2015/08/31 のログ
ご案内:「学生通り」に迦具楽さんが現れました。
迦具楽 >  
【学生達が行き来する、ここ学生通り。
 校舎からまっすぐ伸びるこの通りは、路面電車に乗るにも、歩いて帰るにも、どこかへ遊びに行くにしても。
 どうしたって通らないわけには行かない場所だ。
 そんな通りの、校舎にほど近い場所に、”ソレ”はいた】

「…………」

【人混みにまぎれて歩きながら、駅に並ぶ人、歩く人と、じっと観察し続ける。
 その姿は、黒いフードつきの上着に長い髪を隠し、顔が見えないように猫背気味に俯いていた。
 目標に気づかれないために、わざわざ念入りに香水まで調達して使っている。
 捜索を始めて既に三日目。
 月曜日だからと待ち伏せ作戦に切り替えたが、果たして待ち人は来るだろうか。
 見つけたら逃げられないように確実に捕まえなくては。
 その方策を考えつつ、目を凝らして多くの人が通る道を、じっと観察していた】

ご案内:「学生通り」にサヤさんが現れました。
サヤ > 昼休み、午前中で授業を終えた学生や、学外まで昼食を取りに行く学生達の人混み。
その只中で、うつむきがちに、とぼとぼと歩いているサヤは、前者だった。
だがその表情は晴れない、自分という存在にほとほと嫌気が差しているのが原因だった。

それは、友人である焔誼迦具楽についてである。
落第街で苦しむ彼女に何もできなかったばかりか、その後無事に姿を見せた彼女が、男子生徒と親しい様子で話しているのを見て、あろうことか喜ぶより先に男子生徒に嫉妬してしまった。
そんな自己中心的な思考に至ってしまった自分が恥ずかしくて、終わらぬ自己嫌悪を抱き続けているのだった。

「はぁ……。」もう何度目か知れないため息が漏れる。

迦具楽 >  
【――いた。
 あの独特の装束と黒い髪。
 何より二人分の色と匂いがするような人物は、そう多くは居ない。
 その俯きがちな背中を追いかけるように、人の間を縫って近づいていく。
 そして手が届くほど至近まで接近すれば、背後から腕を伸ばす。
 袖口からは数本の黒い触手が覗いている。
 相手の腕を掴むには十分すぎる接近。
 手を取ってしまえれば、そのまま掴み絡め取ってしまおうと右手を伸ばし】

《ミィツケタ》

【ため息が聞こえるほど極近距離に近づけば、少女に聞こえるよう、低い声で唸った】

サヤ > ふわりと漂ってくる花の香りに、無意識に鼻を鳴らす。深く深く自分の心に沈み込んでいるサヤには、その下に隠された、知っている匂いには気付けない。

見つけた、雑音に混じって確かに聞こえたその声に「…?」顔をあげて振り向こうとする。
だが背後の人物が視界に入る前に、腕を掴まれる。
「えっ……。」振り払うでも、反撃をするでもなく、呆けたように右腕に絡みつく黒い触手を見ている。今のサヤは剣客ではなく、ただの思い悩む少女であった。咄嗟の動きが出来ず、されるがまま。

迦具楽 >  
「――やっと捕まえた!」

【腕を掴み、絡めとり。
 フードから覗くのは赤い瞳と、覚えがあるだろう声。
 驚いているのならその間に、引き摺るように、人混みから脱するため腕を引いて歩いていく。
 学生通りから分かれる、人気の無い道まで連れて行こうと】

サヤ > 「えっ、えっ、えっ?!迦具楽さん?!」思考を驚愕と疑問が支配する、どうしてここに、どうして私を捕まえているんだろう。

逃げなければいけないことに気付いて、暴れだしたのはすでに裏道まで引っ張り込まれてからだった。
「は、離してください!私と会っちゃダメなんです!私なんかと…!!」拘束から逃れようと、腕を振り回す。だが元々体格も良くなければ、必要最低限の筋肉しかついてないサヤの力は、同年代の少女より少し強い程度のものである。

