2016/11/02 のログ
ご案内:「公安委員会調査部資料室」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 放課後。
クローデットは公安委員会の資料室で調べ物をしていた。

(………今までにはない情報ですわね…
本当に新しい違反組織なのか、それともあの「バケモノ」が苦し紛れに吐いた出鱈目だったのか…)

クローデットが調べているのは、倫理に反する人体実験を行っていた違反組織の調査記録だ。

クローデット > 以前、「非公式」に「処理」した吸血鬼の青年。
あの「裏切り者」の邪魔を受けながら行った「尋問」の結果、
「特殊能力を持たないこの世界の人間を後天的に、確実に種族変異させる実験」
が落第街のとある場所で行われており、彼がその成功例であるということが、彼自身の口から語られたのである。
元々「特殊能力を持たないこの世界の人間」であったのならば、魔術に無警戒だったのも納得がいった。

(………絶対に、許さない)

倫理に反する人体実験は、まあいい。…いや、良くないが。
何より許されないのは、急に力を得た「彼ら」の増長を、「そいつら」が止めもしなかったことだ。

クローデット > 残念ながら、公安委員会調査部の力をもってしても、彼らは捕捉されていないらしい。
風紀委員会が捕捉しているかは分からないが…。

(………職務の中で、調査に赴かねばなりませんか)

クローデットらしからぬ、暗い息をつく。
今、「本来の姿で」落第街を訪れる気には、あまりなれないのだ。

クローデット > 先日、とある「男」をからかって遊んでいたところ、しっぺ返しを受けて…それ以来、調子がおかしいのだ。
頭の中に、頻繁に「大切な人」の声が聞こえ…それが、時には頭痛すら引き起こす。
情報収集自体はしているものの…獅南蒼二の講義には、いよいよ出られなくなった。
この不安定な状態で同じ空間に居合わせた時に、どうなるかが不安だったのだ。

「本来の姿で」落第街を訪れる気にならないのも、同じ理由である。
異能者(バケモノ)、異邦人(ヨソモノ)の犯罪者がひしめく街で、自制出来る自信をクローデットは失いつつあった。

クローデット > 《なぜ、ためらうの?》

「大切な人」の枯れた声が、頭の中に、重く響く。

《クローデットは、わたしより、異能者(バケモノ)たちのほうがたいせつなの…?》

重さが、頭痛となってクローデットの身体に、精神にのしかかる。

「………そんな、ことは………」

クローデットは、うわごとのようにうめいた。

クローデット > 頭の重さが頭痛に転じつつあるのを知覚し、クローデットは慌ただしく閲覧していた資料を棚に戻す。
それから、急いで資料室を出て入退室記録を残し、委員会棟を出て…転移魔術で帰宅した。

その様子を見ていた者は、いつもの振る舞いからすれば信じられないほどだったと語ったという。

ご案内:「公安委員会調査部資料室」からクローデットさんが去りました。