2015/09/22 のログ
ご案内:「学生通り」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (本土では休日のようだが、ここは常世島)
(休む講義もあれば休まない講義もある)
(ので、ちょうど昼過ぎ辺りから暇になってしまった)
(空いた小腹を抱えて適当に店を見て回る)
商店街のほうが充実しているな。
(当然であった)

佐伯貴子 > (いつもならカフェ橘やニルヤカナヤに入って適当に済ませるのだが)
(他の新たな店を開拓したい気分もあった)
(とは言え商店街ではないので早々見つかるわけもない)
なんか新しい店ないかな…
(この島は新陳代謝が激しい)
(何か見逃してるかもしれない)

佐伯貴子 > (学生向けということで、小洒落た店や大盛り無料の店などが目立つ)
(異邦人向けのチェーン店なども見られる)
(じっくり見回せばいろいろな発見がある)
(こんな昼もいいものだ)
(空腹なのが難点だが)
どこかに入ってちゃっちゃと済ませてしまおうか…?

ご案内:「学生通り」に茨森 譲莉さんが現れました。
ご案内:「学生通り」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
ご案内:「学生通り」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
茨森 譲莉 > 普通なら休み、という日であっても、この常世島では必ずしもそうとは限らない。
授業は選択制であり、休みの人間も居れば、休みではない人間も居る。

休みの人間が幸せであるか、はたまた、
授業に出ている人間の方が幸せであるのかというのもまた、その人間それぞれによって違う事ではある。

特別授業が嫌い、というわけでもなく、特に友人がいるわけでもないアタシには、
暇を持て余さないという意味では祝日にも選択で授業を受ける事が出来るのはむしろ在り難い話であったりもするのである。

―――そんなわけで、午前中はたっぷりと授業を受けたアタシは、
人間の脳という無尽層にエネルギーを欲する怪物に捧げる贄を求めて、
ふらふらと似たような学生が犇めく学生通りを歩いていた。

カフェ橘やニルヤカナヤの料理は普通に美味しいが、
人間というのはあるいは猫よりも贅沢なもので、
数回も食べれば新たな味を探究しに行きたくもなるというものだ。

佐伯貴子 > (ちらちらと、店を物色したが、残念ながら隠れた名店などはない)
(その代わり、世界的に有名なハンバーガーチェーン店があった)
(本土でもよくCMを見るあの店である)
ここでいいか…
(一時期は値段が上がったり下がったり大変だったらしいが)
(この店はリーズナブルな価格である)
(世界一売れているのだから世界一うまい――ということは全く無いが)
(そこに入ることにした)
あ、ここで食べます。
フィレオフィッシュとポテトS、バニラシェイクで。
(無難なメニューを注文する)
(基本的に何事も無難な女であった)

茨森 譲莉 > それなりに時間が経ったとはいえ、未だ学園の地理に詳しいわけではないアタシは、
特に当て所なく足の向くままに歩いては、時折、その嗅覚を信じて鼻をひくつかせていた。

しかし、歩けば歩くほどにアタシのお腹は新たな贄を求めてきゅうきゅうと悲しげな声を漏らす。
店から漂ってくる匂いは確かに美味しそうではあるが、外とは違ったモノが出て来こられてしまうと困る。
いや、カフェ橘や、ニルヤカナヤのメニューを見る限り、
この常世学園という場所で出される料理というのは、さほど本土と変わるものでは無いようだが。

そんなわけで鼻を頼りに食料を求めて歩き回っていたアタシは、
ある意味では嗅ぎなれた、ある意味では残念な匂いを嗅ぎ取ってそちらに歩み寄った。

「……ハンバーガー2個、あとドリンクのLで。」

多いかなと考えながらも注文を済ませると、
「少々お待ちください」という声に従って横にそれる。
そこには、先に注文を済ませたと思われる少女が立っていた。
失礼ながらお盆の上に置かれたレシートを横目に見ると、無難なメニューが並んでいた。
………まぁ、普通の女子生徒、といった所だろうか。

