2016/07/17 のログ
ご案内:「風紀委員会本部棟:事務室」に久藤 嵯督さんが現れました。
■久藤 嵯督 > 全体的に仕事が落ち着いていて、ゆったりとした雰囲気の事務室。
目立った事件もなく、実に平和そのものであった。
―――片隅のデスクにそびえ立つ、書類の山を除いては。
「……何だ? 用がないなら邪魔しないで貰おう」
鬼気迫る表情で書類を片付けている姿を同僚が凝視していたので声をかけたが、そこで目を逸らされてそれっきり。
絶えず手を動かしながら、嵯督は短くため息をついた。
書いても書いても無くならないし、それを手伝う者などいない。
それも当然。これらの書類は全て、嵯督自身の不手際によって生じたものなのだ。
■久藤 嵯督 > 事の発端は、嵯督の働き過ぎによるものだった。
最近あったインベーダーの侵攻を防いだこともあった、功績 諸々が明るみに出過ぎた。
それらが積み重なった結果……”うっかり”表彰されかける。
しかし嵯督は、自身が賞を得ることに対して批判的であった。
功績を認められること自体はよろしいのだが、『久藤嵯督という人間』が評価されるべきではない。
何せ生まれから育ちまでが人と違い過ぎるうえに、自分の真似をする人間が出てきて欲しくない。
何より組織立っての栄誉など、受け取った日には虫唾が走るのだ。
嵯督はテコ入れとして、過剰防衛、無警告の武力行使など、
授賞式が執り行われる前に問題行動を多発させた。
嵯督のことを快く思っていない者も少なくなかったため、表彰はあっさりと取り止めになった。
残ったのは大量の始末書と謹慎命令。夏休み期間の約半分は、風紀委員として活動出来なくなった。
この書類仕事を最後に、夏休み前半は一般生徒となるのだ。
まだまだ量はあるものの、書類の山は確実にすり減らされていた。
■久藤 嵯督 > 風紀の仕事がない分、時間ができる。
その時間を何に使うべきか、特に迷いはしなかった。
(”現状維持”が機関の判断……ならば、謹慎を受けた学生の一人として動くべきだろうな。
開いた時間は自己鍛錬に……独自の情報収集……以上)
迷いなく『特にすることがない』という結論に至った。いや、それは一般生徒としてどうなのか。
趣味の針金細工や玩具弄りなんて、短いヒマを潰すためにやっていることなのに。
こんなに沢山の余裕を貰ったところで、手に余るだけなのに。
(おいおい、全て睡眠時間に充てたって有り余るぞこれは……)
割と本気で考え込んでしまい、ペンを置いてすぐ頭を抱える。
何かやるべきことは無かっただろうか。何か。
■久藤 嵯督 > 再びペンを握り、再び書類を片付け始める。
それから外も段々と暗くなっていって、事務室には嵯督一人が残った。
もうめっきり減ってしまった書類の山を確実に削り続けている。
これならば今日中に終わらせることが出来そうだ。
事務室には、ペンの走る音だけが響き続けていた。
ご案内:「風紀委員会本部棟:事務室」から久藤 嵯督さんが去りました。