2015/11/27 のログ
ご案内:「委員会街」にヨキさんが現れました。
ヨキ > (用事のために訪れた委員会街。
 ラウンジで知った生徒がアルバイトをしているという話を思い出して、帰る間際に足を向けた。
 十一月下旬の寒い午後。晴れてはいるが、風がひどく冷たかった。
 青褪めた肌をますます冷やしながら、暖かなラウンジの屋内へ足を踏み入れる。

 普段あまり訪れることのないカフェ。
 幾人かの顔見知りの生徒と挨拶を交わしながら、働く面々をぐるりと見渡した)

ご案内:「委員会街」に鏑木 ヤエさんが現れました。
鏑木 ヤエ > (ひゅうと冬風吹く外とは打って変わって暖かい店内。
 店内といえども、彼女の着込んだ飲食店特有の寒々とした半袖は夏とも変わらず。
 何も普段とは違うことはない。過酷な学生アルバイト。
 高給に釣られて厳しいトレーニングを乗り越えたその先)

「っらしゃいませー、何名様で?
 2人? えーと、それじゃああの窓際の――」

(いつもと何ら変わらぬローテンション。
 やる気のない接客はトレーナーに叱られてばかりだのに変わらない。
 ミルクティ色をした長い髪を揺らして君の元へ)

「おや、珍しいじゃねーですか。ご注文をどうぞ。
 先に言っておきますがやえのお持ち帰りのテイクアウトはサービス外ですよ」

(ふん、と鼻を鳴らして、ボールペンをカチャリとノックした)

ヨキ > (小柄な明るい癖毛がふわふわと揺れるのが見えた。
 お、と小さく笑って、そちらへ足を向ける。
 ヤエが案内した二人組のあとに続いて、軽く手を挙げて挨拶)

「やあ、鏑木くん。
 少々委員会街に用事があってな。
 そのついでに、君の顔を見に来てみた」

(二人掛けのテーブル席に着いて、それでは、とメニューも見ずに)

「あすこに書いてあった、マロンパフェをひとつ。
 持ち帰りがサービス外なら、君の休憩時間まで大人しく待とうかな。
 労いのケーキならば馳走するよ」

(ヤエが鼻を鳴らすのを気にも留めず、にっこりと笑った)

鏑木 ヤエ > 「年頃の女子学生は多感ですからね。
 顔を見に来たと言われればまあ悪い気はしないでしょうて」

(さらりさらさら、メモ帳に綴られる汚い字。
 接客業の基本のキもガン無視くれてやるような接客を)

「ははあん、アレ結構ぼったくりなんですよねー。
 値段の割にはそんなに量がな――んでもねーですよ。ええ。
 マロンパフェひとつ、直ぐお持ちしますよ」

(メモ帳をポケットに突っ込んで、ふわりとエプロンドレスを揺らす。
 唯一店員らしいことといえばこの制服が良く似合うことくらいではあるが唯一だ。
 踵を返す)

「それからやえのハワイアンパンケーキをひとつ。
 やえ今日休憩取ってねーんですよ。ご指名入りましたーって言ってきます」

(囁く声音)

ヨキ > 「そう言ってもらえるならば、ヨキも悪い気はせんよ」

(売り言葉に買い言葉。
 軽薄な言葉が重なって、ユルい。
 マロンパフェの真相には、テーブルに手を突いて)

「……おい。おいおいおい。鏑木くん。
 興を削ぐようなことを言わないでくれたまえ。
 まあ、君に会うための席料と考えれば安いものだ」

(苦い顔で笑ってみせるジェスチャ。
 ついでにヤエがすかさず滑り込ませた注文に、傍らのメニューを捲った。
 そこそこのいいお値段)

「…………、安いものだ。指名料だな」

(ふっと笑って、ぱたりと表紙を閉じた)

鏑木 ヤエ > 「……お待たせしました、本指名嬢の鏑木です。
 センセ、来てくれて……アリガト」

(冗談口遊みながらてこてこ両手にパフェとパンケーキを抱えて歩み寄る。
 エプロンドレスから普段のコルセットスカートにカーディガン。
 赤色は暗い服の目立つ店内では一際明るい)

「さて、少しばかり休憩を貰ってきたので。
 そうですねー、改まってこういう場で話をするとなるとドキドキしますね。
 ね、センセ。やえのこと好き? ね、ダーリン。
 愛してるって言って?」

(無表情で捲し立てるそれは風情もなにもなく。
 冗談ならばもう少し表情を緩めたほうがいいだろうに。そんな表情。
 カラコロ転がすような軽口は彼女の機嫌が中々によい証拠で)

