれば、若干ではあるが憂鬱な気分にはなっていた。
それでも、嘆いたところで仕事が終わるわけでもない。
男は誰にともなく頭を振って、右手をポケットにつっこんだまま、身を捩って左のペンを走らせる。

ご案内:「公安委員会 調査部」にクロノスさんが現れました。
クロノス > 書類の山を挟んで向かい側、
いつもの貼り付けたような笑みを浮かべ、彼女は立っている。
両手に持ったコーヒーのうち片方を彼に差し出しつつ、
現場狂いの彼女がこの場に居る理由を口にした。

「呼び出しとは穏やかでありませんね、室長補佐。
 ―――提出した書類に何か不備でも?」

そう、彼女は目の前の彼に呼び出しを受けていた。
不敵に微笑みながら、目の前で座って作業する彼を『見下ろす』。

『室長補佐代理』 > 座ったままの姿勢で『見上げ』て、男は笑う。
差し出されたコーヒーには手を付けず、左肩を竦める。
ペンを持っていることをまるで理由にするかのように。

「書類は完璧さ。我が部下ながらな。別に小言言うつもりはねぇよ。俺はお前と世間話がしたいだけさ」

伽藍洞の瞳をそちらに向けて、じわりと、滲むように……汚らしく、嗤う。

「言われるようなことをした『覚え』もないんだろ? なら、これからするのは全部『世間話』で楽しい『歓談』だ。そのほうがお互いに都合がいいんじゃねぇか?」

クロノス > 彼が手をつけずとも、片手のコーヒーを口にする。
味はしなくとも、香りを楽しむくらいは出来る。

「いくら補佐代理が女性に縁が無いからといって、
 仕事の片手間の話相手に見た目麗しい女子が欲しい、というだけで
 世間話やら歓談の為に呼び出すのはやめていただけますか?
 ………私は『仕事』で忙しいんですが。」

『パワハラで訴えますよ?』とクスクスと笑いながら、彼の対面に座った

「まぁ、いいでしょう。
 たまには上司のご機嫌を取りも悪くありません。」

足を組み、彼の伽藍洞の瞳を覗き込むように視線を向けながら、
彼の机、今彼が書き込んでいる書類の上にコーヒーをことんとおくと、

にっこりとした笑みを滲ませた。

『室長補佐代理』 > 「そうそう、後輩かつ部下らしくちったぁ俺の『ご機嫌』はとっといたほうがいいぜ。『仕事』を円滑に続けたいんだったらな」

同じエージェントであるからか、それとも作為的か。
偶然なのか必然なのか。その場では判別のつかない笑みが互いに交わる。

「クロノス。仕事熱心なのは結構なんだがな……熱心が過ぎるんじゃねぇのか?
何事にもちょうどいい所がある。
特にうちは調査部だ。執行官なんざ本来は閑職。仕事はないも同然のはずなんだ。
それなのに、『仕事』をしている意味……いくら懲罰異動をくらったからって、わからないわけじゃねぇよな?」

互いに座れば、視線の位置は逆転する。
覗き込むように『見下ろす』男の黒瞳が、覆い被さるようにクロノスを覗き込む。

クロノス > 「ええ、おっしゃるとおりです。
 円滑な仕事の進行の為には、上司のご機嫌は取っておかないと。
 それに、コミュニケーションは大事ですからね。」

覆いかぶさるような視線を涼しげに流しながら、
彼に『折角部下が入れたんです、飲んだらどうですか?』とコーヒーを勧める。

「監視が主な仕事である部署の、しかも、閑職に送られた。
 という事の意味については、私も理解しているつもりです。
 ようは『何もするな』という事でしょう。」

『まして、保守派代表のような上司がいるわけですしね。困った事に。』と肩を竦める。

「そうは言っても、私は不正を正すために、あるいは悪に害される1人でも減らす為に公安委員になったんです。
 『仕事をするな』と言われて、素直に聞くほど、『私は』腐って居ないつもりですよ。」

くすくすと笑って彼の瞳を『見上げる』。
―――鮮紅の瞳が、彼の黒い瞳に映った。

『室長補佐代理』 > 黒と紅が混じり合う。
交錯する視線は互いに眦を舐め、瞳孔に喰らい付く。
ただ、お互いの視線を絡めあって、まるでそれは親愛を示すかのようにすら、傍目には見える。
だが、もし間近で見たのなら……それは即座に否定されるだろう。
その、互いの口元に張り付いた、悍ましい微笑を一度でも目にすれば。
 
