2016/06/03 のログ
ご案内:「学生通り」にウィトサーレさんが現れました。
■ウィトサーレ > 夜も更け,ひとけのなくなってきた学生通りに,静かな音色が響く。
リュートをかき鳴らしながら歩いているのは,妙に派手な服を着た男。
「闇夜を飾りし宝玉落ちて 煌めくその火は刹那に消ゆる
されども刹那の炎は燃えて 汝がその目に焼き付き見ゆる」
頭上には満天の星空…そして,いま,流れ星が一筋,煌めいた。
■ウィトサーレ > 通りの真ん中を,にゃんこが歩いている。
どこから持ってきたのか,煮干しを咥えているようだ。
リュートをかき鳴らす手を止めて,視線をそちらへじっと向ける男。
「………………。」
猫はどういうわけかこの男にまだ気づいていない。
ゆっくりと近づく男。足音は全く聞こえないだろう。
■ウィトサーレ > 距離をだんだんと詰めていく。
にゃんことの距離が1mを切ったあたりで,男が動いた。
「……ナーォ。」
完璧すぎる声帯模写である。
にゃんこはそりゃもう“ビックゥッ!!”って感じでだいぶ驚いてダッシュしていきました。
サーレさんは煮干しをかくとく!(ぺっぺれー
■ウィトサーレ > と言っても、この煮干しを何かと交換できるようなシステムではないし,
匂いを嗅いでみるけれど,食べたいとはさすがに思わない。
どうしようか迷った挙句に……
「海より来たりて捕らわれ朽ちて ムンディルファリの子ソールに屈す
その身に湛えし雫は消えて 汝はその身を醜く窶す」
……そうとだけ歌って,ポイしました。
にゃんこは奪われ損です。
■ウィトサーレ > ……ポイしたんだけれど、やっぱり気になったサーレさん。
煮干しの落下地点まで歩いて行って、再び拾い上げました。
ちょっと考えてから、何かを思いついた顔。
帽子を飾っているリボンから細い1本の黄色いリボンを抜き取って…
「♪~」
…楽しげに鼻歌を歌いながら,煮干しを綺麗にデコっていきます。
そりゃもう手先は器用です。小さなバラみたいなのができました。
芯はにゃんこから奪い取った煮干しですが。えぇ。
■ウィトサーレ > バラの真ん中から、ぺっぺれー!って感じで煮干しの頭が見えています。
そんなシュールすぎる完成品を見れば,満足気に頷いて。
「……………。」
ポイしました。興味が持続しません。
■ウィトサーレ > 静かな旋律が闇夜に響きます。
近所迷惑とか気にするような人にはどう見ても見えません。
「遠き地離れてこの地に至り 闇夜に歌いて闇夜に奏づ
この目に焼き付くすべてを歌い この手に掴みし全てを奏づ」
明るくなったころ、あのニボシローズを拾い上げる人は居るのでしょうか。
それはまた、きっと、別のお話。
ご案内:「学生通り」からウィトサーレさんが去りました。