2015/07/30 のログ
ご案内:「公安委員会 本部」にエルピスさんが現れました。
■エルピス > 「う、うーん。」
手には書類。難しい顔を唸る少女の姿が一つ。
ひょんな事からとある人物の調査をすることになり、今日一日はそれに掛り切りでいた。
■エルピス >
とは言え彼女は"目立つ"故に、隠密的な調査には向かない。
それでも、こうやって書類や調査の仕事回って来ることはある。
そんな時は公安委員会の調査担当に依頼したり、独自に人を雇って調査を依頼したり、
あるいは常世財団英雄開発課のコネクションを利用することもある。
ちなみに今回は、常世財団英雄開発課の線から仕事を回された縁である。
持ちつ持たれつ。コネクションを持っていると言う事は、そういうことである。
「今回は島の外から調べなきゃいけなかったから、
"サウザントビュー"を利用したけど……ううん。」
事情を聞かず、口の固い外部の協力者と言うのはそう居ない。下手な人を雇えば始末書もの理解している。
あまりおおっぴらには出来ないし、英雄開発課のコネクションで身元が保証されている協力者だからこそ、
秘密裏に雇えたようなものである。切った張ったでなく調査や交渉ともなれば身元、と言うのは重要だ。
「三歩 進(さんぽ すすむ)18歳、133cm 33kg ちびでツリ目ギザ歯。――《学園潰し》」
■エルピス > 妙な輩が入学した、と、
学園側も警戒こそしているものの、その場では全うに手続きを踏み、全うな身分を持って試験と面接を乗り越え、
――全うに入学した、らしい。
「……ううん、調べて貰った限りだと、彼自身はただの札付きのワルだけど……」
見るからにやばそうな感じなのに、よく入学出来たな、と眉を顰めた。
■エルピス >
試験と面接を乗り越え、彼が転校出来た理由は幾つか推測出来るものの、それは推測の粋を出ない。
報告書にも、調査中との報が上がっているだけだ。一晩でやってくれたのだから、多くを望みすぎるのも悩ましい。
彼の個人情報や異名、経歴をきっちり持ってきてくれただけでも十分か。
「……んー。すぐに問題を起こして学生証を剥奪されそうな気もするけど……」
困惑しながら書類を読み進める。
ただの乱暴者にしては、やや引っかかる点が多い。
剥奪された後も無法者や二級学生として潜伏する可能性はある。とは言え。
「……それだけなら、いつもの事、かぁ。」
■エルピス >
こうしてみると、態々書類が回って来る程とは思えない。
表面は取り繕っても直ぐにボロを出すだろう、と学園側が判断したのかもしれない。其れも推測の域を出ない。
「ただ、ボクに調査の仕事が回ってきた、という事は。偶然じゃなければ――」
ボクの身体を造った英雄開発課が目を付けて、調査がされるように手配したのだろう。
勿論、偶然かもしれないし、気にされる下地が有った故に通ったのかもしれないが。
……いずれにせよ彼らの意図はよくわからない。
「……とりあえず、要警戒、でいいのかな。
学園潰し、なんて大それた通り名があるらしいから、一応で調べる案件になったかもしれないけど……」
考えても仕方ない、読んでいた書類を鍵付きの引き出しに入れ、別の書類を取り出して調査結果を書き、報告書として上げる。
■エルピス > 「……よし、おしまい。」
現状では、調べられた履歴と記録がデータベースとして残る程度だろうか。
調査も暇だったらやっておいて程度で回されたものであり、
自分に調査が回されると言う事は、英雄開発課の差金でなければ現状重要視されていないと言う事だろう。
と言うか、重要な調査なら英雄開発課でも本格的な調査部に回す・回る筈だ。
「……ちょっとは気分転換になったかな。」
調べ物をしている時は余計な事を考えなくて済む。
やや罰当たりかも、なんて内心でツッコミを入れながらも、荷物を纏めて席を立つ。
「うん、帰ろっと。」
そのまま、その場を後にしただろうか。
ご案内:「公安委員会 本部」からエルピスさんが去りました。
ご案内:「公安委員会外事部特殊情報課」にライガさんが現れました。
■ライガ > 机の一つで、電話に応対する青年が一人。
その近くでは似たような動作をする人間が何人かいるようだ。
皆、夏休みが始まったというのに生気のない顔で手だけを動かしている。
「ああ、そっちは終息済み、と。
じゃあ何人かは帰ってくるんですね、よかった」
やや疲れが見えるがほっとした表情で、応える。
正直人手が足りないので、『留学』を終えて帰国する人間がいるのは喜ばしい。
まあ、また少し経ったら、何人かが出て行ってしまうのだろうが。
■ライガ > 「では組織で酷使されていた子供たちはちゃんとした養育施設に預けるという形で、ええ。
そうですね、そのほうがいいと思います、下手なところだと地下市場に逆戻りですし」
あるいは生贄。あるいは実験体。あるいは……慰みモノ。
違法組織によって集められ、管理下に置かれた子供たちの末路は聞くに堪えないものばかりだ、今回は少しでも掬われればいいのだが。
「え? こっちに何人かよこしたい?
そりゃあまたどういう……ああ、異能が発現している可能性があると。
ふむふむ、留学生になついちゃってますか。ははは、そりゃーしょうがないですね。
リストを送ってもらってもよろしいでしょうか、関係各所にコンタクトとってみます。
入学審査に通るかどうかはその子ら次第でしょうけど……
あーでも、今夏季休暇入ってますので最短でも9月くらいからになりますか」
壁のカレンダーをチラリとみながら、空いた手でメモを取る。
電話の相手はまだ用件があるらしい。
■ライガ > 「押収品に魔導書、ですか。
名前だけでも聞かせてもらっても……『太平清領書』の複製???
太平経でなくて??
……いや、そんなもの持ってこられましても。
図書委員会に投げるしかないでしょ、そんなの。…ええー、そうですね、気が……向いたら」
最後に挨拶をかわし、受話器を置く。
今し方とったメモを読み直し、連絡用の書類を出すために、机一つおいた隣の学生に手渡した。
仕事は、まだまだ続く──
今夜は、帰れなそうだ。
ご案内:「公安委員会外事部特殊情報課」からライガさんが去りました。