迦具楽 >  
「サヤが会いたくなくても、私が会いたかったの!
 変な誤解されてるみたいだし、謝らないといけない事だってあるし……!」

【腕が離れないようにしっかりと拘束する。
 そこは腐っても人外。簡単に振りほどけるような力ではなかった】

「――というか、なんかってなによ。私”なんか”って。
 サヤは私の友達でしょ!」

【謝らないこと、誤解を解くことと、色々言うべきことはあったはずなのだが。
 サヤからこぼれた言葉に、なぜかカッとなって声を荒げていた。
 ――どうしてサヤがそんな事を言うんだ。
 理屈に合わない。
 責められるのは迦具楽自身でなくちゃいけないのに、どうしてか。
 サヤの様子はまるで、自分を責めているみたいだ】

サヤ > 「もう、いいんです!私にそんな価値は無いんです…!!離して…!!」腕を拘束されても、まだ諦めずに暴れ続けていたが。
迦具楽が声を荒げると、ビクリと身をすくませ、動きを止める。

「違うんです……私は、私にはもう……友達でいる資格を、失くしてしまった……。」俯き、弱々しい声で、懺悔めいて説明する。
「本当の私を知ったら……きっと幻滅します、卑しくて、愚かで……醜い存在なんです……。だから、もう離してください…友達だったと記憶していてもらえればそれで良いですから……。」

迦具楽 >  
「……友達の、資格?」

【――この子は、何を言っているんだろう】

「……なら教えてよ、本当のサヤってやつ。
 けどね、断言してあげるわ。私は絶対に、幻滅なんてしない」

【俯くサヤをじっと見つめ、言葉は普段より少し低い声で発する。
 自然と、掴んだ腕に力が込められてしまっていた】

サヤ > 低い声と疲れた腕に走る締め付けられる痛みに、小動物めいて体を縮こませる、足が微かに震えている。

「私……私は…」それでもなんとか、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「嫉妬、してしまったんです……。東雲さんに……。おかしいですよね…まずは迦具楽さんが生きていたことを喜ばなきゃいけないのに……。」友達よりも自分を優先した感情に、サヤはショックを受けていた。そしてその内容が嫉妬ということが、サヤの自己嫌悪に拍車をかけていた。
嫉妬は醜い感情で、絶対に抱いてはならないと教えられていたから。

「首輪も……嘘でしたから…迦具楽さんが私なんかに……そんな気は無いってわかっていたのに…。馬鹿ですよね……。まだ、信じていたみたいです……。」
ぽたり、ぽたりと俯いた顔から雫が落ちる。

「それに、信じられますか…?私、このあいだ……肌を重ねたんですよ、好きでもない相手と……。私の意志で、ただ快楽のために……。私は穢れているんです、もうどうしようもないほど……。石蒜と畝傍さんにだって嫉妬して……自分に、相手が居ないから……。こんな人間に、相手が居ないのは当然のことなのに……。」雫で地面を濡らしながら、思いつく限りの罪を、何の価値もない自分を、告白する。

迦具楽 >  
「……はぁ」

【サヤの自罰的な告白を聞いて、最初に出たのはあきれたようなため息だった】

「で、なに?
 ソレでおしまいかしら」

【続けて出たのもまた、同じようにつまらなそうな声。
 だからどうした、とでも言いたげな声は、続きを促しすらしている。
 なんだその程度なのか、と言うように】

サヤ > 「おしまいって……。」驚いて、顔をあげる。その目には涙が溜まっている。

「だって私……!どうしようもなくて……!」罵声を浴びせられると覚悟していた。唾棄され、二度と顔を見せないように言われることを予想していたのに。
まるでつまらない話を聞かされたような言葉に、戸惑う。

「迦具楽さんは、嫌じゃないんですか…!?私みたいな人間が!」

迦具楽 >  
「……あのねえ」

【さあ、なんと伝えれば――《検索》――破棄。――《再検索》――採用。
 ようやく上げられた顔を、瞳を赤い色がまっすぐに覗く】

「嫌も何も、ソレが人間でしょ」

【掴んだ右腕の反対、左腕はサヤの涙を拭うように頬に添えようと伸ばされる】

「欲望を溶かして煮詰めて、そこに一欠けらの理性を加えて生まれたのが人間よ。
 嫉妬に快楽? それの何がいけないの?
 欲しいものを欲しいと願う。持ってる相手を羨む、妬む。
 信じたいことを信じたいって願って、縋って。
 気持ちいい事を、快楽を求める。
 そんなの当然のことじゃない、サヤは当たり前の気持ちを、当たり前に抱いただけ。
 なに一つ、責めるような理由なんてないじゃない」

