2015/08/26 のログ
黒神 蓮 > 寝顔はどんなものかと覗いて見たら、穏やかな顔ではなかった。
……寝顔すら人相悪いとは恐れいった。

「寝てる、よね」

もし隣で花火をしても起きないんじゃとばかりに眠りが深そうだ、よっぽど疲れているようだ。
書類仕事じゃここまで疲れないだろうし、荒事で体力をすり減らしたのだろうか。
……ちょっとイタズラしたくなってきた。

「……寝てるなら、ばれないよね」

ちょんちょん、と頬をつついてみる。
起きないのなら、異界から太字のペン(水性)を取り出し、額に「肉」と書いてみたい。
普段から呼び捨て食らっていることに対してのささやかな反抗である、こんぐらいのイタズラぐらい甘んじて受け入れやがれ。
書いても起きないのなら、携帯で額に「肉」と書かれた寝顔を撮って追撃するつもりだ。

久藤 嵯督 > 頬をつつかれた嵯督はと言うと

「―――グガッッ!!!」

『邪魔すんな』と言わんばかりに、ガン、と側頭部で机を打ち鳴らす。
……それでもまだ目は瞑ったまま。
間も無くしてまた苦しそうな寝息を立て始める。

筆圧を強くし過ぎると、『肉』よりもひどい落書きが出来上がってしまうかもしれない。

黒神 蓮 > 「わわっ」

なんだかグワッと吠えられたが、一応寝ているようだ。
あれだ、布団から退けられようとするとマジギレしてグワッって噛んできて寝る犬に似ている。
昔実家で飼っていた犬を思い出した。

それはそうと、細心の注意を払いながら鍛冶と細工と料理で鍛え上げられた器用さを無駄遣いし、
彼を刺激することなく「肉」の字を書くことに成功。
綺麗に書けたので、記念に携帯で写真をぱしゃり。
これだけやって起きないのなら、適当に缶コーヒーを買って休憩するつもりだ。
休憩時間内に彼が起きたのなら、それはそれで。

久藤 嵯督 > 『肉』の字を植えつけられた嵯督は一向に起きる様子を見せない。
しかし写真を撮られたその直後で、『肉』にある異変が起こる。

肉体の自然再生力が体表のインクを、皮膚組織ごと廃し始めたのだ。
『肉』の字は削った鉛筆の芯のような黒い粒子と崩れ、風に乗って飛んでいく。
しかしその一部が鼻に入ってしまい、久藤嵯督は大きなくしゃみを――

「―――っぐし!!!」

ゴリゴリとテーブルの表面で顔を擦れば、流石に目が覚めるというもの。
片側の顔を赤く腫らしながらも、意識を覚醒させてしまった。
悪夢には飽きたが、このような目覚め方を所望してはいない。まったく、酷い目覚めだ。
それで目の前には、携帯端末を掲げる先輩が。

「………黒神 蓮。お前一体、今何をしていた?」

黒神 蓮 > 「おおー」

こなまいっきーな後輩の恥ずかしい写真が撮れてご満悦だったが、
肉の字のインクが急に崩れ去り、粒子になったのは少し驚いた。
どういう能力かは知らないが、さっさと写真撮ったのは良い判断だった。

とか心の中でガッツポーズしてたら、大きなくしゃみの音。
さっきの粒子が鼻に入ったらしい……そして起きた。
寝起きだからか気のせいか、なんだかいつもより人相が悪く見える。
そして何をしていたと聞かれれば、素早くさっき撮った寝顔写真を見せ__糸や拳が飛んでくるよりも速く携帯を異界にしまう。
一応ここは野外だ、ちょっとぐらい騒いで暴れても大丈夫だろう。

久藤 嵯督 > ああ、この写真はアレか。
年頃の学生によくあるイタズラとかいうヤツなんだな。
ああ、やりやがったなこのクソ先輩。


「消せ」

その顔は、いやににっこりとしていた。
今までの狂犬羅刹ぶりからは考えられないような穏やかな笑顔で黒神に語りかける。

「すぐに消せ、今すぐにだ。俺の目の前で削除しろ」

黒神 蓮 > 「え? やだよ」

即答。
穏やかながら威圧感を与える笑顔に一切動じず、さらっと答える。
年下をおちょくるのは年上の特権、なにがなんでもこの写真は守り通す。

「普段の行いが祟ったとでも思っときなよ、写真はバラ撒かないからさ」

そう言いつつ、ここからあばよとっつぁんするための逃走コースを瞬時にシミュレート。
ついでに異界内の有用なアイテムも脳内でリストアップ、画像データ絶対死守の構えだ。
経験に裏打ちされた高い実力を全力で無駄遣いするつもりである。

ご案内:「委員会街・休憩所」に黒神 蓮さんが現れました。
久藤 嵯督 > 年下相手なら何をやったって許されると思っている。
こんなんだから、年功序列主義にはヘドをぶちまけたくなる。

「……はぁ、もういい」

溜め息をついて、ゆっくりと立ち上がる。追い掛けようとする様子は見えない。
今は本気で疲れているのだ。まともに相手をするのも憚られる。
ここがダメなら、どこか別の場所で休むしかない。
保健室か大時計塔あたりなら丁度いいだろうか。

「悪いが、ガキのお遊びに付き合うヒマは無いんだよ。じゃあな」

今日は体力温存に努めると決めていたのだ。
黒神の傍を通り過ぎて、その場から去ろうとゆっくり歩いていく。

黒神 蓮 > 「だーれがガキだ」

お前これバラ撒いてやろうか。
プレティーンな容姿は個人的に結構気にしてるのだ、自身の外見を客観的に利用出来るほど人生周回してない。
イラつきながら立ち去る久藤を見送り、苛立ちを収めるために缶コーヒーを購入。
無糖ブラックのソレを一口、頭が冴えて冷静になってきた。
背伸びとか関係なしにコーヒーはブラック派である、カフェイン中毒ともいう。

とにかく、休憩時間が終わるまで休憩所でだらけた。

「……この写真どうしょっかな」

ご案内:「委員会街・休憩所」から黒神 蓮さんが去りました。
ご案内:「委員会街・休憩所」から久藤 嵯督さんが去りました。