2015/07/09 のログ
ご案内:「公安委員会事務課」に緋群ハバキさんが現れました。
ご案内:「公安委員会事務課」に桐竹 琴乃さんが現れました。
ご案内:「公安委員会事務課」に夕霧さんが現れました。
ご案内:「公安委員会事務課」から夕霧さんが去りました。
ご案内:「公安委員会事務課」から桐竹 琴乃さんが去りました。
ご案内:「公安委員会事務課」に夕霧さんが現れました。
■緋群ハバキ > 学生達にとって最大の障害である試験期間が終わった。
待望の海開きも済み、まさにこれからが彼らにとっての夏本番。
試験が思わしくない結果の学生達はご愁傷様。追試と補講の日々の後、一足遅れで夏を楽しむ事になる。
「くぅぁー……疲れた。ちょっと休憩」
ともあれ、そんな浮かれた雰囲気は一般生徒だけのもの。
本格的に夏季休暇期間が訪れても各委員会の業務は継続して行われる。
それはこの公安委員会に於いても例外ではない――というか、休業しているのが許される委員会でもない。
自然、事務方の業務もまた途切れる事はなく。
各種書式テンプレート集が画面に表示されたデスクトップPCの前で大きく伸びをする少年もまたその例に漏れず未だ委員会業務に勤しむ一人であった。
眼精疲労が溜まった目元を解しながら、傍らのコーヒーカップに手を伸ばす。
■夕霧 > 「まあ無理はせんと、ゆっくりでええですよ」
後輩にそう投げかけつつ片手で書類を捲り、もう片手でカタ、カタと規則的なタイプ音が響く。
今やっている作業は書類の整理であり、何がここへ持ち込まれたかの記録だ。
中身の精査は各部署に任せるにしても、どこ宛、どこ行きなどをチェックし、記録は取る。
機械的に捲り、カタカタと音がし、また捲る音。
「……これ、公安宛やなくて別の所宛ですねえ」
そういったものは封筒に入れる。
公安宛でない書類も幾つかの封筒に分別されており、後で届ける。
一応、どういう内容のものか、というタイトルだけでも記録は取る。
後々の引き継ぎの為にも~関連は何処其処へというマニュアルがある方がいい。
先輩方が作ったものがあり、それに改良を重ねる事で中身の実用度を上げて行くのが習わしとなっている。
今ではすっかりページ数も増えた。
時にはこちらの精査をして要らない部分などを削除していく事も必要なほどに。
ぱら、カタカタ。ぱら、カタカタ。
しばらく規則的な音がまた続き。
「ん、んん~」
一つ伸びをした。
キリがいい所まで終わったようである。
■緋群ハバキ > コーヒーを一口啜ると、先輩からの言葉には「全然大丈夫っすー」と明らかに気の抜けた声で返答。
各種書類作成を任されはじめてから、デスクワークが増えて久しい。
別に不満な訳ではないが……
「あ、後で纏めて持ってきますよ。飛脚の方が気楽だぁー……」
基本的に、委員会業務でもパシリのような事をやっていた少年にとってはそちらの方が馴染みのあるものであり。
そんな声を返しながら、事務課の片隅に置かれた冷蔵庫の中のガラスポットからお茶を入れて、夕霧のデスクへと近寄り。
「お疲れ様でっす。
はぁー肩凝る……!!」
湯呑みを夕霧へと差し出しつつ、伸びをする動作とともに上下動を行う彼女の胸元をガン見する少年。
■夕霧 > 力一杯伸びをしているのか、若干プルプルと震えていて。
そして服はYシャツであり、揺れる事は無いがスタイルのいい彼女の胸は非常に窮屈そうにその存在を感じさせている。
「慣れてくれば気楽じゃなくなるものですよ」
伸びを終わらせ、それだけ任されることが増えるという事ですし、と続ける。
デスクに置かれる湯呑を「おおきに」と何時もの柔和な笑顔のまま受け取り、一口啜った。
「ふぅ」
吐息を一つ。
「まあ持っていくのは緋群はんにお任せしますね」