「昔お前と同じことを言った奴がいたな。
そいつはよってたかって懲罰を受けて『否定』された。
その意味がわからないほどバカじゃあねぇだろ。
もう一度、そんなに『懲罰』くらいたいのか?
俺は、個人的には大事な大事な部下とは仲良くしたいんだがなぁ?」

クロノス > 彼の答えには『ぐにゃり』と口元を歪ませる。

「ええ、確かに『否定』されました。
 同じ事を言って、同じ事をやって、そして『否定』されました。」

机にあった書類の山から、幾つかの案件を取り出す。
『強姦事件』、『脅迫事件』、『不可解な点も多い誘拐未遂事件』、
―――そして『ロストサインによる傷害事件の数々』

「しかし、事実として現状はこうです。
 彼女は『それでも地球は回っている』と言っただけ。
 ―――それを『否定』されただけです。」

資料を机に置くと、目を伏せ、
悔しげに帽子の鍔を握り締める

「公安や風紀の現在の体制では、どうしても後手に回ります。
 ―――守りたいものがあって、それに対して自分が出来る事があるのに、
 命令が、それに適した立場がなければ動く事すら出来ない。」

ちらりと、彼の机にあった『元同僚』の資料に視線を向ける

「………それは、貴方も感じているのでは?室長補佐。」

『室長補佐代理』 > 事実の数々を突きつけられて、男は苦笑する。
 
「ああ、俺も知っているよ。流石は可愛い俺の部下だ
よくわかっているな。
俺が教官だったら二重丸をくれてやる」
 
実際、男が今処理している書類の数々は『それ』の延長線上だ。
『元同僚』のあれこれでもあり、先日のあれこれでもある。
だからこそ、いや、そうであるからこそ。

「だが……『それだけ』だ。
      所詮それは机上の空論。
          『それ』は現場で通用しない」

男は……嗤う。
汚らしく、いやらしく、嘲るように、嗤う。
クロノスの言葉を受けて、一度だけ鷹揚に頷いて……嗤う。

「『正しい』事には何の意味もない。潔白には何の意味もない。
もっといおう。
事実に、真実に……意味などない。
過去は過ぎ去った時間以上の意味を持たず、未だ来ない未来にも意味などない。
必要なのは現実だけだ。対処できるのも現実だけだ。
『それでも地球は回っている』、か、いい言葉だ。
だがその言葉を言った奴は何故それを否定されたかしっているか?」
 
伽藍洞が細まり、口元がさらに……歪む。
 
「当時の『常識』に『理由もなく』ただ『自分の主観……自分勝手な正義』だけで唾を吐いたからだ」
 
闇が飲み込む。紅を飲む。
黒がただ、共に混じるだけの黒が、ただ、飲み込む。
 
「未来になってその正義は『偶然』にも正しいと判断された。
研究によって遥か過去にすらそれは正しかったとされた。
だが……その時の現実とは何の関係もないことだ。」
 
歪んだ口腔が……弧月を描く。
 
「それがそこにいる意味を考えられない奴に、正義を『騙る』資格はない。
この世界に正しい物もそれを成す義もない。
ただそれを偶然肯定する現実があるだけだ。覚えておけ」

クロノス > 彼の言葉を聞くと、彼女も笑った。
彼のその言葉を、嘲るように、道化を哂うように。
口元を歪め、帽子を脱ぎ、髪の毛を右手で払って。

「ええ、その通り、事実にも真実にも、意味なんてありませんよ。
 私は私が殺したいと思った人間を、殺したい時に殺したいだけです。」

『ええ、主観でしょう、主観でしょうとも。』と彼女は笑い声を漏らした。

彼の瞳を覗き込む彼女の瞳はどこまでも紅い。
その血に塗れた語る言葉のように、炎のように、
どこまでもどこまでも紅い。

「本当に大切な物をその『常識』に殺された時に後悔しても遅いんですよ。
 ………どんなに後悔したとしても、もう戻ってこない。」

それは、彼女が『常識』の破壊者であった
彼女を失った時に感じた言葉なのかもしれないし、
あるいは、それ以外の何かによって得た答えなのかもしれない。

帽子を被りなおし、正す。

「補佐代理、実に興味深いお話でした。
 確かに補佐代理の言う事は補佐代理にとっては正しいのでしょう。
 ですが、それは補佐代理にとってであって、私にとってではない。
 結局、双方が聞いてもそれぞれ『机上の空論』でしかないんですよ。
 私の知っている現実は、貴方の知っている現実とは違う。逆もまた然りです。」