【それは一つ残らず、すべてが借り物の言葉。
 けれど、この”迦具楽”という人格が抱いた感情が、最も共感できた言葉】

「それとも、サヤは責めて欲しいの?
 私に、くだらない嫉妬をする、気持ち悪いストーカーみたいな女だって。
 好きでもない相手とセックスして、快楽によがる売女だって。
 ――やめてよね。私をそんな変体性癖に巻き込むの。
 流石にそんな要求されたら、いくら”友達”でも引くわよ」

【そして後半は、借り物じゃない思いつくままの軽口。
 まさかそんな趣味が、性癖があるわけじゃないだろう、と言う意味の。
 じっと目を細めて――まあ例えそんな趣味があったとしても。
 それでも友達であることには代わりないと、そんな気持ちを込めて。
 素直にそう言わないのは、迦具楽が捻くれているからか、それとも】

サヤ > 「あ……あう……。」それが人間。という言葉に、驚き固まる。涙を拭う左手に気付かないほどに。
「で、でも……でも……。に、人間には理性があるから……欲望に負けちゃいけないって……感情に身を任せては破滅するって……。師匠が……。
私……だからずっと…悪いことしたって……悩んで……。」
そう教わった、他人の言葉をそのまま受け入れるというのも、ある種借り物と言えるだろう。サヤの倫理観はまさに借り物だった。

そして、また"友達"と呼ばれたことに、耳を疑って目を瞬かせる。
「えと……じゃあ……迦具楽さんは……私で、いいんですか……こんな…私で……。本当に……?」戸惑いながらも、確認する。まだ自分は友達なのかと、一緒に居ていいのかと。

迦具楽 >  
「ああ、そうね、ソレも人間よ。
 欲望や感情を理性で抑えられるのも人間だからこそでしょうね。
 けれど、常にそうである必要なんてあるのかしら。
 思いや感情、欲望はね、我慢すればするほど強くなっていくのよ。
 だから必要に応じて発散して、爆発させて、そうやってコントロールしていくものなの。
 そうしないといずれ暴走してとんでもないことをしでかすわ。
 その師匠ってヤツが教えたかったのはそういうことじゃないの?」

【頬に添えた左手で、顔がまた俯かないように自分の顔をまっすぐに見させる。
 借り物だろうと構わなかった。己の口から、サヤへ思いを伝えられるなら、それだけで十分に過ぎていたから】

「そうね……ううん、駄目ね。
 サヤはまだ、もう一つ、当たり前で大事なことをしていないもの」

【一度頷きかけて――首を振った】

サヤ > 「そう、なのでしょうか……。師匠は……自分の欲望なんて、おくびにも…出さなかった人でしたから……。」師匠は常に自分を律し、感情に動かされることなどない、サヤの理想像だった。欲望を発散しているところなど見たこともなかったし、隠れてやっているなどとは考えたこともなかった。
だからその規範から外れたことが、サヤを酷く動揺させたのだ。

左手で顔を向かされれば、迷いを宿した目が不安げに揺れる。
「だ、駄目ですか……。どうすれば…?」何を求められるのか、ケジメの類ではないように願いながら。

迦具楽 >  
「ふうん、なら隠すのが上手かったのね。
 本当に発散することもなかったなら、ソレはもう人間じゃないわ」

【ソレこそ、悟りを開いた聖人だとか上人だとか。
 普通の人間とは違う生き物だろう】

「どうもこうも。
 サヤは自分を責めるばかりで、何も言わないじゃない。
 私はアナタに酷い選択を強いたのよ?
 それどころか、アナタをほったらかして七生に甘えてたのよ。
 ほら、言いたいことの一つや二つ、あるんじゃないの?
 悔しいし、悲しいし、嫉妬もしたんでしょ?」

