2015/08/17 のログ
ご案内:「委員会街:ラウンジ」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > 赤い制服に身を包んだ久藤嵯督、本日は学内勤務である。
書類仕事はあっという間に片付いてしまったし、訓練に至っては相手がバテた。
何もする事が無いまま休憩時間に突入してしまったので、今日はやってみたいと思っていたことをやることにした。

「―――随分と甘えた顔をしているな、フロイライン」

目の前にあるテーブルの上にはかの『トロピカルゴールデンマンゴーパフェ』が、どっかりと鎮座していた。

久藤 嵯督 > 別に、甘い物は嫌いではない。
それ以上に必要なモノがこの久藤嵯督には存在しているというだけなのであって
このいかにも愛されてますよといった風貌の御令嬢には何の罪も無い。

だからこれから巻き起こる天災は、
全て己の責任によっと巻き起こされるものと覚えておく。


右手に真っ赤な液体の詰まった瓶、『ヘルソース』。知る人ぞ知る激辛の調味料。

左手に真っ青な液体の詰まった容器、『ブルーフレイムデスジュース』。カフェの裏メニューにして超弩級の劇物。

それを


「―――ファッキュー、スイーツ」


それを遺伝子の二重螺旋を描くかのように、

『トロピカルゴールデンマンゴーパフェ』を犯し尽くす。

鮮やかな黄色は赤と青のマグマに浸されて

その愛を一片残らず炎と稲妻で包み込む。

久藤 嵯督 > 元々掛かっていたマンゴーソースも相まって、
信号機の三光を溶かして混ぜ合わせたような
あえて中身まで混ぜてしまわない事で
外側の辛味と内側の甘味で互いの味を半ば強引に引き立て合う。

辛さが甘さを引き立てて、甘さがまた辛さを引き立てる。

二つの矛盾した味は絶妙なバランスによって生存しており
この辛さに耐えられぬ人間にはまず到達できない『味』の極みである。
この人類を大量虐殺でも出来そうな苦しみを超えて
淘汰を乗り越え  カ
進化したモノにのみ許された『味』なのだ。


「いただきます」

合掌。そして、まず最初に三色のマンゴーから口に運んでいく。

久藤 嵯督 > 口の中に運んだ瞬間にわかる、充血した頭ごと首を切り落とされたかのような感覚。
首から上を覆い尽くす業熱は内蔵を介して全身を覆い尽くしていく。

全身から熱風が迸る。
陽炎が周囲を多い尽くす。
髪は逆立ち、不良生徒めいた髪型を造りだす。
蒸発し続ける汗は換気扇に向かって立ち上り、
久藤嵯督は、台形をひっくり返したかのような歪な笑みを浮かべていた。

久藤 嵯督 > それで何が素晴らしいかと言えば
このパフェ、周りがこんなに辛いというのにそれでもまだ甘い。

地獄のような辛さの中でも、死なない甘さ。
死なぬ甘さを、これでもかと包み込む辛さ。

嗚呼、最高に気持ちがいい。

これぞ生の象徴。

「クク……フッフッフ……」

神経や血管をドリルでくまなく削り取られる感覚を愉しみながら、
マグマの流れる氷山をモノにしていく。

甘い。

辛い。

されど甘辛くない。完全なる白と黒。
コーヒーに垂らされたミルクとはワケが違うのだ。

久藤 嵯督 > ソースの掛かった部分を食べてしまえば、残りはもうただのパフェなのであって
未だ熱気を抑えきれない体をソレで冷やす。

普通に食えば普通にうまい。
アレの後だから物足りないなんてことはなく
むしろ余韻に浸れていい感じだ。

逆立った為に崩れた髪を片方の手で整えながら、
パフェの残りに手を付けていく。
また一つ山を越えてしまったワケだが、次は何を試してみようものか。

久藤 嵯督 > さて、こうしてパフェを食べ終えたのは良いが
休憩時間は腐るほど余っている。

自主巡回をしても良いが、あまり遠くを見回るには中途半端過ぎる時間。
それでも『門』の反応を感知すれば、否が応にも向かうのだが。

自分以外にそれを出来る人間がいない以上は、自分がやるしかない。
能力があるのにモタモタやる事は主義に反する。
風紀委員の仕事がやや疎かになることもあるが、
一時期の大量検挙・拘留などをはじめとして普段から成果は挙げているのだ。
早引きの一つや二つ……あまりよく思われていないフシもあるが、必要な犠牲として割り切るしかない。

まあそれも、今からパトロールに行くよう進言すればいいだけの話なのだが。
仕事はとっくに終わらせているし、どうせやる事と言えば誰かの手伝いだの何だの、雑用ぐらいだ。

休憩を早めに切り上げて、パトロールに向う。
それがベストだ。

そうと決まれば善は急げ。
パフェの食器を返した後、ラウンジを後にした。

ご案内:「委員会街:ラウンジ」から久藤 嵯督さんが去りました。