2015/06/25 のログ
ご案内:「風紀委員会相談室」に能見さゆりさんが現れました。
ご案内:「風紀委員会相談室」に遠条寺菖蒲さんが現れました。
能見さゆり > 【風紀委員会の相談室。
基本的に此処は様々なトラブルを抱えた生徒の相談に乗る場所であり、そのため、完全個室である
プライバシー保護のため、当該生徒と風紀委員の他は基本的に立ち入ることが出来ない

中はいかにもな椅子と机
それ以外にこれといって特に何もない

武器になりそうなものや道具になりそうなものは極力置かれていない
感情的になった際に生徒が問題を起こすのを避けるためだ

もっとも、密室と言っても、一応は使用管理上、風紀の利用名簿には載る】

能見さゆり > こちら、どうぞ。

……風紀委員の能見さゆりです。

さて……
遠条寺菖蒲さん

ご相談がお有りとのことですが、一体どのようなご用件でしょうか?
楽にしてくださって構いませんから、話せるところから話せるぶんだけでも構いません。

【席をすすめ、自身も着席すると、いつものにこやかな笑みで応対した
屈託のない微笑だ】

遠条寺菖蒲 > 武器の持ち込みはご遠慮、ということで建物の入り口で小太刀は預けてきた。
今日のこの組み合わせは事前に菖蒲が連絡を取りさゆりに用意してもらった場であった。

部屋の中へと案内されて席につく前に言葉を投げる。

「どうも、はじめまして。
今日はこの場を設けていただいて感謝します」

社交辞令でそう返し、彼女に進められる席につく。
彼女が座るのを待ってから、話を切り出す。

「そうですね……
先ずは、いきなりの連絡にもかかわらず会っていただきありがとうございます」

と嬉しそうに頭を下げる。
それから顔を上げて困ったようなかおをして言葉を発した。

「どうどこから話すべきなのかは分かりませんが、信じて頂ければ…なんて思います」

能見さゆり > いえ、コレも仕事ですから。
……信じる、ですか。

信じるも信じないもありません。
感じたことであるなら、事実だろうとそうでなかろうと、本人にとっては真実です

本人にとっての真実である以上、まずは正しいこととして捉えるべきだと考えます
事実と照らし合わせたりするのはまた別の話だと考えています。

【にこやかに応対する
もちろんこういう時に使う声の周波数は安心させるような波長だ】

遠条寺菖蒲 > そう言うさゆりの言葉を聞いて少し安心する。
ああ、いい人だなと菖蒲は少し緊張を解した。

「そう言って貰えて助かります。
私も最初は夢か幻か何か見せられたんじゃないかって思ったくらいでしたから」

と笑う。

「先日まで私は常世保健病院という場所に入院していたんです。
そこで『彼女』に会って話を聞いて能見さんのところへ来ました」

彼女が誰だとは直接言葉にはしない。
ただ、思い出すように、さゆりを見ているけれど遠くを見ているような目をしてそう言う。

能見さゆり > ……なるほど。
ここにいれば様々なことが起こりますから、特に何があったところで不思議ではないと思いますよ?

【保健病院に入院。立場上、刀を落ち歩くようなものの入院となれば昨今の事件の関わりだろうか。
立場上、菖蒲のデータを入手できなくはなかったが、今回は事前情報については下調べはしていない。

彼女とは誰だろうか。
思い当たるフシは数名しかいないのだが。

そしてこの瞳。
少し話したくない、もしくは自身にとって大きな問題なのだなと予想する

にこやかに話を促した】

遠条寺菖蒲 > さゆりの様子からは余り手応えを感じないが、話は進めよう。
ここに来る前に来たよく世話になっている先輩からの『厳命』と書かれた件名のメールでとある人物には会うな、と言う内容のものを見て、のんびりと待っても居られないと腹を据える。

