2017/05/23 のログ
ご案内:「公安委員会棟」にクローデットさんが現れました。
■クローデット > 「…それでは、確かに」
その日、クローデットは本部に依頼されていた魔具を納めに委員会本部を訪れていた。
個数と、設計図の写しを確認してもらい、受け渡す。いつもとは別に携帯している鞄は、ある程度の大きさの物を運んだり、「転送」したりするための道具だ。
数を確認すると、本部の事務方が研修などの話題を振ってくる。
「…申し訳ありませんが、今日はこの後卒業研究のための制作を進めようと思っておりまして。
…わざわざ気遣って下さったのに、申し訳ありません」
そう丁寧に頭を下げると、クローデットはその場を離れる。
■クローデット > 卒業研究のため、研究区に向かう途中…クローデットは、先日の「大切な人」と「あの男」の邂逅について考えていた。
「大切な人」は、クローデットの普段の行動について、かなりのことを知ることが出来る。そのことに不満はない。
しかし…「大切な人」が表に出ている時、クローデットが知ることの出来る情報は少なく、漠然としている。
具体的に届く情報は、「貫いて」届いてくる言葉と…事後、自らの身体が使った術式を解析して、行われたことを「情報」として処理、分析して得られるものくらいだ。
■クローデット > 漠然と、「大切な人」が「あの男」に強烈なことをしたらしいのは察していて…改めて解析して出てきたのは、クローデット単独では使用の困難な、伝統的な呪術だった。
(…「あの男」の消極性ならば、そこまで「強烈」なことになるとは思えませんけれど)
表に出ていなかったクローデットは知らないのだ。
文字通りの「バケモノ」と化した「彼」が見せた暴力性も、闇夜を震わせるかのような咆哮も。
■クローデット > 人狼。この世界ではかなり伝統的な部類に属する伝承で、怪異だ。
他の世界からの流入も考えれば、この島にはかなりの数の人狼が存在していて…恐らく、「あの男」単独の問題が浮上してくることなどないだろう。
(「あの男」が呪術の被害を訴えるならば別ですけれど…どこに訴えるべきかが分からないでしょうね)
呪術だから、白魔術や神聖術などで対抗は可能だ。
専門家が多そうなのは、生活委員会や保健課あたりだろうか。図書委員会の禁書管理者なども技術はあるだろうが…流石に、そこまでは出張らないだろう。
■クローデット > 「クローデットに加害を受けたと思うのならば表で闘え」と示してすらやったのに、まるで抵抗の意志を見せなかった「あの男」。
クローデットを危地に追いやりうる情報の量だけならば獅南蒼二と同等だろう危険人物だが、クローデットは、現時点では「彼」にそこまでの脅威を感じていなかった。
(………カウンセリングが近くない時期にでも、様子を見に行きますか)
「彼」のいる場所を考えると、違う姿を使う必要がありそうだが。
そんなことを考えながら、クローデットは悠然とした足取りで研究区に向かい、姿を消した。
ご案内:「公安委員会棟」からクローデットさんが去りました。