一口も口をつけていない彼のコーヒーに目をうつし、
にっこりと貼り付けたような笑みを漏らす。

「『現実』に裏切られて、その作った笑みが作られていない悲しみに染まる日が来ない事を祈るばかりですよ。補佐代理。
 ……その時は喜んで同胞として迎え入れましょう。」

そう言って、自分の側のコーヒーを飲み干した。

『室長補佐代理』 > 冷め始めたコーヒーを後目に、男はまだ笑う。
互いにかち合う瞳。
黒い瞳には紅が映り、紅い瞳には黒が映る。
部下の語る一部始終の『回答』を聞き終え、男は頷く。
 
「俺としても、興味深い回答だった。
お前はむしろ、風紀に向いている人材だな」
 
つい先ほど、僅かに過去を語ったクロノスを思い出して、目を細める。
失われた過去を想起する彼女をみて。
 
「そうやって韜晦にも似た相対に開き直れるのなら、それは『現場』向きだ。
机上の空論といったことは謝罪しよう。お前には苛烈な現場が似合っている。
ただし、調査部ではない『現場』がな。
今、調査部である以上は弁えろ。
それが出来ないなら、責任は自分でとれ。
それすらも出来なければ、更なる『懲罰』は覚悟しておけ。
ここは職場だ。仕事の領分を越えれば、それは罰せられる。
それだけだ」
  
コーヒーにはあくまで手を付けず、それでも、彼女からは目を離さず。
男は、笑う。
 
「いつか同胞に成ることを期待しているなら、それはそれで頂戴しておこう。
ひとまず、俺の話はそれで終わりだ。
楽しい歓談の時間をありがとう」

クロノス > 互いの心を映すような色の互いの瞳に映った其々の色は、
其々の心にまで多少なりとも影響を与えるか、与えないか、
……それは今の時点では分からない事だ。彼女はふっと目を閉じる。

「自分でもそう思いますが、そういう人間が公安に居れば、
 対立が益々進む『公安』と『風紀』の橋渡しとして実に優秀でしょう。
 必要なんですよ、一人くらいは、そういう馬鹿も。」

飲み干した『自分の分のコーヒーのカップ』を持って立ち上がる。

「―――もともと懲罰での人事異動です、
 向いてない部署に配属されるのも仕方ない。
 転属した以上、『その部署に馴れるまでの間』に、
 多少失敗するのは仕方の無い事ですよ、室長補佐。
 そんな部下の失敗の尻拭いをするのは、
 残念ながら、大体の職場において中間管理職の仕事です。」

こんこんと、彼の机の上にある書類の山を叩くと、
『手のかかる部下を持つと苦労しますね』と笑った。
『とはいえ―――』と、瞳を伏せる。

「『上司に個人的に呼び出されて厳重注意』を受けた以上、
 それには従わざるをえませんね。残念ながら、仕事ですから。」

笑みを浮かべたまま、肩を竦める。

「もし、領分を越えた事をするなら、
 『公安委員』としてじゃなくて『自己責任』でやらせて貰いますよ。」

それだけ言い残すと、彼女はコーヒーカップだけを持って立ち去る。
―――彼の前には、変わらぬ書類の山と、冷め始めたコーヒーだけが残された。

ご案内:「公安委員会 調査部」からクロノスさんが去りました。
『室長補佐代理』 > 「理解してくれたのなら、嬉しいよ。
俺は何もお前と……そう、部下と争いたいわけじゃあないからな?
その必要がなければそれが一番だ。
それじゃあ、『適度』に頑張ってくれ」
 
去っていく部下を見送り、完全に姿がきえてから、溜息を吐く。
まぁ、クロノスのいう筋書きは間違っていない。
向いていない部署に飛ばされて、無茶をして、上司に責任をなすりつける。
上司から『一言』来るまではこれでいい。
逆にいえば、この『一言』が来るまでは自由にできたわけで、今の今までそれを、最大限利用していたのだ。
良く言えば利口。悪く言えば狡猾である。
 