「先ず、一つお尋ねしたいのですが……
クロノスと名乗る人物の事は知っていますか?」

先程とは違い今度はさゆり自身を見つめるような瞳でそう問いつづける。

「その人物はかつて公安委員会の非常連絡局に所属しており『彼女』の部下の一人であった。
現在は公安委員会の第二特別教室の、上官と言う話ですね。
以前、その地位にいた人物が除籍処分を受けたのでその席についたというカタチのようですが……
その人物についてご存知ですか?」

ハッキリとは言わないが情報を出していく。
知っていれば彼女のしていることもしようとすることもある程度予想出来ているのではないかという菖蒲の希望的観測。

能見さゆり > ……ああ、なるほど、そういうお話なのですね

立場上、敢えて先入観をあまり持たないようにしているのです
先入観というのは大事な可能性を簡単に否定しますから、可能な限り話から判断するようにしています。

私のことをどこまでご存知か知りませんが、基本的に落第街周辺の荒事に従事することが多いです
である以上、現在その辺りで活動の多いクロノス女史のことは当然知らないはずはありません

ただ……
すいませんが、今回の話がどういった目的のお話なのかを先に説明願えるでしょうか?
現状、コレでは相談なのか交渉をしたいのか要領を得ませんし、余計な手間や誤解を生みかねません

こういった話であるのならば
「どういった目的で、どういう話を、なんのために行うのか」
明確にしていただいたほうがお互い話がスムーズなように思いますがどうでしょう?

【随分とややこしい話を持ち出してきたと思う
この発言から鑑みるに、敵か味方かもわからない
どの立場からの発言かもわからない以上、お互いにうかつな話はできないという方向に持って来られては
単なる探りあいになると踏んだ
それはお互い良としないだろう

別に立場は敢えて明確にせずともよいが、少なくとも話しの主題は先に明確にしておくべきだろう】

遠条寺菖蒲 > 「そうですね……」

言われて考える。今回のこれはどう言ったものなのかと。
そして彼女自身どこまで巻き込んでしまっていいのかと悩んでいたがそれこそ余計なお世話なのかもしれないと考える。
遠回しな言い回しは彼女にもストレスになるだろうし、少し焦りがではじめた自身にもよくないかもしれない。
お断りされるならば、そこまでなのだろうと脳内で割り切る。

「いえ、失礼しました。
今回の件は交渉で、個人的なお願いであるものです」

そう、お願いだ。能見さゆりを尋ねたのは彼女――西園寺偲の言葉でもあったが今では自分の為でもある。

「どこであれ余り声に出す名前ではないと思い下手に困惑させてしまうような事をしてすみませんでした。
私は、常世保険病院で西園寺偲先輩から能見さんとクロノスさんの名前を聞いて、その『頼み』を受けて貴方に連絡を取りました。
私がここにいるのは西園寺偲先輩の頼み事によるものです」

言い切ると僅かに緊張から、意識して唾を飲み下す。
正直、どう言う反応をされるか分からなくて、僅かな恐怖から視線を僅かに下げた。

能見さゆり > 交渉でお願いですか、了解しました。

【クロノスから西園寺さんが直接動ける旨は聞いていない。
もし真実であればマスターの意志を汲まねばならないということになるが……それもおいそれと態度に出すわけにも行かない
菖蒲の交渉力はそれほど高くないと踏んでいるが、要件が厄介だ

つまり……この言い回し、菖蒲本人の決定でない可能性が高い
となると、ただそのまま鵜呑みにして聞いていい話でもないはずだ】

西園寺さんの……頼み、ですか?
彼女は動ける状態ではないと聞いていますが……どういった内容なのでしょうか?