にもかかわらず、少し変わった制服を着ているのが気になって、
失礼だとは思いながらも上から下へと視線が舐める。

所謂改造制服というやつだろうか、不真面目そうには見えないけれど。

佐伯貴子 > ん…?
この制服がそんなに珍しいかな?
(視線を感じて後から来た少女に声をかける)
この制服は風紀委員の制服だ。
まあこの島の警察官のようなものだよ。
(きっと、異邦人か転入生だろうと当たりをつけて、簡単で一方的な説明を済ませる)
(注文の品が乗ったトレーを持つと、席を探すが)
(たった今二人組の学生が立った席しかないようだ)
(二階席に行こうと思ったが、階段まで並んでいる)
…相席でいいか?
(振り返って少女に尋ねる)

茨森 譲莉 > 「風紀委員、ですか。」

この学園に存在する委員会の説明は入学書類を提出した時に受けていた。
確か、この学園に存在する自治組織の内の一つ、だったか。
風紀委員と言えば着衣の乱れを注意するとかそういったイメージがあるアタシは、
思わずだるーんと緩まっていたリボンをぐい、と上に上げた。

―――ごくり、と唾を飲む。
別に後ろめたい所が無くても、なんとなく警察官というものは身をこわばらせるものだ。

「……はい、構いませんよ。」

相席。飲食店が外に比べて圧倒的に満員になりやすいこの学園では、
一般的な文化として浸透しているらしいという事を以前に聞いた事を思い出しながら、
アタシはこくりとその風紀委員の少女に向けて首を振った。

佐伯貴子 > ははは、転入生みたいだな。
そんなに緊張することはないよ。
本土の風紀委員とは違って、スカート丈をチェックしたり持ち物検査をしたりすることはないからな。
(そもそも制服があってなきが如しの学園にとってそんなチェックは不要である)
君が犯罪を犯していなければ特に緊張する必要はないよ。
(そう言って微笑むが、果たして効果はどうだろうか)
(席に座ると早速バニラシェイクを一口)
うむ、まだ昼間は冷たいものが美味しいな。
私は2年の佐伯貴子。君の名前を聞いてもいいかな?
もちろん風紀…「警察」に言いたくなければ言わなくても誰も咎めないよ。
(できるだけスキだらけの様子でストローを加える)

茨森 譲莉 > 「それなりに長くはなったんですが、まだひと月は経ってないですね。
 ………それなら、リボン緩めてもいいですか?」

自分の素性をなんとなしに話しつつ、
目の前の彼女につられるように自分も白ブドウジュースに口をつける。
口の中に広がる爽やかな甘みが嫌な唾を喉の奥へと追いやり、
雨上がりから一日経過した砂場程度には乾いた口が潤ったのを確認してから、口を開く。

「茨森譲莉、シノモリユズリ、1年です。」

警察に名前を言いたくないという人間がこの学園には居るという事か。
案外、名前が分れば居場所が分かるとかそういった類の異能者でも居るのかもしれない。

………さすがにそんな事はないか。

「スカートの丈をチェックしたり、持ち物検査をしていないなら、
 この学園の風紀委員というのは一体何をしているものなんでしょうか。」

一応説明は受けてはいるが「警察のようなもの」だとか「自治組織」だとか、
そんなレベルの認識でしかない。

折角、本人と相席になったのだから、聞いてみるのも悪くないだろうと、
ハンバーガーの包み紙を開き、一口目の歯型をつけながら首を傾げた。

佐伯貴子 > それなら慣れてなくてもしょうがないな。
もちろん、聞く必要なんて無いよ。
(気さくに、とはいかないが、できるかぎりやさしい口調で)
茨森だな、よろしく。
(早速ハンバーガーの包みを開けてかぶりつく)
(いつも思うのだが、この白身魚はなんという種類の魚なのだろう)
(警察に名前を言いたくない、とは無理強いするわけではないという意味だったが)
(相手がどこまで深読みしているのかはわかるはずもない)
風紀委員は…犯罪に対処する委員会さ。
異能や魔術というのは、一つ間違えれば銃や日本刀よりよほど危険なのは知っているよな?
そんな犯罪者たちを取り締まるのさ。
公安委員会というのもあって、そっちは犯罪を未然に防ぐのが主な仕事かな。
(ハンバーガーを咀嚼する合間にそんな説明をする)
委員会所属は給料が良いよ。
調べてみると面白いかもしれない。
(そんな言葉を、冗談のつもりで言うが)
(特に面白くはないだろう)

