2016/02/24 のログ
■クローデット > カタカタと、流暢にキーボードを叩く音が響く。
試験が間近に迫っている。
公安委員も流石に学生である。セキュリティがしっかりしていて、学年末試験の準備に使えないコンピュータを触りにくる者は少ない。
(日頃から理解漏れのないようにしておけば、直前に慌てる必要などありませんのに)
静かな作業環境の中、クローデットは悠々と資料作成に勤しんでいた。
履修している講義が得意な魔術関連に集中しているクローデットは、これで学業も優秀なのである。
題材は勿論、先日資料を閲覧に赴いた研究施設に関するものである。
■クローデット > 研究施設の事務担当、もとい研究資料の管理係の男が自分の行動を越えたところまで読み取ったのか否か、定かでない。
…であれば、隙は作らないに越したことは無いのだ。
というわけで、自分が得てきた知識と、既存の公安委員会所蔵の資料のすり合わせに二日。
内容の確認が取れたところで、いよいよ補足資料の作成と相成ったわけである。
…もっとも、あの研究施設の過去の資料の多くは公安委員会の資料室に所蔵されている。
クローデットの作るべき資料は、本当に補足程度となりそうだった。
■クローデット > (いずれ、足りない部分を埋めるために再調査といきたいところですが…
やるべきことが山積しておりますし、その山をもう少し低くしてからですわね)
獅南に示唆された方法に基づく新しい防御術式は、まだ物理防御のものしか完成していない。
獅南と協力して追い詰めるべきあの異能者(バケモノ)について、実地の追加調査が必要だ。
…そもそも、あの異能者(バケモノ)との関係性について、獅南を問いつめねばならない。
回答次第では、今後の調査に対する姿勢も変わってきてしまう。
■クローデット > (………まあ、こちらで数少ない「同志」とはいえ、「あの男」と親しい人間にあまり期待は出来ませんわね。
すっかり、忘れてしまっておりましたが)
少し、キーボードを叩く指の力が増す。
血縁上の父親とはいえ…ひいおばあ様を「裏切った」人間に、母を苦しめ続けている人間に、心を許す気など毛頭ない。
踏み込まれてきても、腹立たしいばかりだった。
■クローデット > そうこうしている間に、資料作成を終える。
(もしかすると誤字脱字などあるかもしれませんから…一晩寝かせてから、推敲することに致しましょう)
コンピュータ上にファイルを保存する。
セキュリティの都合上、携帯可能な記録媒体に保存出来るようにはなっていないのだ。
■クローデット > そうして作業を終えると、パソコンの電源を落として立ち上がり、公安委員会棟を後にする。
帰り際、ハウスキーパーに遅れを詫びる連絡をしたとか何とか
。
ご案内:「公安委員会棟・コンピュータのある部屋」からクローデットさんが去りました。