【それはもう、言えるものなら言ってみろと、挑発じみた言葉だった。
 けれどそれくらい、自分の気持ちも、感情の一つもぶつけて貰えないのなら、友達ではいられないだろう。
 それが、迦具楽に生じたError――迦具楽が思う友達というモノだった】

サヤ > 「そうですか……。多分、人間だったと思うので……どこかで、発散してたのかも…。」かもしれない、確かめる手段が無いために、箱のなかの猫めいて不確定だが。

文句でも言ってみろ、と挑発されれば、もじもじと両手の指先を合わせて弄くる。
「確かに……その…色々、思う所はありますけど……。でもそんな……勝手に勘違いしたのは私ですし……。そんな筋合い……ありませんよ…。」小さく語尾。
誰かに敵意や悪意をぶつけるなど、襲われでもしない限り、やれと言われて出来るものでもなかった、それも恩のある友人に。

迦具楽 >  
「……そう、それは、残念ね」

【添えていた左手も、いつの間にか弱くなっていた右手の拘束も解き、両手とも離した】

「思うところはあっても――私にはその気持ちをぶつける価値もなかったのね」

【そうわざとらしく目を伏せて、大げさに肩を落とし落ち込んで見せると、ゆっくりと、非常に緩慢な動作で、背を向けようとする】

サヤ > 「あ……あっ……。」不自然なほどの動作に、あっさりと騙されて、宙に手を伸ばした。

「わ、わかりました。言います、言いますから……待ってください…。」追いすがるように、懇願の声。

迦具楽 >  
「…………」

【あっさりと騙されるサヤに、本当に素直で可愛い子犬みたいだと思いつつ。
 呼び止められれば振り向く動作をやめて、言葉を待つように黙って赤い瞳を向けた】

サヤ > もじもじとまた指先を合わせ、弄ぶ。どうしても言わなければいけないようだ。
「あう……えと……その……。か、迦具楽さんの……」一旦言葉を止め、覚悟を決めるために、息を吸う。
「迦具楽さんの……馬鹿ぁっ!あんぽんたん!私、ずっと心配してたんですから…!ずっと、死んじゃってたら私のせいだって……!
ご飯も喉を通らなかったのに……!見つけたら、イチャイチャしてて……!首輪のことだって!私、本気だったのに……!!
嘘つき!嘘つき!!」言ってくる内に、段々とタガが外れて来たのか、溜め込んできた不満をぶちまける。

サヤ > 「嘘つきーーー!!!」
サヤ > 一際大声で、とにかくそれが我慢ならなかったらしい。

「これで…いいですか…。」言い終われば、恥ずかしそうに口元に手を当てる。

迦具楽 >  
「……わぁお」

【きっと、はじめて聞いただろうサヤの渾身の一声に、僅かにめまいを感じながら。
 すぐに恥ずかしそうな普段の調子に戻ってしまう少女に、笑みを浮かべてしまう】

「サヤ」

【そんな、場面にそぐわない笑みを隠すように。
 名前を呼び両手を伸ばして、抱きしめようとする】

サヤ > 言えと言われたから言ったのだが、言い過ぎたかもしれない。
怒られたらどうしようかと、少し怯える。笑ったのも怖い。

名前を呼ばれ、ビクリとまた身をすくめるが、抱き締められたことに気付き。
「あ、えと……と、友達で居て……いいんです、よね……私。」石蒜と違って、サヤは体を触られることに慣れていない。頬を赤らめながら、ためらいがちに、確認する。
抱きしめ返すべきなのか、両手を伸ばしかけて、引っ込めたりとせわしなく動いている。

迦具楽 >  
「……うん。ごめんね」

【抱きしめ、頷きながら。
 ようやく”ごめんね”の一言を言えたことに、安堵した】

「酷い役目押し付けようとして、ごめん。
 自分の事が整理できてないからって言い訳して、真っ先に会いに行かなくて、ごめん。
 サヤが本気で考えてたのに、ソレをわかってたのにからかって、本当にごめん。
 ……あはは、これじゃあ、サヤよりよっぽど、私のほうが最低じゃない」

