2016/06/03 のログ
ご案内:「学生通り」にウィトサーレさんが現れました。
ウィトサーレ > 夜も更け,ひとけのなくなってきた学生通りに,静かな音色が響く。
リュートをかき鳴らしながら歩いているのは,妙に派手な服を着た男。

「闇夜を飾りし宝玉落ちて 煌めくその火は刹那に消ゆる
 されども刹那の炎は燃えて 汝がその目に焼き付き見ゆる」

頭上には満天の星空…そして,いま,流れ星が一筋,煌めいた。

ウィトサーレ > 通りの真ん中を,にゃんこが歩いている。
どこから持ってきたのか,煮干しを咥えているようだ。
リュートをかき鳴らす手を止めて,視線をそちらへじっと向ける男。

「………………。」

猫はどういうわけかこの男にまだ気づいていない。
ゆっくりと近づく男。足音は全く聞こえないだろう。

ウィトサーレ > 距離をだんだんと詰めていく。
にゃんことの距離が1mを切ったあたりで,男が動いた。

「……ナーォ。」

完璧すぎる声帯模写である。
にゃんこはそりゃもう“ビックゥッ!!”って感じでだいぶ驚いてダッシュしていきました。

サーレさんは煮干しをかくとく!(ぺっぺれー

ウィトサーレ > と言っても、この煮干しを何かと交換できるようなシステムではないし,
匂いを嗅いでみるけれど,食べたいとはさすがに思わない。
どうしようか迷った挙句に……

「海より来たりて捕らわれ朽ちて ムンディルファリの子ソールに屈す
 その身に湛えし雫は消えて 汝はその身を醜く窶す」

……そうとだけ歌って,ポイしました。
にゃんこは奪われ損です。

ウィトサーレ > ……ポイしたんだけれど、やっぱり気になったサーレさん。
煮干しの落下地点まで歩いて行って、再び拾い上げました。
ちょっと考えてから、何かを思いついた顔。

帽子を飾っているリボンから細い1本の黄色いリボンを抜き取って…

「♪~」

…楽しげに鼻歌を歌いながら,煮干しを綺麗にデコっていきます。
そりゃもう手先は器用です。小さなバラみたいなのができました。

芯はにゃんこから奪い取った煮干しですが。えぇ。

ウィトサーレ > バラの真ん中から、ぺっぺれー!って感じで煮干しの頭が見えています。
そんなシュールすぎる完成品を見れば,満足気に頷いて。

「……………。」

ポイしました。興味が持続しません。

ウィトサーレ > 静かな旋律が闇夜に響きます。
近所迷惑とか気にするような人にはどう見ても見えません。

「遠き地離れてこの地に至り 闇夜に歌いて闇夜に奏づ
 この目に焼き付くすべてを歌い この手に掴みし全てを奏づ」

明るくなったころ、あのニボシローズを拾い上げる人は居るのでしょうか。
それはまた、きっと、別のお話。

ご案内:「学生通り」からウィトサーレさんが去りました。