2018/02/11 のログ
ご案内:「風紀委員会棟」にセシルさんが現れました。
■セシル > 警邏で街を回った午後。
委員会本部に戻ると、同僚の女性陣の一部が集まって華やいだ声をあげている。
「どうした?」
セシルが声をかけると、
『もうすぐバレンタインでしょう?だから、仲間をねぎらうお菓子とか…甘いの得意じゃない人向けの何かとか用意しようかってみんなで話してたの』
と、一人が答えた。別の女子が
『ラフフェザーさんは、やっぱりもらうの専門?』
なんて聞いてくる。
■セシル > 「いや、別にそういうわけでは…」
確かにこの世界に来て、この学園都市に身をおいて。
今もちらほらお菓子と手紙が届けられたりしてはいる。
…しかし、セシルは別にその状態をひけらかしたことはないし(天然でしれっと話して男性陣のヘイトを煽りかけたことならあるが)、何ならお返しに苦慮しているのが現状だ。
そして、特に贈ったりしていないのは、それだけの関係性を構築した感覚がなかった、というのが大きいわけで、別に贈りたくないというほどの感情はない。
セシルは、少し考えるように顎に手をやって…
「…私も、ついて行っても構わないか?「人に贈る」つもりで、それらの品物を眺めてみたくなった」
そう、彼女達に声をかけた。
■セシル > 『別にいいけど…どういう風の吹き回し?』
本気で不思議そうな顔で問うてくる女子に、苦笑いを浮かべて…
「別に、大したことではないよ。それなりの期間こちらに留まって、それなりの人間関係は持ったと思うし…それ相応のことをしたいと思っただけだ」
そう答えると、女性陣が一斉に色めき立つ。
『なになに!?好きな人とか!?』
「…そういうことでもないんだがなぁ…」
むきになって否定するわけでもない…それどころか女性陣の勢いに気圧されているだけのセシルに「脈ナシ」みたいなものを感じ取ってか、彼女達のテンションは割とあっさり元に戻った。
『なーんだー。でも人に贈り物したいって思えるのはいいことだと思うし、おいでよー』
「…ありがとう。警邏の片付けや後処理を終えてから合流しても?」
追求が軽く済んだこと、それでも歓迎してもらえたことの安堵に、地声で礼を言ってからそう尋ねる。
『それなら私達ラウンジで待ってるから。急がなくても大丈夫だよ〜』
「助かる…私用であまり端末を使わないものだから、まだ慣れなくて」
『いいっていいって。じゃあまた後でね〜』
女性陣は、原色系のざわめきを伴って委員会棟を出て行った。
■セシル > (…さて、そこまで深刻なことはなかったとはいえ、報告書はきっちり済ませないとな)
華やぎを見送った後、セシルは改めて自らの仕事と向き合う。
仕事を終え、女性陣と合流してバレンタインデーのコーナーを見て歩いたセシルを見て、ギャラリーがどのようなことを思ったのか…それはまた、別の話である。
ご案内:「風紀委員会棟」からセシルさんが去りました。