2016/06/13 のログ
ご案内:「生徒会本部・オフィスルーム」に奥野晴明 銀貨さんが現れました。
■奥野晴明 銀貨 > 生徒会本部内に敷設されたオフィスルームの一つ。
大規模な学園運営には行政機関となる生徒会の規模も大きくなるもので
執行役員だけでも大量に所属していることになるのだから
部屋をいくつか用意しないととても間に合わないのだ。
特に席順や個人の座席などはなく、皆それぞれその日使う資料や書類をまとめると適当な席に座るのが当たり前になっていた。
(中には頑なに席にこだわりのある役員がいるだろうがそういう人の席は自ずと個人の所有物が増えてくるのでわかりやすい)
銀貨もこの日、適当な席につくと溜まっているらしい書類の整理や処理などを手伝っていた。
普段ほとんど生徒会には寄り付かないし表立っても執行役員であるとは言わないのだが
たまの機会や忙しい時期にはこうして何食わぬ顔で居座って雑務処理に当たることぐらいはある。
■奥野晴明 銀貨 > 積まれた書類を事柄ごとに振り分け、目を通し必要なものに判を押してさばいていく。
上役の確認が必要な物は別のファイルボックスに振り分け、他の委員会に掛け合うべきものもまた別に振り分ける。
たいてい成績優秀者や素行が良好なものが所属している生徒会において
細々した事務作業を驚くべき速さで処理していくことは別段珍しくもない。
かくいう銀貨もなかなかのスピードで黙々と作業をこなしていた。
■奥野晴明 銀貨 > 「紙とデータに分けて送ってくるの効率悪くない?」
「一括でデータにまとめてタブレットとかプロジェクター使って会議の時見せればいいかな」
「あ、これ生活委員会のほうにまわして~、うちだけじゃ判断つかない」
「はぁ、なるほどオーク種族の人権集会に講堂の一部を使いたいですか……
ええと、それは生活委員会の方に連絡して許可を頂いて……」
「そろそろ修学旅行の実行委員としおり作らないと間に合わなくない?」
何人かの役員たちがそれぞれ忙しそうに動き回っている。
手伝ってと言われれば銀貨もそれまでの作業を中断して手を貸し、
何か後輩たちが困っていればそれとなく尋ねて助言を与える。
ようやく一段落ついたところで椅子の上でんん、と伸びをしそろそろ休憩しようと思い立つ。
■奥野晴明 銀貨 > 備え付けのドリンクバーで適当に紅茶を持ってきて飲む。
一人の女子が側によってきて
「せんぱーい、これお茶うけ~皆に配っているから食べて」
と袋入りのマドレーヌを差し出した。
「ありがとう、おいしそうだね」
ふわっとした微笑を浮かべると女子は嬉しそうにえへへ~でしょでしょ、みたいな感じで相槌を打つ。
そばを通りかかった別の男子がそんな二人を見て目を丸くした。
どうやら顔なじみらしい女子の方にこそこそと喋りかける。(まるわかりだが)
「え、この人先輩?マジで?」
戸惑う彼の表情も無理からぬ事、奥野晴明 銀貨の容姿は14歳程度の華奢な少年でしかない。
事情を知らぬものがこの体躯でとっくに18歳だとわかるわけがないのだ。
そだよー、知らなかったの?と女子が説明する。
「奥野先輩、あんまり生徒会来ないし入ったのはそんな昔じゃないけど先輩だよ」
「ええーまじでか、あ、全然しらんくてスイマセン」
ここってホント見た目の年齢が当てにならんよなー参ったと声を挙げて申し訳無さそうに男子が会釈する。
「いいよ、慣れてるから気にしないで。もともと幽霊委員に近いし知らなくてもしょうがないよ」
もらったマドレーヌをもぐもぐと頬張りながらとくに気にしたふうもなく答える。
その様子を見ていた女子がキャーッと何故か声を上げた。
「あーせんぱいかわいい、うさぎみたい!」
「うさぎってお前……」
はしゃぐ女子に呆れる男子、特に意に介さず曖昧な笑みを浮かべる銀貨。
■奥野晴明 銀貨 > ちょっと指についたマドレーヌのかけらを行儀悪く舐めて、おてふきで拭う。
ごちそうさまでしたと手を合わせると、どういたしましてと女子が返す。
「そういえば二人は生徒会に入ったの最近だったのかな」
「私の方は一年前で、こっちのやつは3ヶ月前くらいですよ」
銀貨の質問にちょいちょいと男子の袖口を引っ張って女子が答える。
「生徒会って何やってるのって、聞いてきたから知りたければ入ってみればって言ったら本当に入っちゃって。
おかげで今色々手伝ってもらって助かってまーす」
「うっす」
にこにこと事の成り行きを説明する女子に対して、男子の方はどこか照れているのか表情が硬い。
恐縮しきりの様子になんとなくもしかしてと感じるものがあった。
「そうだよね、生徒会ってどちらかというと日陰の存在だから
あんまり一般の生徒にはどういう役割なのか伝わりにくいかも。
もちろんそれは望ましくないんだけど」
「なんか生徒会も風紀みたいにぱーっと派手なことすればいいのに。ほらあの制服みたいに!」
「すでに腕章あるだろ、俺制服着るとかなったら面倒クセェ」
ええーいいアイディアだと思ったのにと頬をふくらませる女子の様子が子供っぽくって微笑ましい。
それを見て喋る男子の方の様子もまた同じ。
「さて、それじゃあ面倒くさいことは片付けてしまおうか。
あとちょっとだから頑張ろう。そっちのほうも進み具合は大丈夫?」
十分に休憩が取れたと判断して再び椅子をまわして机に向かう。
二人の仕事の進捗も確認しながらだが、作業量は大して変わらないだろう。
■奥野晴明 銀貨 > 大丈夫でーすと、元気の良い返事に男子の方も首を巡らせてみると
問題なしとうなずいてくる。
「これが終わって、時間があったら皆でラウンジ行こうか。
良ければごちそうするけど」
「え、おごってもらえるんですか?!ラッキー!
あたし季節のパフェ食べたいです!」
「お前ちっとは遠慮しろよ、っていうか俺までいいんですか?」
「もちろん」
遠慮しないでと招くとやはり恐縮仕切りの様子で頭をかいて会釈する。
ちょっと不器用なだけでなかなか人柄はいいのかもしれない。
「それじゃあ張り切って終わらせちゃお!ほらあんたも急いで急いでー」
追い立てるように男子を席に引き戻して二人は去っていく。
よほど甘いモノに目がないらしいのはさすが女子というか。
ただまぁ、この後予定では銀貨はラウンジに入ったところで勘定だけして急用ができたと偽って席を去るつもりだった。
たぶんふたりきりのほうがあの男子としては居心地がいいだろう。
そうと決まったのならあとは決行するのみ。
大したおせっかいだとは思いながら作業の手は心なしか軽かった。
ご案内:「生徒会本部・オフィスルーム」から奥野晴明 銀貨さんが去りました。