2015/10/09 のログ
ご案内:「委員会街」に不凋花 ひぐれさんが現れました。
不凋花 ひぐれ > 何やら最近物騒だとか、何やら物々しいだとか。様々な憶測、考察、結論を出す音が聞こえる。
かばんを片手に、刀を片手に。鞘を突き出しながら街路を歩いていた。
そうしてたどり着いたのは風紀委員会のある玄関口。
地蔵のように黙したまま、瞑目してその前に立つ。
微動だにせず呼吸すらも最低限に抑えて気配を抑制する。そこに何かがあるというより、そこに何かがいたと形容できるよう。石ころが道端に転がっていたとて、それは石ころなのだから気付いたところで意識はせん。
彼女はそんな状態だった。人の中にある人のよに、そうあれかしと存在するのならば、彼女は存在するというある種の自己主張。
かほそい呼吸音のみが、彼女が生きていることを証明する証だった。

不凋花 ひぐれ > 息を短く、浅く、吸い上げる際は音を立てず。
まるでそこにあることが修行とでも言うような。ただ黙したまま佇むのは何かを待つ故か。
街路上で突っ立ってどうしたものかと見る眼が少なくない。それでも害をなすものでないならばと捨て置かれる。
待ち合わせか何かとも考えられるし、危険因子ではないと判断される。
様々な人間の『憶測』は聞こえていた。研ぎ澄まされ、パラメーターを改竄して生まれた能力の暴威的数値を叩き出す。
結果得られるのはひとつを犠牲に複数を救う大儀。目が見えずとも司会の代わりになるものはある。だからこそ音は聞き逃さない。
何処に何があって、何がそれを為していて、それは何処へと向かうのかも。
黙して立つ。姿勢よく、不動の儘に。

不凋花 ひぐれ > 「…………」

その内、深く深く息を吐いた。伸ばした背筋はゆるやかに垂れる。リラックスした態勢。
今日のところは良いだろう。また別の機会があれば良い。彼女はそう思案して刀の鞘を空にふらつかせる。
そうして再び歩き出すまでに随分と時間をかけたものだが、とにもかくにも彼女はこの場から立ち去ることにした。

ご案内:「委員会街」から不凋花 ひぐれさんが去りました。