「流石は元非常連絡局員の面目躍如といったところか」
 
いずれにせよ、布石にはなった。
これで少しは大人しくはなるだろう。
少しだけかもしれないが、しないよりはマシである。
 
「『自責』で本当にやってくれるのなら、まぁ文句のつけようはないんだが……立場を持ったままそれが出来るのかね」
 
すっかり冷めたコーヒーを一瞥だけして、男はまだ当分終わりそうにない書類の処理に戻った。

ご案内:「公安委員会 調査部」から『室長補佐代理』さんが去りました。
ご案内:「委員会街」に『室長補佐代理』さんが現れました。
ご案内:「委員会街」から『室長補佐代理』さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会 本部」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > 書類の散乱したデスクの上に脚を組みながら、
近頃勃発している案件について記された書類に目を通している。

ロストサイン、殺刃鬼、非合法義肢、外部のクローン兵士……
それなりに歯ごたえのありそうな面々は揃っている。
メインディッシュ足り得るかどうかはわからないが、余興には事欠かない。
粗方目を通し終えると、デスクから脚を下ろす。
手に持っていた書類をデスクに投げ捨てると天井を見上げ、たそがれ始めた。

久藤 嵯督 > (社交辞令として挨拶程度は済ませておこうかと思っていたが……全員現場か?
 思ったよりやる気に満ち溢れているというか……いや、単に余裕が無いというだけか。
 何せ案件の数だけは"ご立派"だからな、ここは。無理もない)

そういうことなら、さっさと行って助力してやるのが一番だろう。
向こうにとっても、そして自分にとっても。

巻いたカーペットを投げ転がすような滑らかさで椅子から立ち上がる。
ロッカーでいくつかの道具を仕込んだ後、その場を後にするのであった。

ご案内:「風紀委員会 本部」から久藤 嵯督さんが去りました。
ご案内:「委員会街」に久藤 嵯督さんが現れました。
ご案内:「委員会街」から久藤 嵯督さんが去りました。
ご案内:「風紀委員会 本部」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > あまりにもどうでもいい事だったので忘れていたが、
風紀委員の腕章を確保しておくのを忘れていた。

乱雑に置かれた書類の中から、腕章を掘り当てる。
それを腕に巻けば、動き具合を試すかのように腕を回す。

ご案内:「風紀委員会 本部」に佐伯貴子さんが現れました。
久藤 嵯督 > (異能、魔術共に反応なし。専用の術式すら用意されてないとは……
 委員会の連中には同情を禁じ得んな)

佐伯貴子 > (事務処理は自分だけではできない。紙媒体の書類を整理することも大事な仕事の一つだ)
(ということで本部に顔を出した。ドアを開ける)
…貴方は?
(あまり見ない顔だ。最近配属されたのかもしれない)

久藤 嵯督 > 誰かがこの場所に近付いていることはわかっていた。
ドアが開く前から、彼の顔は少女の方を向いていた。

「久藤 嵯督(くどう さすけ)。本部より風紀委員会に加わるよう指示を受けてここに来た。
 お前は佐伯 貴子だな? 資料で読ませてもらっている」

佐伯貴子 > (気配を読まれていたような反応にも動じない。それくらいの使い手でなければ務まらない業務もある)
久藤…か。
ああ、私は佐伯だ。指示を受けてこんな仕事を始めるというのは初めて聞くな…
(自己紹介の手間が省けたと思いながら、自分がいつも使っているデスクの方へ歩みを進める)

久藤 嵯督 > 一々やかましく驚かれないのは都合がいい。
そういった輩を落ち着かせるのは面倒なことなのだから。
落ち着いた様子を見せる佐伯に対して、サスケ抱いた印象はそう悪いものではなかった。

「上の考えてる事は俺にもよくわからん。
 本島の抱える問題が、警察組織のキャパシティを越え始めているとは聞かされている。
 実際のところ、首尾はどうなんだ?」

書類の散らかされたデスクの前に、どかっと座り込む。
漆黒のコートの下で、金属のかち合う音が小さく鳴り響く。

佐伯貴子 > (普段通りの歩調でデスクの前に来る)
どうもなにも、猫の手も借りたいといったところだな。
(苦笑しながら椅子を引いて座る)
君が相当の使い手であることを祈っているよ。
例えそうでなくても、本部にまで足を運ぶ人材というだけで貴重だ。
(つまりそういうことである)
(ただでさえ後手に回ることが多い風紀委員は今様々な事件に追い立てられている)
(ここ数日は報告の提出など若干好転している印象だが)