再度一口啜ると少し目を閉じ、飲んだお茶の味を楽しんでいるようであった。
■緋群ハバキ > 目の前で拘束に対する抵抗が行われる光景。ごくりと喉を鳴らす。
この戦闘力――そしてこの戦闘力。窮屈な布という軛からその両胸が解放される日を夢見て少年は応援しています。
ともあれ。
「そうなんでしょうねぇ……やり甲斐あるって事でもありますけどー。
狛江先輩トコみたいになんでもやる課だともっと大変そうですけども」
”特雑”に関する感想を漏らしつつ。楚々とした仕草で湯呑みを口元に運ぶ彼女をぼんやりと眺める。
左腕は支障無く治っているようで、今更ながらにこの島の医療技術が外部と比して隔世の感がある事を実感し。
「あー……そのー。
左手はもう、ホント大丈夫なんですかね?」
『本題』を切り出す前に、前提条件の確認を。
そんな心理で、遠慮がちに質問を繰り出した。
■夕霧 > 「まあうちは事務仕事だけですからね」
その分ルーチンで済むのでやはり他に比べれば楽であろう。
とはいえ、それでも一つ間違えれば多数の情報漏えいする場所だ。
書類一つ、データ一つとっても細心の注意を払わねばならない。
―――そう言う意味では最も精神を削る部署とも言えた。
「左手……あぁ。心配ありません」
全く調子も様子も変わらず、左腕を握ったり開いたりする。
「綺麗に折れてくれてたお蔭です。流石ですよ」
ころころと笑う。
ふと、思い出したように少しわざとらしくぽん、と手を打つ。
「そういえば【ご褒美】は決まりましたか?」
約束を思い出す。
模擬戦の結果、ハバキが勝てば一つ、常識の範囲内で言う事を聞く、と。
そして結果は見事有効打の差で負けであり、彼の言う事を聞く義務が夕霧には発生していた。
■緋群ハバキ > 「実働とかに比べれば遥かに……あぁ、でもあんま電子データでのやり取りとか無い辺り、流石公安って感じしますよねー」
お陰でハバキのような「飛脚」の需要がある。
書類の機密性を高める為には、電子データよりもペーパーメディア――電制異能使いによるクラッキングも珍しくない昨今においては、その風潮はより強い。
「良かったー。痕とか残ったら割とまずいなーとか思ってた訳、で……」
ホッと胸を撫で下ろし、これならば後顧の憂い無く玉砕出来ると思った矢先。
機先を制するような言葉に、しゃちほこばって直立不動。
「えぇあ!? いやその話なんですけど!!
……えぇと。
その」
何だか歯切れ悪くもじもじしながら視線を彷徨わせ、やがて意を決したように。
一世一代の決意を伝えるかのように。
「夕霧先輩、一緒に海行きませんか!」
■夕霧 > コトン、と湯呑がデスクへと置かれる。
「海、ですか?」
きょとんと、目を瞬かせ。
意味を反芻する。
「ああそういえば海開き、しはったんでしたね」
合点が行ったのか納得するように頷く。
確か今日ぐらいから、海開きが行われており、海の家などもオープンしているのだとか。
その旨が書かれた書類を読んでいたのを更に思い出す。
そこまで考えた後に。
「うちとですか?」
とやはりまたきょとんとしたように言う。
そう言う事に誘われると全く考えていなかった顔である。
■緋群ハバキ > 「ええ、海です」
力強い頷き。
今回の海開きは記念イベントや各種手続きが相当式典委員会の手によるものである。
そうでなくても、海なのだ。青春真っ盛りの学生が見逃して良いイベントではない。
「はい、先輩とっす。
出来れば水着で」
やはり力強い頷きであった。
何だか笑顔のまま十年早いとか言われるのを予想していた少年にとってその反応は予想外であったが。
「いや、その。
お世話になってる先輩を海に誘うって俺としては常識ラインかなーと……思うんです、が……」
どうでしょう?