【一つ一つ、謝りたかった言葉を伝えて、自分のバカっぷりに笑って】

「……心配かけて、ごめんね。――ただいま、サヤ」

【そしてやっと最後に、一番言いたかった言葉を伝えることが出来た】

サヤ > 「はい……。」謝罪の言葉に、頷く。自分にも落ち度がなかったとは言えないように思えたが、謝罪とお礼は言い返すと行き場がなくなる、と教えられていた。行き場がなくなった言葉は、心のなかを彷徨い続けると。

「いいんです、生きていてくれましたから。
いいんです、今こうして会いに来てくれましたから。
はい、もうやめてください。私思い込みが激しいんです。
そう、ですね。迦具楽さんは酷いです。でも、きっとそれ以上に優しい人です。」
謝罪を1つ1つ、受け入れる。心のうちにわだかまっていたものも、言ってしまえばすっきりして、もう負の感情は無かった。

「おかえりなさい……迦具楽さん。」勇気を出して、その背中に手を回し、優しく抱き返す。悲しみでも怒りでもない涙が、一筋頬を伝った。

「良かった……本当に、生きていてくれて……良かった。」

迦具楽 >  
「……ありがとう、サヤ」

【心配してくれて。
 探してくれて。
 大切に思ってくれて。ありがとう】

「まったく、サヤは泣き虫なんだから」

【抱き返されるまま、僅かに体の角度を変え、頬を伝う涙を指先で拭う。
 そしてやんわりと両手を解き、ゆっくり体を離した】

「これからも、たくさん心配かけるとは思うけど……ヨロシクね」

サヤ > 「どういたしまして…。私からも言わせてください、ありがとうございます。」
生きていてくれて。
そばに居てくれて。
教えてくれて。ありがとう。

「すみません、でも嬉しくて。」体が離れれば、目をゴシゴシと擦ってから、薄く微笑む。

「私も、きっとご迷惑をおかけするでしょうけれど、よろしく、お願いします。」改めて、慇懃に頭を下げた。

「泣いたり大声出したりで…お腹空きましたね。お昼ご飯まだでしたら、一緒にどうですか。美味しいお店、見つけたんですよ。」
明るい声で誘う。

迦具楽 >  
「ふふ、じゃあそこはお互い様になるわね、きっと」

【迦具楽もまた、楽しそうに笑うと肩を竦めて】

「あら、奢ってくれるの?
 私は残念ながらお金なんて持ってないわよ」

【などと笑顔のまま、たかる気まんまんの発言をして最低具合をレベルアップさせていく】

サヤ > 「ええ、お互い様です。」相手の言葉を繰り返して、またニコリと笑った。

だが
「う゛……。」自動的に奢りとなって、その笑顔が曇る。

「い、いいですよ。まだそれなりに蓄えありますから。」今の手持ちだって何度か食事を取れるぐらい持ってきている、きっと大丈夫だろうと踏んで。

「じゃこっちです、多分迷うと思いますけど、それでも一時間以内には着けます。」と、通りの方へ先導しようとする。

迦具楽 >  
「わーお、さすが頼りになるなぁ。
 おっけーそれじゃあ案内ヨロシクね」

【そう、まんまと奢らせることにして、嬉しそうに後をついていく】

「……ああそうだ、サヤ。
 私と七生は、サヤが嫉妬するような関係じゃないからね。
 なんていうのかな、お父さんとか、お兄ちゃんみたいな、そんな感じだから」

【なんて後に続きながらも、言い訳じみたことを一応はと伝えておく。
 まあそんな誤解は、今更些細なことだろうとは思いつつ】

サヤ > 大体いつも、迷うことを前提の時間を言うと先導役を任されないのだが、頼りになるとまで言われて、誇らしげな様子。
「どうぞどうぞ、頼ってください。」

背後からの声に、肩越しに見返りながら「あ、そうだったんですか。じゃあ最初から勘違いだったんですね……恥ずかしい……。」と目をそらすように前をむいて頬を両手で押さえる。