ヨキ > 「フフン。どう致しまして、鏑木くん。
 さて、お待ちかねだな」

(両手を合わせる。深々と笑った口はご機嫌だ。
 パフェのグラスを受け取ると、金色の目がきらきらと輝いた。
 向かいの椅子へどうぞ、と促しながら、軽口にたじろぎもせずヤエを見返す)

「お疲れ様だ。ここの勤務はなかなかハードと聞いている。
 ヨキが来るまでに、君が辞めずに居てくれて安心したよ。

 君のことが好きかって?勿論さ。
 心の底から愛しているとも」

(目を細めて身を乗り出し、いかにも尤もらしい低い声で囁く)

「君の労働に乾杯」

(身も蓋もない台詞で笑って、お冷やのグラスを相手に寄せた)

鏑木 ヤエ > (ぽすん、と椅子に収まった。
 相も変わらず彼女の身長は小さい。軽々と収まった。
 無論、成長期はとうのn年前に終わっている故に当然といえば当然だ)

「ウワア、最高に軽い男ですね。
 何人女生徒引っ掛けて遊んでるんですかね」

(自分が言いだした癖に散々な物言い。
 君が差し出すグラスにコツリ自分のグラスを当てる。
 グラスとグラスの冷たいキス。ツウと唾液代わりの水滴が垂れる)

「かんぱーい」

(労働後の一口は例え冷やしただけの水道水であっても心地いいものだ)

ヨキ > (対するヨキの長身もぴったりと収まって、客の中でも随分と大きく目立った。
 グラスを傾けて喉を潤しながら、にいと笑う)

「失礼な。ヨキはいたずらに婦女子の心を弄ぶ真似はしておらんぞ。
 愛しているというのは誠心誠意、天地神明に誓って本当さ」

(黙りはすれど嘘はつかないというのがこの教師の定評であったが、
 それにしてもチャラかった。
 スプーンを取って、パフェのマロンクリームとバニラアイスを突き崩す。
 掬い取って大きな一口。んまい、と咀嚼する顔は大型犬に似ていた)

「で?最近は他の授業にも、きちんと出席しているかね?」

(口端のクリームを器用に舐め取る。
 仮に腐っても教師。現に腐っていても教師だ)

鏑木 ヤエ > 「ひゅう。
 そんなことじゃあ何人だって引っ掛かりますね。
 今のもやえじゃなかったらキュンッキュンのドッキドキですよ」

(ねえダーリン、と言葉を継いだ。
 実にやる気のない光景であり、中々に誰かに聞かれでもすれば噂が立ってもおかしくない。
 傍から見れば頭のゆるい脳髄ゆるふわのクソ女がデレデレと)

「人並み四分の一くらいには。
 このチョーシならきっと来年も2回生ですよ。
 まあ、悪い気はしませんけども」

(困ったように肩を竦めた。
 全く以て本人は困っていないのだが、言葉上それに合うジェスチャーを添えた。
 ザクザクと切り分けるパンケーキ。
 黙々と口にはこ――ぼうとして)

「ダーリン、一口いりますか」

(ずい、と君に突き出した)

ヨキ > 「何だ、君は『キュンキュンのドキドキ』になってはくれんのか?
 まったく教師の愛情というものは一方通行であることだな」

(一方のヨキもヨキで、つれない女生徒にモーションを掛けているようにしか見えない。
 ヤエの出席状況については、は、と吹き出して)

「仕方がないな、君は。
 授業に出さえすれば面白い切り口で考察するくせ、そもそも出ないようではな。
 ヨキとて君と話が出来るのを楽しみにしているのだが」

(差し出されたパンケーキに、ぱちりと瞬く)

「いる」

(即答した。一片の淀みも迷いもなく、平然と顔を突き出す。
 牙の並んだ大きな口で、フォークの先からぱくりと頬張る)

「んむ。こちらも旨いな……
 ありがとう。君にもやろう」

(新しいフォークを取って、パフェの上の丸々とした栗に突き刺す。
 マロンクリームやアイスや黒蜜をくるりと掬い取り、ほれ、とヤエの前へ差し出した)

鏑木 ヤエ > 「やえは燃費がわり―んですよ。
 授業に出て給料がもらえるようになったら多分出席しますよ。
 それに存外この島もガッコーも居心地がいいんです。
 学生でさえいればずうっとこうやっていれますからね」

