2016/05/09 のログ
ご案内:「共同慰霊碑」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (程々に広くなっているその場所に、
手のあいている風紀委員たちが整列していた)
「敬礼!」
(号令に合わせて、風紀委員式の敬礼を取る委員たち。
先日殉職した委員たちへの追悼と冥福の祈りである。
佐伯貴子は事件を抱えるということがほぼないので、
こういう場にはいつも出席するのであった)
■佐伯貴子 > (目をつぶっている間考えている。
犠牲者が多すぎる。
世界には、顔と名前がわかっていれば、
名を記すだけで死に至らしめる魔導書があるときく。
それには及ばずとも、居場所が特定できる異能や魔術は多い。
なぜ負け戦ばかりが繰り返されるのか?
鑑識が無能なのではない、と自分は思う。
「何者かの意図」によるものであると)
■佐伯貴子 > (「何者か」が、落第街に住まう二匹の魔物を、
『精神束縛』や『呪術』から守っているのだろう。
理由は分からない。
3年前の呪いがまだ残っているのかもしれない。
今後も犠牲者は増えるかもしれない。
自分であることはないだろうが、
自分がチョコレートを送った人間たちでないことを願う)
■佐伯貴子 > (追悼式が解散になった。
佐伯貴子は木陰に置いておいた花束を取ってきて、
慰霊碑に供えた。
名を知っているものもいた。
言葉を交わしたものもいた。
事務処理を代わりに引き受けたものもいた。
だが、もういない。
だから、仕事に戻る。
これ以上犠牲者を出さなくてすむように)
ご案内:「共同慰霊碑」から佐伯貴子さんが去りました。