【別段驚いた風でもない。
この学園では珍しい話でもない

妙に緊張しているが、話の内容が難しい相談なのだろうか?
もしくは誰かから何か言い含められているか

先を促す】

遠条寺菖蒲 > 「彼女と会った時、彼女の意識はありませんでした。
恐らく彼女の意識体だという可能性ですが、
『ロストサイン』についてや先の事件の事など色々と聞きましたが……
彼女から頼まれた事は二つです」

そう言って手でちょきを作り出してから人差し指だけ残す。

「そのうちの一つが、
『クロノスさんを助けてあげて』と言うものでした」

答える。
自分でも突拍子もない話だと思いながらも
これは自分が頼まれて、やると約束したことだから素直に。

能見さゆり > ……。
【黙って微笑ましいえがおで話を聞く。

先程から察するに、やはり感情が先走っていて、交渉向きではない。
つまり……何の理由もなくこの場に立てるような人間ではない。

そして、この話の入り方からしておそらく……この話の根幹は、親切では、無い。
親切に対して緊張する、というのではないはずだ

基本的にこの菖蒲という女性は素直で純粋と思われる
故に腹芸には全く向いていない

向いていないからこそ、他人が使うには便利な駒になる
本人が意図していないところに「話の鍵」を仕込まれるからだ……厄介な

得する奴がいる】

なるほど。
それで、もうひとつは何でしょうか?

【特になに、という態度を見せる風でもなく先を促す】

遠条寺菖蒲 > 続きを促され口にする。

「――『“ロストサイン”を止めて』です。
これは“丁度よかった”ので引き受けました」

丁度良かった。
表情を見れば、そんな事はないというのは察しがついてしまうだろう。

「もちろん、『ロストサイン』そのものは既に壊滅して存在しませんので、
恐らくその残党である個人個人の動きを止めて欲しいというものなんでしょうね」

口にしてなんとも無謀な話だろうかとも思うのだが、
頼まれたことだし約束もしてしまったのだから、自分は守らないと、と少し笑みを浮かべる。

「彼女から私に頼まれたのはその二つですよ」

能見さゆり > 【やはり妙だ。
そもそも、もったいぶることでもなければそれほど無茶な話でもない
どちらかと言うと最初のほうが特殊だ

もっともこの2つに関してはすでに達成済みでもある
特に気にする必要もない】

どういった意図かはわかりませんが、理解は出来ます
ご用件はそれだけ……ですか?

【だから、にこやかな笑みで安心させるように言った】

遠条寺菖蒲 > 「出来れば、先のクロノスさんを助けると言う方でお力をお借りしたいんです。
このままではクロノスさんはきっと西園寺先輩と同じように公安委員会から斬り捨てられます。
そして恐らく、公安委員に関係する誰かが彼女を『処理』する為に動くことになります。
もしかするとそうはならないかもしれない。
けれど、もしかすると彼女は殺されるかもしれない。
クロノスさんが殺させれない為に力を貸して欲しいんです」

どこかの誰かのように言葉は上手くはない。
それでも自分の言葉でなんとか。
別にクロノスと親しいわけではないし、一度も会ったことはない。
でも、彼女が頼んだ事は叶えてあげたいと思ったからお願いする。

「――『秩序の為に従え』と西園寺先輩はあなたにそう言えば力を貸してくれると言っていましたが、
私は能見さんの判断でその力を貸していただきたいと思っています」

まるでひとを道具のようには思いたくはない。
能見さゆりがアンドロイドであるという話は、聞いて知っている。
けれど、メールでのやり取りやこうして会ってみて思うところがあった。

「私は、貴方には自分の意志に従って判断してほしいから」

西園寺の言う言葉にどれほどの意味があるのかは知らない。

「断るのなら、出来れば今日の話は忘れて下さい」

そう言って、僅かに肩から力を抜く。
言ってしまえば、そこまでの事だ。
先日、知り合いに言った時に言われたようにこれは彼女の子供のような「我儘」だ。
今はそれに自分も同調している。
そして自分の我儘はそれに輪をかけて大きな我儘だとも思う。