その疑問符はなんだか最初の決意からは随分とトーンダウンしていた。
■夕霧 > ふむ、と少しだけ考え込む振りをする。
「余り、人前に肌を晒すと言うのは好みません」
わざといつもよりトーンを変え、否定の色を強く出しておき。
次の瞬間、片目を閉じウィンクして。
からかうように。
「まあ、何でも言う事を聞く、と言ったのはうちですし。吝かではないですよ」
何時もの調子でのOKであった。
「ああ、とはいえうちは水着持ってませんし、準備もしたいのですぐに、とはいきませんけどええですか?」
そう、言うとまた湯呑を持ち上げ、一口啜った。
■緋群ハバキ > 「あ、はい……デスヨネー……」
旧家の子女めいた所作の夕霧の事、当然そういう応えが返ってくる予想はしていた。
していたとは言え、実際にそういう返答だと意気も消沈するというもので――
分かりやすい程に落胆し、ハバキが肩を落とした刹那。茶目っ気のある仕草と言葉に、表情が輝く。
「えっあっえっ。
や、やったー!! ありがとうございます!!」
力強くガッツポーズ。
その場で小躍りしたくなるのをグッと堪えて、続いた言葉にはぶんぶんと首を縦に振る。
「勿論スよ! 先輩の水着めっちゃ楽しみにしてるッスよ!!
っていうか俺も水着持ってないなそう言えば! 買わねば!!!」
■夕霧 > 「いう程ええもんでもないですよ」
苦笑する。
贔屓目に見ても相当なスタイルではある、が彼女はそう言うのを誇らない。
「じゃあ、まあ日取りと言うかですけど。準備出来て行けるようになりましたらご連絡します」
そう言い、湯呑をデスクに置く。
「ああ、後余り面白くないかも知れませんけど、そこは許してくれはります?」
海は滅多に行かなかったもので、と続けた。
肌を晒すのにやはり抵抗はあったのか、それほど海には行った事が無いようだ。
■緋群ハバキ > 「謙虚過ぎてそれ他の女子には嫌味に聞こえるんじゃないですかね……?」
若干の冷や汗とともに控えめな言葉にそう返す。近くに他の委員が残っていないのが幸いであった。
尤も、余人が居たら居たで今度はハバキが男子生徒たちからタダで済まされる事も無いのだろうが。
……どうせ後でバレてボコボコにされるのは言わないお約束である。
「よっしゃ! お待ちしてます!
俺もきっちり準備して……あぁはい。全然」
とんでもない、と首を横に振る。
「っていうか俺もあんま遊ぶ機会は無かったですしね、海。
水練で遠泳した程度っすから」
故に、事前情報収集はしっかりと行っている。
持つべきものはSNSと電網情報であった。
「まーなんで、俺もあんまちゃんとエスコート出来ねーかもですけど! よろしくお願いします!」
■夕霧 > 「うちよりも整った子はそれこそ一杯おりますよ」
豊満なだけがスタイルの良さではない、とそういう意味である。
「海には何回か行きましたけど、用事で何度かですし、泳いだりは滅多にしませんでしたなあ」
少し思い出すようにしみじみと思い出すように言い。
「ふふ、よろしゅう頼みますよ?」
口元に手を当てて、笑う。
何はともあれ楽しみは増えた、そんな顔である。
さて、と一言。
空気を返るように。
「そろそろ休憩は終わりにして、仕事、終わらせてしまいましょ」
随分と話し込んでしまった。
「何にせよ終わらせないと休みも取れませんし」
キッ、と椅子を慣らし、デスクに向き直る。
「こっちもうすぐ終わりますし、他部署に持っていく書類、纏めておいてくれはります?」
そう言うが早いか、またさっきと同じ様に、捲る音とタイプする音が規則的に響き始めた。
■緋群ハバキ > 「えぇー。スタイル抜群女子はみんなそういうんだ」
納得がいかなさそうな顔をして、再び是非に、と頭を下げる。
頭の中は夕霧の水着(想像図)で一杯であった。
我が世の春が来たと言わんばかりの幸せ顔である。
が。
「あ、オォ……現実に引き戻されたぁ!!
うっす。ガンバリマス……こっちの持ってく書類は纏まってるんで、後は入力終わらせればー……」
ちらりと自分に充てがわれたデスクを見れば、数値入力待ち画面と積み上がった書類がたくさん。
ため息一つで気持ちを入れ替え、目の前のタスクに取り掛かる。
鼻先に人参を吊るされた馬は疾いのだ。
その後鼻息荒く作業していた際の入力ミスに気付き、慌てて修正、配達を済ませ結局自室への帰りは午前様になったのはまた別のお話。
ご案内:「公安委員会事務課」から夕霧さんが去りました。
ご案内:「公安委員会事務課」から緋群ハバキさんが去りました。