茨森 譲莉 > 佐伯先輩の説明を聞くと「ありがとうございます。」と頷いた。
つまり、異能や魔術を悪用する人間がいると困るから、
それに対処したり、未然に防ぐような活動をしている団体が居る、という事だ。
それなら、この平和にも頷ける。……きっと、さぞ強い異能者が居るんだろう。

「力に対する抑止力は結局力なのだ」とアタシは思う。
自分の常識が通用するような団体が存在する事が分かって少し安心した。

「………給料が、出るんですか?」

委員会活動で給料が出るとは。
しかも「いい」給料が出るとまで来てる。
さほど長い時間滞在するわけではない以上、アルバイトとかをするわけにもいかないものの、
さすがは学生の町というだけあって色々と魅力的なモノの並ぶ商店街を見た後だと、
その「いい」らしい給料には魅力を感じざるをえない。ごくり、と唾を飲んだ。

「いい」らしい給料を受け取ってるにしては、随分と庶民派な昼食ですね。
等と無礼を働くのはやめておくことにして、ハンバーガーを口に運ぶ。

ポテトは見てるとなんだか食べたくなるのだが、1本貰っても怒らないだろうか。

「なんで委員会活動なのに給料が出るんですか?
 それほど人員に困るような仕事をしているんでしょうか。」

もきゅもきゅとハンバーガーを咀嚼して飲み込む。
慣れ親しんだ味は、この場所で食べてもなんら変わりない満腹感をアタシに与えてくれた。

佐伯貴子 > ちなみに私には戦闘能力はないよ。
(さらりと言ってのけた)
給料と単位がもらえる。
(相手の視線を感じ、ポテトを二人の間に横向きに寝せる)
(お好きにどうぞ、と)
人員に困るというか、単純に仕事内容がそれだけハードなのさ。
私のような風紀委員だったらそれだけハードだし…
時には命がけで戦うこともある。
鉄道委員会だったら1秒の遅れもなく列車を走らせなければならない。
生活委員会だったら、この島のライフラインを支えているのだから…
雨が降ったら治水に駆りだされ、建物が新築したら書類に追われる。
まあ、ここが「学園都市」と言われる所以かな。
(ハンバーガーを食べ終わり、ポテトをつまみながらシェイクを飲む)
(元々軽食を取りに来たのだからこれくらいでちょうどいい)
夜勤もあるし講義に出れないこともある。
年齢の割に責任が伴う。
だから給料が良いのだろうさ。
(そこが、普通の学校とこの学園の違いであった)

茨森 譲莉 > 横向きにされるポテトを見て顔が熱くなるのを感じる。
どうやら、アタシの顔にはそれ一本貰えないですかとでかでかと書いてあったらしい。
すみません、頂きますと一本手に取ると口に運んだ。

店によって塩加減には差があるが、どうやらここの塩加減は適切らしく、
その適度な塩見に喉の渇きを感じたアタシはジュースをごくりと飲み込む。
さて、次の一本に手を伸ばそうという所で、ポテトにはケチャップをつける派なアタシは、
佐伯先輩はケチャップは貰ってないんだろうかとトレーの上を探した。

「命がけ?命を取るような異能者もこの学園には通っているんですか?」

それなら随分と恐ろしい話だ。
刀とか銃とかより危ないような力を持って、人を殺そうとする殺人鬼がうろついている学校。
こんな場所に居られるか!アタシは島の外に出させて貰う!!等と言えば恐らく死亡フラグが立つ。