「私の話はそれだけです」

吐き出せばそれだけ。
無駄に緊張していたような気さえもしてくるというものだ。

能見さゆり > ありがとうございます……あなたの想いとお話はわかりました

お話を聞いて思ったのですが、菖蒲さんは真っ直ぐな方なのですね
ひたむきで純粋で、とても嘘をつくような方には思えないと感じました

答えを出そうと思いますが……その前にいくつか質問があります

この話……誰かにしましたか?
それと、あなたとクロノスさんとの関係はどんな感じでしょう?
最後に、この話におけるあなたの立場を教えてください、所属、感想、なんでもいいです

この質問に関して、菖蒲さんの性格からしてあまり考えにくいのですが、もし答えに嘘偽りがあるなら……
風紀としては特に何かするということはありません、特にそういった権限のもと話す話ではありませんからね

ただ、私としてはあなたをひどく軽蔑します、それだけです

【静かに優しく、目を見据えて穏やかに話す。
要は挟持にかけて質問に答えろと、そういうことだ
それ以外何の規制もない

おそらくこの話、この内容は信じていいのだろうが、誰が動いているのか探っておく必要がある
そのためにもいまここで必要なことは聞き出しておく必要があった】

遠条寺菖蒲 > どうしてか、何も考えずに言ったほうが簡単に話を聞いてもらえたかのような気がした。
それはどこか嬉しかった。
だから、質問には全部ちゃんと答えようと思った。

「えっと、昔から少し世話になってる能見さんと同じ風紀委員会ですが警備部特殊警察一課の第二小隊隊長の五代 基一郎さんと後は今の能見さんで二人目になります。
クロノスさんとは未だ面識すらありませんし、私は資料から顔とこれまでやって来た過去のことくらいは少しは把握してますけど、クロノスさんは私のことは全く知らないと思います。彼女と面識があるのは西園寺先輩であって私じゃないですから」

そう言ってみて少しおかしな話だと笑いが溢れかけた。

「変な話ですけど、私はクロノスさんとは話したことがないんですよ」

と言ってから最後に困ったように、

「私は本来、生徒会の役員で今は幹部候補生としての立場です。
その立場上、大きく動けばどういう事態を招くは想像しきれない部分があります。

ですけど、それとは関係なしにあの時に私に『助けてあげて』と頼んだ西園寺先輩が
あの時の私よりも辛そうに見えたからその頼み事を、願いを叶えてあげたいと思ったんです」

子供っぽいかも知れないと今更のように笑みを浮かべて答える。

「それに、絶対に助けて能見さんとクロノスさんを西園寺先輩のところに連れて行くって約束したんです」

ただ、その約束を守りたいと。

「だから、良ければクロノスさんを助けるだけでいいので私に力を貸して下さい」

そう言って再び頭を下げた。

能見さゆり > くすくす……まったく

だいぶ五代さんに警戒心を吹き込まれたんじゃないですか?
今の答えがあればそれで十分協力に値しますよ、そのひたむきさを忘れないように

ですが……本題の前に少々お話を

菖蒲さんは正直で良い方ですし、真面目で真っ直ぐな方とお見受けします
その事自体は一般的には美徳ですし、その真っ直ぐさは貴重だと思います

……ただし。

その真っ直ぐさは誰かに利用される可能性があります
例えば断れないのをいいコトに、交渉の舞台に立たされるなど
菖蒲さん自身に非はないにもかかわらず、誰かの意図を代弁させられたりする可能性があります
もう少しわかりやすく言えば、自分では思ってもいない考えや先入観を持たされたりする可能性があるということです
……つまり印象操作ですね、場合によっては思考まで操られます
そのことで決定的な決裂を生むよう、使われる可能性もあります

そういった部分での危機感に少々疎いように思いましたので、差し出がましいようですが一言挟ませていただきます

【要は、要らない警戒心を抱いたがために、話をややこしくしてしまったし
その警戒心は自身で持ったものではなく誰かにそう思うよう仕向けられたものだと、そういう話だ
自身で荒唐無稽に思われるかもしれないという心配もあったのだろうが、コレでは探り合いをうんでしまうし
何より、彼女の特性を生かせない