「あれ、でも……じゃあつまり……」今、迦具楽さんはフリーってことだろうか、あわよくばあわよくば……。なんて妄想を加速させながらも、目的となる店とは全くの逆方向に向かっていることには気付かずに歩きつづけるだろう。

迦具楽 >  
「ねえー、まだ着かないのかしらー」

【そんな妄想に気づいているのか、気づいていないのか。
 とりあえず迷ってることには気づきながらも、からかいながら着いていったことだろう。
 どれくらい時間が掛かったかは時計を持たない迦具楽には知れないが……もし店にたどり着けたのなら。
 メニューを片っ端から絨毯爆撃する迦具楽に、サヤは悲鳴を上げることになる――かもしれない】

ご案内:「学生通り」からサヤさんが去りました。
ご案内:「学生通り」から迦具楽さんが去りました。
ご案内:「学生通り」に蜜村 みやびさんが現れました。
蜜村 みやび > 学園の一年、蜜村みやびは新聞部である。

今日は今日とて、平和に学園生活を終えての帰宅途中である。段々少しづつ涼しくなってきた帰り道であれば、気持ちが穏やかになるのも致し方ないこと。
そんな大通りを学生カバンを揺らして帰るのは、若草色のポニーテールを揺らした少女が一人。
え、なんで一人で帰るのかって? そんなの補習に決まってるじゃないですか!!
まあ、そんなこんなで、帰り道にあるクレープ屋に心を奪われる年頃の乙女なわけです。

「いやぁ、まさかこんなところのクレープ屋があるとは思いませんでした。……ええと、うっわ、メニューめちゃくちゃ種類ありますね。」

看板の前にしゃがみこんで、おおぉう、っと唸る。 

蜜村 みやび > 「そこのカッコいい店員さん、何がオススメですか?
あ、私めはですね、そこの学園にかよっています一年生、新聞部所属の蜜村、蜜村みやびと申します。
ええ、みやびは漢字ではなくひらがなのほーで。はいはい。
そうなんですよねー、私みやび、こういう時に悩んでしまってこの前メニュー眺めてるだけで30分経ってしまったんですよねぇ。

で、す、か、ら。 おにーさんにばしっとキメてもらおうと思いまして!」

しゅぱーっと立ち上がって、ナチュラルに店員さんに話しかける。
くるっと回ってウィンクまで決めて、お願いを一つ。
うざい系小娘。

蜜村 みやび > 「え、好みですかー?」

流石に店員も困ったのだろう、好みを尋ねてくる。まあ、こういう手合は慣れているのだろう。気にした素振りもないが。

「そうですねぇ、やっぱしみやびとしてはですね、男性ならいろいろな要素ありますけど、相応っていうんですか? 大人なら大人の渋さと厳しさ、それでいて穏やかな寛容さがあったほうがいいですし。 ちょっとした先輩なら少しヤンチャでも元気で引っ張ってくれるような人がいいですし。 年下であれば素直にこちらのいうことを聞いてくれて、それでいて男の子らしい強さが実はあるような感じがいいですよねー。」

頬に手を当ててんぅうー、っと唸りながら夢を語る女子、蜜村みやび14歳。

「で、女性であればやっぱし可愛さとエロさって大事だと思うわけですよ。こう、年上で厳しそうに見えて実は可愛いとか、年下で純真のように見えてエロいとかそういう?わかりますかね、ギャップというかこう………まあ何でもエロけりゃいいんですけど。」

夢どころか妄想を語る女子、蜜村みやび14歳。今日も元気。

蜜村 みやび > 「え、ああ。クレープの好みですか?」

当然訂正された。 ちぇー。

「そうですねぇ、まだまだちょっと暑いですし、アイスとかいいんじゃないかなーって思うんですよね。流石にアツアツのソーセージとか入れられたらうげーってなりますし。」

素直にそこは答えて、アイス系でお願いしまーす! と元気にお願い。
にこにこと笑って鞄を抱えている姿は、小さくて無害な女子生徒。


「ところでお兄さんは好みの女性ってどんなタイプなんですか?」

にひひ、っと笑って質問しにいく辺りは、有害。