2015/06/24 のログ
ご案内:「委員会街の一角」に遠条寺菖蒲さんが現れました。
■遠条寺菖蒲 > 昼過ぎ――最近、委員会の仕事を終えると人気の少ないこの場所に足を運ぶ。
適度に人が通って適度に人気のない場所。
それをここ最近歩いて見つけて自分の休憩所みたいな場所とした。
幸いにして未だこの場所を縄張りにしているような人には遭遇しない。
ので、今日も一人で缶飲料を手に考え事をする。
(下手に動けない。動けば私、生徒会にも迷惑になる……立場って厄介かも)
何度かその立場に甘え、助けられたのもあるのだろうが、今、動こうと画策する時になると足枷のように感じる。
事実、生徒会の幹部候補生という立場もあり風紀委員や公安委員のように現場に行くことは出来ない。行く理由もない。
事実調査班であれば別であろうが、それも聞き込みや現場確認という生徒会の裏的な存在であり菖蒲もそこに所属する生徒等の顔も名前も把握できていないしもしかすれば有志や他委員会との合同組織という可能性もある。
関われないのであれば部署異動の機会は皆無であるし、自身が世話になっている幹部の方に遠回しに辞職したいみたいな事を言えば遠回しにその拒否権がないとのような事を言われた。なんでも『君の家の意志でもある』だそうで逆らえないようだ。
(連絡がつきそうって言えば……風紀委員会の能見さゆりさんか)
恐らくだが、公安委員会のクロノスと言う人物について調べようにも先日五代より渡された『過去』の情報より先は今の私には調べられないだろうし、連絡先も調査し切れないと予測する。
彼女は落第街でよく目撃されているという話だが、菖蒲にそこに行ったことが公になった場合に問題をどうこうするチカラはないし前回の害来腫に襲われた件は被害者で反省の色も見られたのとその後の事もあり不問であったが、
二度目は恐らくないだろう。
(窮屈……)
そう思って、大きく息を吐き捨てる。
■遠条寺菖蒲 > (これで私が生徒会でなかった場合も相当に面倒臭い状況になるのよね……)
そう、生徒会でなくても先日の五代の話を思い出せば面倒な事だ。
絡んでいるのは委員会上層部……学園の上層部の思惑だ。
それが面倒だし厄介だし、面子だ利権だのなんだのと言うのは一度味わうと余程気持ち良いらしく固執していると言える。
そこには建前としての学園の秩序があり、本音としての自分たちが得をしたいだとかそういう薄汚い思惑が幾重にも折り重なっている。
つまるところ、こう大きくなっているが『炎の巨人事件』はきっかけに過ぎず、
ただ学園の組織の狂った『秩序』が私の目の前に露見した結果になっている。
幸いにして、一般生徒は事件の名前を知っていても真相を知らない子の方が多いし、調べようと動きまわらなければきっとこれからも知る機会は限られるのではないかと思う。
そして元ロストサインによる“害来腫”ブラッタの事件となり、今回のクロノスの騒動となるが、
どうなるのか。
クロノス、彼女の犯している罪は既に臨界点を迎えかねない。
ここで何かをしたとしても余り加点にはならない。それまでに抱えた減点の数が多過ぎる。
それに直接連絡を取り接触を図れば、何か妨害があるかも知れない。
となると、能見さゆりとの接触する方が今はまだ楽と考えるべきか。
(前回の事件の関係の資料で確か関係者の連絡先の控えってあったよね……)
菖蒲の記憶が確かならば、風紀委員会からの報告書に書かれていたはずだ。
(そうと決まれば、ちょっと動こう)
先ずは一人。
彼女の言葉を伝えに行こう。ただのメッセンジャーになるだけでもいい。
動かないと、何も変わらないから。
その結果、私の処分がどうなるかは分からないが今はやれることを。
いつの間にか缶の中身がなくなっていた。
■遠条寺菖蒲 > 「さ、怒られない程度にやろう」
私は表に出れないのなら、裏で動くしかない。
裏でタイミングを見計らうしかない。
偶然を装うかはたまた本当に偶然でそうなるかは未だ先の事は分からないが、
足を動かし、手を伸ばせ。
恐れて縮こまっていては始まらないのならそれしかない。
いつだって『変化』はどこかで自分が動いた結果が関わってくるだろうから。
菖蒲はそうして缶を捨てると生徒会本部のある建物へと戻っていく。
まだ委員会の仕事はあるのだ。
ご案内:「委員会街の一角」から遠条寺菖蒲さんが去りました。