2015/08/17 のログ
ご案内:「学生通り」にクリフさんが現れました。
クリフ > (とある昼下がり。少年は学生街を歩いていた)
(街は平穏そのもの。噂では色々と物騒な話は聞くが、少年は今のところそのような問題事とは無縁であった)

(で、あるからして)

「……暇だ」

(暇を持て余しているのである)
(街を行く女生徒に目を向け、可愛い子は居ないかと品定めをしてみるもいまいちピンと来る子がいない)

「…なんかこう、可愛い子が空から降ってきたりしねぇのかな」

(なんてことを呟いて空を見上げるも)
(空は今日も変わらぬ穏やかさで街を見下ろしているのである)

クリフ > 「…平和、だねぇ」

(緩やかに頬を撫でる風に感じる涼やかさ)
(真夏の太陽の痛々しいまでの陽光を僅かながらやわらげてくれる)
(横を通り過ぎていく生徒たちは思い思いの話に花を咲かせ)
(友情を育んでいる者もいれば、恋に踊っている者もいるようだ)

(余りにも、平和である)
(話に聞く物騒な事件があったのと同じ世界とは思えない程に)
(この穏やかな時間が続くのであれば、この世界で暮らしていくのも悪くないとも思う)
(けれども)
(やはりふとした時に思い出してしまうのだ)

「……どうしてっかなぁ、あいつ等」

(故郷のこと)
(偶発的だったとはいえ、自分に課せられた使命も、役割も、全てを放り投げてしまっている)

「世はなべてことも無し…となってりゃぁいいんだが」

(歯車が一つ欠けようと、世界という大きな機械仕掛けの舞台は動き続ける)
(自分という歯車が消えたところで…きっと違う誰かがそこに収まることは想像出来る)

ご案内:「学生通り」にダリアさんが現れました。
クリフ > (想像、出来てしまうのだ)
(違う誰かが自分が居た場所に収まることも)
(その「誰か」が何者なのかということも)
(全て、想像出来る)

(そして恐らくは自分の想像通りなのだろう)
(だからこそ、捨てて来た筈の柵が足元から這い登ってきている感覚に陥る)

「…恨んでんだろうな、多分」

(一人が背負うには余りにも重い柵を全て背負わされた「誰か」を想い、苦笑する)


「ま、俺が考えた所でどうにかなるわけでもねぇ、か」

(それこそ、世はなべてこともなし、といったところだ)
(己のちっぽけな考えなど世界に何の影響も及ぼさないだろう)
(だからこそ、自分は自由に生きていきたい)
(何者にも縛られず、思うままに―)

「こうして色々考えちまう時点で、自由ってのとは違うんだろうなぁ」

(空を飛ぶ鳥を眺め、ため息一つ)
(理想は未だ遠く)
(断ち切ろうともがく程に、枷はその姿を隠したままで歪に己を捉え続ける―)

「っだーくそっ!やめやめ!!女生徒ウォッチングの再開だ!!」

(ブンブンと頭を振って通りを行きかう女生徒たちに再び視線を戻せば)
(先ほど己が放った言葉で露骨に此方を警戒している様がしっかりと見て取れた)

「オ、オホン。俺はその、怪しいものじゃー…無いんですよー…??」

(誰に言うでもなくひきつった笑顔を浮かべる)
(発したフォローの言葉は誰にも届くことはなく、むなしく風に流れていく―)

ダリア > 「……軍服で出てきたのは間違いだったかしら。」

季節を考えれば当然の事を一人で言葉にして呟く。
この島の地理を全くと知らないので、直接に自分の目で確認をして覚えようと。
だが外に出ていける服がないという事実が現実として突き付けられてしまった。
仕方なしに軍服で出てきたもの、暑さにやられてしまう始末。

それでも汗を拭いながら、歩みを進めて突然おかしな事を叫んでいる人物が視線に入った。
女生徒ウォッチングとか、何を言ってるのだろうか。
この暑さで頭でもやられてしまったのかと、失礼ながらに思った。