……もっとも、五代のことで考えれば……さゆりにここで説明させるための手管である可能性もあるのだが】

本題に入りますが……
実はですね、すでに頼まれずともクロノスさんとは接触する機会がありまして彼女とは友人なのですよ

ロストサインの件に関しましても、風紀の仕事の件もありますし
そのお願いに関しては、心配しなくとも西園寺さんのお話に関係なくそのつもりなのです

ただ、クロノスさんの件に関しては一概に私の一存でどうにかなることではないと思います
あの立場になった時点で、本来は死ぬところまでセットです
あの任命は独断専行で好き勝手行い、その全責任とその他の責任をかぶって死ねという意味ですから

ですから、友人として最善を尽くします、というのが私からの返事になります
……コレでよろしいですか?

【はじめと同じようにいつもの笑顔で微笑んだ】

遠条寺菖蒲 > 「…ぅ」

似たようなことを前にその警戒心の元になっている五代に言われた覚えがあり、
声が漏れる。
それは会ったばかりの相手にまでそこまで言われてしまう恥ずかしさによるもので。

「……出会う人出会う人、どうして」

どうしてこんなに的確に痛いところを指摘できるのか、と
ブツブツと小声を漏らす。

その後に続くさゆりの解答にはやや驚くところがある。
さゆりも公安委員の『やり方』を知っていたのかと言う驚きと彼女とクロノスがただ互いに軽い面識があるだけでなく友人であるということだ。
それを知って菖蒲は目を丸くした。

「そう、だったんですか……」

それはあんな聞き方をすれば、逆に警戒もするよねと納得した。
そしてさゆりの答には。
今日で一番になる晴やかな笑顔で。

「はい、能見さんがそうしてくれるなら私としても安心ですし助かります」

と応じる。
クロノスの件でどうにか出来ないのはお互い様であるが、
協力出来る相手がいるというのは、それだけで力強く感じる。
とそこで菖蒲はひとつ思い出したかのように話す。

「……それと、能見さんには伝えておこうと思うんですが、
此処に来る直前に五代さんからメールで『状況が変わった。クロノスには絶対に会うな』なんて
厳命だ、て言うのが来たんですけど……どう思いますか?」

腕を組んで手を顎に当てたりしつつさゆりにそう伝える。

能見さゆり > はい、そこは協力できるところだとは思います。

……どのタイミングでそのメールが来たかは知りませんが。
彼女がいまの立場であれば、下手に接触するのは危険ですよ?

特に菖蒲さんはすぐ絡め取られる可能性がありますから、いい感じに食われるんじゃないですかね?

【クスクスと苦笑しつつからかい半分警告半分】

冗談はともかく、もし別の動きがあるならこちらでもそろそろ出会わないといけませんので
知らない何かが動いている可能性があります
そうですね……悪いものを拾い食いして食中毒という可能性など

もしその場合、あまりよろしくないことになる可能性おありますから、正常なときに会いに行くのがいいでしょう。
特に菖蒲さんには絶対的に警戒心が足りませんからね

……例えば、ここに何か殺傷力の高い獲物は持ち込んでいますか?
もしくは強力な緊急避難になるようなものを
異能にかぎらずそういったものは必要だと思います、それは純粋さを守る盾ですからね
自らの才能に頼るだけというのはあまりおすすめしません

【基本的な身の守り方を説明してやる
警戒していると言っても、一般人のような気軽さのように思える
もし緊急事態となった時に対処できるというほどのものではない可能性が高いし、幹部候補生が入院、という時点で
確実に何かやらかしているからだ】

遠条寺菖蒲 > 協力出来るところだと思いますの言葉で分かりやすく顔が明るくなるのがよく分かるだろう。

「メールは今日の放課後になったあたりで来たので……もしかすると私が何かするんじゃないかって思われているのかもしれませんね……
となるとここの使用の際に書いた名簿って風紀委員なら誰でも確認できたりとか……」