久藤 嵯督 > 「そうか」

デスクの上に肘を付いて、人差し指と中指をくいくいと曲げる。
すると給湯ポットから急須に熱湯が注がれて、緑茶が出来上がる。

薬指と小指を折り曲げると急須の前に湯飲みが移動し、小指を立てると同時に緑茶が注がれる。
人差し指を佐伯に向けて指せば、彼女のデスクに湯飲みが運ばれてくる。

湯飲みの腹には、ピアノ線が巻きついていた。

「―――余計な祈りだ」

佐伯貴子 > (相手の動作に気づいて、手品じみたその様子をじっと見ている)
(湯のみがデスクに置かれれば軽く頭を下げて)
ありがとう。
しかし、私は1年ほどこの仕事をやってきたが…
慢心は死に繋がりかねない。
死んだらそこで終わりだ。人生も仕事もな。
仕事は卒業するまで続く。くれぐれも慢心するな。
(相手の力量を測るには少ない時間。しかし注意した。仲間を失うのは御免だ)

久藤 嵯督 > 「俺からすれば、人生などさっさと終わらせてしまった方が楽だと思うがね。
 無駄死には御免だが死ぬべきときには死ぬ、それだけだ」

己の力の全てを見せたワケではないが、まずはこんなものでいいだろう。
後は結果を出せばいい。そして願わくば―――


天井に張り巡らされたワイヤーを全て退かせて、ゆっくりと立ち上がる。

「パトロールに出向く。何かあればこちらに連絡を寄越せ」

そう言って差し出してきたのは携帯ではなく、数世代前の無線機だった。

佐伯貴子 > …考え方は人それぞれだ。頭から否定するつもりはない。
しかし君に死んでもらっては悲しむ人間がここに一人できたという事実は覚えておいてくれ。
(湯のみを取り、緑茶をすする)
そうか…だが私もいつもここにいるわけではない。
その機械はここに置いておくといい。
(初めて見るレトロすぎる機械を見ながらそう告げる)
(おそらく使い方がわからないし、持って歩くには大きすぎる)
何かの前兆があったら持たせてもらうさ。
(そう言って苦笑する)

久藤 嵯督 > 「悪いがそれを一々気にするほど、俺は優しくない。
 付き合い方を考え直してみることを提案する」

無線機をデスクに置くと踵を返し、出口へと向かう。

「………」

去る時は、何も言わない。
何も言わずにドアを開けて、その場から去っていくだろう。

佐伯貴子 > 気をつけろよ。
(少年の背中に声をかけて見送る)
…死にたがり、ではないな。さしずめ死に場所を求めてさまよっているというところか…
(緑茶をズズズと啜る)
なににせよ…本人にとって軽い命らしい。
(少し悲しげな表情でそういった)

ご案内:「風紀委員会 本部」から久藤 嵯督さんが去りました。
佐伯貴子 > (目の前にある端末を立ち上げ、何か操作する)
(壁際にあるプリンターから何枚もの紙が飛び出てくる)
(しばらくその作業を進めると立ち上がる)
さてやるか。…私にできるのはこれくらいだからな…
(書類を分類し整理し始めた)

佐伯貴子 > (書類を空いたデスクに綺麗に並べると、部屋を行ったり来たりして棚やデスクの上にあるファイルを持ってくる)
(プリントアウトされた書類をファイルに収める)
(時々こういった作業をしないと他に誰もやらない)
適材適所。これもいつかなにかの役に立つだろう。
(黙々と誰も居ない部屋で作業を続ける)

佐伯貴子 > (ついでに散らかっているデスクも片付け始める)
(ついでにデスクを付近で綺麗に拭いておく)
(ついでに床もほうきで掃いておく)
…何の仕事をしているのかわからなくなった…
(ここに来るといつものことである)
帰るか…
(窓の外を見ればもう真っ暗だ。片付いた部屋を後にして女子寮へと帰宅した)

ご案内:「風紀委員会 本部」から佐伯貴子さんが去りました。