「…………。」

周囲の生徒達も同じ様に思ってるのだろうか、すっかり彼に対して警戒してる様子が映る。

面白そうだからと観察をしてみようと、歩みを止めて逆にウォッチングをすることにした。

クリフ > 「あ、いやちょっとちょっと!違うって!別に不審者とかじゃねーから!」
「ほら見てよこの爽やかな笑顔!全然怪しくないっしょ!?」

(露骨に距離を取られた少年は、その場に居た少女達に片っ端から声をかけ始める)
(最早ナンパより己の潔白の証明が優先のようだ)
(そのために取った行動により、己の潔白は消え去ったのだが)

「ね?ね?キミもそう思うよね!?」
「俺って全然怪しくないしむしろ爽やかなイケメンじゃない!?」

(そしてその矛先が歩みを止めたダリアに向かうのも当然であった)
(そして不運にも、彼は彼女が教師であるということを知らなかったのだ)
(素行不良で年がら年中遊び歩いている少年が、新任の教師のことなど知る由もない)

(例え教師だと知っていたとしても声は掛けたであろうが)

ダリア > 「えっ!?あ、うん。そうね、イケメンの基準は知らないけど。」

歩みを止めずに逆ウォッチングなどしなければ声を掛けられる事など無かっただろうに。
急に声を掛けられて焦りを見せてしまう。

「でもあれよ。例えイケメンでも、あんな大声で本心丸出しにするのはどうかと思うわよ…。」

額の汗を拭いながらハッキリと、思ったことをそのままに伝えたのだ。
傷つこうとか、オブラートに包むとか、知ったことではないとは正にこのこと。

クリフ > 「―」
(その時クリフに電流走る―!!)
(この受け答え)
(この反応)
(この子は「話せる」子である)

(幾百ものナンパ失敗を経たクリフは、何時しか声をかけた相手の反応でどこまで持って行けるかを瞬時に把握する能力が身についていたのだ)
(この反応。露骨に不審者扱いしないというだけでも神に感謝したくなる)
(この子は―ちゃんと話を聞いてくれる)

「え?あぁいやぁ俺ってば清廉潔白で素直な人間だからさぁ!」
「隠し事とか全然出来ないんだよねぇホント!」
「君みたいな可愛い子とぜひぜひお知り合いになりたくて、街行く女の子たちを見てたってわけさ!」

(先ほどまでの狼狽っぷりは何処へやら)
(胡散臭い笑顔全開でペラペラとしゃべり出す)

「んで、結果的にこうやって君と話せたわけだしー…やっぱ正直ってのも悪くないよねー!」
「んで、まずは君の名前を教えてもらってもいいかい?」

ダリア > 人生で初めてのナンパ経験。当然現在こうしてナンパされてるなんて事はつゆ知らず。
胡散臭そうと内心に抱えつつ、細目になりジト目を見せて受け答える。

「可愛い言われるのは嬉しいけど、うん。」

言われて嫌になるものではない、だが第一印象が"アレ"なので。
素直に喜べないのが心境。
引き攣った顔で笑顔を浮かべながら、聞かれたことにはちゃんと答える。
笑顔は大事だという親の教えを守っての行動だが、現状で言えば逆効果だろうか。

「わたしの名前はダリアよ。それで、正直者で素直なイケメンなあなたのお名前は?」

余計な言葉が一つに二つに三つとついてるが嫌味ではない。

クリフ > (相手が此方に向ける疑いや引きの表情など想定内である)
(それを、その諸々の感情を会話の中で解きほぐすことこそナンパの真骨頂)
(引き攣ってでも笑顔を浮かべてくれている上、キチンと名乗ってくれるのは有難い)

「OKダリアちゃん、よくぞ聞いてくれた!俺様の名前はクリフォード。気軽にクリフ、って呼んでくれよな!」
(親指を己の胸板に突き当て、白い歯を覗かせて爽やかアピール)