五代にさゆりと接触したことがバレるのだろうか。
何かまたお小言でも言われるのだろうかとやや顔を青くする。

「危険なのは、五代さんからもちょっとげっそりしそうなくらい言われましたけど……
食べられるって、まるで野生の獣みたいに……」

すぐに絡めとられかねないというのは否定出来ないのがかなしい所かもしれないと思いつつ。

「なんだか、少し過激的で盲信とも言える部分がありそうってイメージでしたが能見さんの話を聞いてると
動物みたいな印象を受けてしまいます……

…ともかくとして能見さんがクロノスさんの様子とかを確認してきてくださるなら
それは私としてもありがたいです」

頭のなかに浮かんだクロノスさんビーストという失礼な妄想を振り払う。

「確かに食中毒の時とか気分の悪い時に知らない人が来ても嫌でしょうし、
そういう意味でも正常で健康的な時がいいんでしょうね」

大まかなクロノスの異能については五代が渡したクロノスの報告にあったが、それを詳しくどういうものでありどう使うか、を菖蒲はちゃんと把握しきっていないのでこのような認識のズレが生まれているが本人は気づいていない。

「あ、小太刀は普段持ってますが……今は入り口で預けて来ちゃいましたね……
逃げる手段は……この足くらいで……異能はそこまで強力ではないかと思いますので……」

言葉を重ねるごとにそう言う部分ではなんとも自分の失態というか無警戒さを改めさせられるような気持ちで声が小さくなる。

能見さゆり > 此処の使用に関しては誰でも見れますね
最初の話を聞いた時、場所選択を誤ったかとは思いましたが、まあこの程度の話であれば相談事で十分済みます

【少し意地悪くいう
別にどうということはないのをわかっていて言っておくほうが世の中を覚えるだろう】

まあ、何にせよそういう話ならそうなんでしょう
状況が好転するまでは積極的な行動は避けたほうがいいとは思います

菖蒲さんが何かすると言うよりかは、感情的に飛び出して帰ってこなくなるという方を避けたいのでしょう

あと、菖蒲さんの場合、彼女と出会うときには西園寺さんの名前を出してください
それでだいぶ反応が違うはずです
また、盲信というイメージは持たないでください
心の拠り所ですから

大切な宝物を何か狂ったものであるかのように言われるのは気持ちのいい人はいませんから

【あいかわらず優しく諭す様子は、すごく先輩らしい
コレでも人形なのだろうか】

……では、私がとりあえず確認、あとは追々、というところですかね
もっとも、何かまずいことがあれば私もどうなるかわかりませんから、その時はおねがいしますね?

今日のお話はコレでよろしいでしょうか?
【問題のないようなら撤収の準備を始めるだろう】

遠条寺菖蒲 > やっぱりそうですかー、と誰でも見れることには崩れ落ちるようになりつつも
仕方ないと割り切る。

「感情的になってって……あー……」

否定しようとして“害来腫”に襲われる結果になった時の事を思い出す。
思えば、あれもそれである。

「……はい、気を付けます」

畏まって縮こまる結果になる。

「……そうですね。
そう言われるとなんとなく理解できます。
私もクロノスさんを助けるだとか西園寺先輩の話を五代さんにした時に散々に言われましたから……
もう言わないようにします」

アレはちょっと心が折れるというかなんか悔しくて泣きそうになりかけたような記憶がある菖蒲だった。

「はい、可能であれば区切りのいい時でいいのでさゆりさんから状況をメールでもいいので教えて貰えればと思います。
私も何かありましたらメールで報告や呼び出しをしますので」

そう言って胸の前で握りこぶしを作ってみせる。
見た目の割に子供っぽい。

「今日は、会えて良かったです能見先輩」

撤収の準備を始めようとするさゆりにそう感謝の言葉を投げる。