2016/06/11 のログ
ご案内:「鉄道委員会本部」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > 「珍しいですね、あなたが来るなんて」

胡乱な目で見つめる一人の女性。
鉄道委員会の幹部である眼鏡をかけた女史は、どうも烏丸を快く思っていない様子。
当然だろう、この男は委員会街では「お尋ね者」の一人である。
公安にマークされている男。快く出迎えるわけがない。
にも関わらず、話を聞かなければいけないのには理由があった。

「ええ、ボクもあんまり居心地の良い場所じゃないし、どうかな、この後二人でどこかに……」
「ご用件をどうぞ」

冷たい。
まぁ、当たり前の反応ではあるんだけど。

烏丸秀 > 「うん、たまにはね、島の為になる事をしようって」

烏丸は一枚のディスクを取り出す。
女史は警戒を解かぬまま、ディスクを受け取り、手持ちのノートPCに入れた。
もちろん、ウィルスなどは入れていない。

「ご自身が島を去るのが一番、島の為になるのでは?」
「手厳しいねぇ」

くくっと笑う。
ひっつめ髪の女史は不機嫌な顔をしながらも、中のデータを閲覧していく。

その顔が、驚愕に歪んだ。

烏丸秀 > 「これ、は……」

烏丸は答えず、出されたお茶を啜る。
美味しくない。絶対出がらしだ、これ。

「お茶請けは……スズメサブレ? ちっこいね、これ」

ぽりぽりとクッキーをほうばる。
たぶん、安物だろう。おまけにパチモノだ。
予算、全部鉄道関連に使ってるんだろうなぁ。

「これ、まさか……!」

女史は最早烏丸など見ていない。
データに釘付けである。

烏丸秀 > 「これは、本物、ですか……?」

女史が呟く。
汗を拭う事すら忘れているようだ。
無理もない。

「自分で確かめてみたらいいんじゃない? 
――あぁ、でも、急がないと」

女史が顔を上げる。
あ、眼鏡がちょっとずれてる。可愛い。

「急がないと、何ですか?」
「運びだされちゃうかもね。こっちが見つけたのは、知ってるだろうし」

女史は立ち上がる。
何でもっとはやく言わないのか、と叫んで、何処かへ連絡を取りはじめた。

(――まぁ、そりゃ確認せずに、やるよねぇ)

くくっと笑う。
あれが本物かどうか、烏丸も確かめたわけではない。
偽者の可能性の方が高いだろうか――が、どうでもいい。

「じゃ、動かしてくれるよね、あれ?
場所を知ってるのは、ボクだけだよ」

烏丸秀 > 鉄道委員会の緊急出動にひょこひょことついていく烏丸。
普段は、こんな風に表には出ないのが信条なのだが……

(……仕方ないかぁ。守って欲しい、って言われちゃったし)

伊都波悠薇

今、病院にいる、彼女に。

(――ボクを煽った事、後悔しないといいねぇ、"マネキン")

烏丸と女史は、部屋を出てどこかへと向かう。

ご案内:「鉄道委員会本部」から烏丸秀さんが去りました。