「自己紹介もお互い済んだし、これで俺とダリアちゃんはもう友達だ!」
「街中で友達に会ったっつーのに立ち話ってのは、俺の美学が許さねーんだわこれが」
「レディのか弱い足にダメージなんて与えられねぇしー…どっかで落ち着いてお茶でもどうよ?」

(あそことか、と指さしたのは大衆向けのコーヒーショップ)
(コーヒーの味はそこそこではあるが、静かな雰囲気が特別を演じたい学生たちに大人気のお店である)

「もちろん、時間があればー何だけど…どう?」

ダリア > "ちゃん"付けに思わず身を引きそうになる思いを抱く。
見た目からしたら確かに"ちゃん"付けのが合うのだが人間年齢で考えるとアウト。
現時点では、年齢まで教えるつもりはないので良いとして。
後々が怖かったりする。

「クリフォード。えぇ、覚えたわ。言われた通りに、クリフと呼ぶことにするわ。」

笑顔を取り敢えず維持しながら、あ、歯が綺麗だなこの子と思ってみたり。
"軍"の男共を思い出して、容姿などを照らし合わせ比べるという失礼な行動を、頭の中で繰り広げてみる。
数秒後に あ、確かにイケメンだなこの子という結論に至ったのだ。

(友達…友達かぁ)

言葉には出さなかったが、元々友達と呼べる相手は皆無だったダリアには心に響く言葉だった。

「わたし、そんなにか弱く見えるかしら…お茶は好きだから付き合ってもいいのだけど…。」

珈琲や紅茶など好きだったりするので、魅力的な誘い。
それも"友達"からの誘いだから悩む、悩んでしまう。
こんなぽっと出来た友達だったとしても、頭を悩ませる。

クリフ > 「なぁに、実際の実力がどうあれ俺にとっちゃ女の子は皆か弱いイメージなのよ」
「だってさ、そう思ってなきゃいざって時に馬力でねーっしょ?」
「男はいつだって女の子の前じゃカッコつけていたいもんなのさ」

(胡散臭い笑顔の隙間から覗いた、年相応の背伸びしたい少年らしいはにかみ笑い)
(少し照れくさかったのか、指先で頬をかきながらひとつ、咳払い)

「んー…そうだな。そんなほいほいついていくってのが気にかかるかい?」
「だったらこうしよう。立ち話がアレなら歩いて話せばいいんだよ。コーヒーも紅茶もテイクアウトで済ませちまえばいいのさ」

(悩むダリアに向けて一つ、提案)
(クリフからすればどちらにせよデートの体となるため損は無い)
(女子に選んでもらえばある程度警戒心は解けるという頭脳プレイであった)

「さ、さ、どっちにしろ此処で立ち止ってるって選択肢は無いっしょ!」
「タイムイズマネー時は金成、ってこの世界ではいうんだろ?」
「だったらこんな可愛い子との時間はそれこそお宝だかんね」
「一刻一秒を無駄にしないためにも、レッツゴーってことで!」

(答えを聞かぬまま、手招きして歩き出す)
(半ば強引に連れだしたデートの行方はどうなることやら)
(相手が実は教師であることを彼が知るのは何時になるのであろうか?)
(ともあれ、新しい出会いが此処に一つ生まれたとさ)

ご案内:「学生通り」からクリフさんが去りました。
ダリア > 恋愛やら男女関係のことなどは夢を見てたりするのだが、如何せん現実として出会いがなかった。
彼の怒涛の言葉に、「うん」やら「そうねぇ」やら肯定的な言葉しか浮かばず。

"か弱い"という言葉が心に響いてしまったのもあるのだろう。
自分の強さを知ってる人からすれば絶対に言われない言葉なのだから。
"女"として扱われることに嬉しさも抱いた。
なんだかんだで筋肉バカでも乙女なのだ。

そんなこんなでホイホイと付いていってしまったそうで、ナンパが成功という形で終りを迎えるだろうか。

ご案内:「学生通り」からダリアさんが去りました。