一応、他の話は何となく分かる話ではある。
この常世学園という場所は全て学生が運営している、という事だろう。
先生も居る事にはいるが、基本的には学生が主体になってこの場所を作っている。
とはいえ、人殺しがうろついているというのは少し物騒すぎないか?
ちゃんと審査とかないんだろうか。………こう、ダメそうだったら未然に入るのを防ぐみたいな。

「そういう人が居るなんて、皆、怖くはないんでしょうか。」

思わず、ハンバーガーを口に運ぶ手が止まる。

佐伯貴子 > どうぞ。
(フライドポテトの一袋や二袋、分けて食べないほうがけち臭い)
それが複雑でな…
この島はよほど居心地がいいらしく、「学生でないもの」もいたりするのさ。
人を殺すようなのはだいたいそんな連中さ。
で、皆を怖がらせないように、風紀委員はこんな制服を着て歩いているというわけさ。
(上着が赤いのが特徴の制服の襟を正してみせる)
本土よりは物騒かもしれないな。
でも、もしもの時は風紀委員に連絡すれば大抵なんとかしてくれる。
携帯通信機があったら委員会の番号を入れておくといいよ。
ま、滅多なことでは人殺しにお目にかかることはないけれどね。
(バニラシェイクを啜ると、ズズズ、と音がする)
ごちそうさまでした。
私の話はこんなところかな。
そうそう、生徒に利益のある部活動は、部活なのに給料がもらえたりするからチェックするといいよ。
もっと詳しく知りたければ学園のサイトに学生IDでログインすれば見れるし…
(ちょっと考えてからトレイを持って席を立った)
深く知りたいなら、いくらでも方法はあるがおすすめしないな。
なにせ、この島には裏表がある。
君のような生徒にはなるべく「表」にいてほしいからな。
(微笑むと)
こういう場合は私が奢るのが習慣なのだが、先払いなのが恨めしい。
じゃあな、茨森。
また会ったら、その時は奢ろう。
(軽く手を振って、その場を後にするのであった)

ご案内:「学生通り」から佐伯貴子さんが去りました。
茨森 譲莉 > ポテトを運んではもごもごと咀嚼していると、彼女は一通り話を終えて立ち上がる。
クールな印象に寄らず饒舌なようで、色々と興味深い話を聞かせてくれた。

携帯には委員会の番号を入れておく、利益のある部活動は給料が出る、
あとは、……もしもの時は風紀委員会に頼る。か。

公安委員会のほうは佐伯先輩が言うには、未然に防ぐのが目的らしいし、
それを考えれば、頼るのは必然的に風紀委員になるか。
佐伯先輩が襟を引く赤い制服をしっかりと脳に焼き付けておく。

もしもの事なんて正直、無い方がいいのだけれど、いかなる状況であれ、
先生と同様にその服を着ている人間が居たら信用してもいい、という事だ。

「色々答えて下さってありがとうございました。
 ………ああ、いえ、それは悪いですから。すみません。」

涼しげに微笑み、立ち去って行く佐伯先輩を見送った後、
まだ開けてすらいないもう一つのハンバーガーを恨めし気に眺める。
佐伯先輩のご好意によって少なくとも半分ほどは胃に納まったポテトは、
アタシの胃で我ここにありと凄まじい存在感を主張していた。

ハァとため息をつくと、それをトレイに敷かれていた紙で雑にくるみ、鞄に放り込んで、
トレイを持って立ち上がる。………鞄、ハンバーガー臭くなったらどうしよう。

「表と裏、ね。」

「ある」と言われれば気になるのが人情というものだ。
パンドラの箱は開けたくなってしまうし、赤い果実には口を運びたくなってしまう。
もっとも、裏側に立ちたいとは思わないというのは当然、アタシの願いでもあるが。

アタシは鞄を持ってポケットに手を突っ込むと、返却口にトレイをガシャンと投げ返した。

ご案内:「学生通り」から茨森 譲莉さんが去りました。