(一瞬で消え失せたパンケーキの刺さっていたフォークを見遣る。
 ここで頬を染めさえすれば存分に可愛げのある女子生徒なのだが、)

「あ、いりますいります。
 やえ、栗は好きですよ。美味しいですよねコレ。
 一番おいしいとこ頂いちゃってスミマセン。
 さすがプレイボーイ、レディの扱いがなってるってモンですよ」

(もっきゅもっきゅと栗を小さな口で頬張る。
 そういえば、と無言の間をかっ裂いて咀嚼しながら口を開く)

「切り口は大して面白くもなんともねーですよ。
 別にやえは思った通りに喋って思った通りのことを言ってるだけですし。
 世間のイイコとは違うんですよ、イイコとは。
 プロのイイコなのでセンセー好みの回答はできねーんです」

ヨキ > 「ヨキに会うことが給料代わりであってくれればいいんだがな。
 あまり長居をして、除籍されてしまっても知らんぞ。
 ヨキが優しくしてやれるのは、君が真面目に働いて、学園に籍を置いている間だけだからな」

(ヤエの小さな口が栗を頬張る様子に、満足げに微笑む。
 アイスを食べ、コーンフレークにクリームを混ぜて口へ運び、もぐもぐと咀嚼する)

「君はぼったくりと言うが、値段に見合うほどに美味いではないか。
 可愛い生徒のためならば、栗くらいいくらでもくれてやるわい」

(パフェを食べ進める手を止めて、水を飲む)

「その目の付け所が、聞く側にとってはユニークだからな。
 君のようにひねくれている方が、ヨキにとっても好みさ。
 ヨキもそのような教師で在りたいとは思っているがね。
 せっかくの生徒らに、枠に嵌られてしまっては困るのだ」

鏑木 ヤエ > 「ま、枠を外れるのもきっと彼らにとっては怖いんですよ。
 フツーにこだわってフツーに憑りつかれて。
 ……いつの話だかは忘れちゃいましたけど。
 期待しすぎちゃいけねーですよ、期待は裏切られるモンですから」

(もくもくと頬張るパンケーキ。
 ナイフとフォークをべたべたにしながら咀嚼し、)

「除籍されたらされたときですよ。
 されねーことを願いますがまあされたら仕方ないでしょうて。
 やえには何も出来ないので真面目に学費を納め続けるのみですね。
 その口ぶりじゃあ籍を置かなくなったら優しくしてくれないみたいじゃねーですか。
 ねえダーリン」

(真っ直ぐと君の犬の双眸を見つめて、薄く嗤った)

ヨキ > 「君は度胸があるな。
 発言者が多い講義というのは、盛り上がるものさ。
 ……なあに、ヨキの仕事は裏切られることだ、いい意味でも、悪い意味でも。
 いちいち一喜一憂などしては居られんよ」

(不意に向けた横目で、テーブルの隅に立てられた小さなメニューが目に入る。
 イチゴのタルト。美味そうだな……としばし目を奪われて、ヤエに目を戻す)

「あくまでマイペースを貫くか。
 君の流儀ならばそれもまた結構、としか言えんな。
 ヨキは学園と君ら生徒の忠犬であるからして……待つよ、君が来るのを。

 ……何?ふふ。籍を置かなくなったら?
 さあ、君が生徒としてきちんと卒業を果たしてくれたなら、そのときは諸手を挙げて喜んでやろう。
 だが除籍に退学に放校ときたら……そのときは保証しない。
 ヨキはプロアマ問わず、『イイコ』の味方であるから」

(言い切って、にっこりと笑った)

鏑木 ヤエ > 「ははあん」

(何時もと変わらぬぼんやりとした紫を向けた。
 ゆうらり視線の揺らぐ曖昧な紫色は君の金を避ける)

「なあにを保証しない心算ですかね、ダーリンは。
 やえは別に除籍に退学に放校、どれが起きてもやえであることには変わりないですよ。
 ……、はあん。 さてはダーリンはやえじゃなくて生徒が好きなだけでしょう。
 裏切ったわね、法廷で続きは話をするのよ」

(軽口に織り交ぜた言葉は少しばかりナイフの先に毒を塗った。
 わかりきったことを今更知ったかのような子芝居)

「忠犬忠犬って大昔にいましたよね、そんな犬。
 なんでしたっけ、ハチだかパトラッシュだか。
 それと比べるとダーリンはぜえんぜん忠犬には見えないんですよねえ。
 どちらかといえば猟犬ですね」

(笑顔は真正面から受け取った。
 代わりに仏頂面が君に向くことになった)