2016/08/07 のログ
ご案内:「学生通り」にラウニーさんが現れました。
ラウニー > 「ふう、大分遅くなってしまった……」
銀色の髪を揺らしながら、少女は足早に学生通りを歩いていた。

彼女は今日初めて、常世学園に足を踏み入れた。
一通りの説明を受け、軽く授業に参加し、目についた施設を見学する……
そんなことをしているうちに、とうの昔に日は暮れ、もう深夜に近い。

ラウニー > 「早く帰らないと師匠に怒られてしまう」
そう言いながら、キョロキョロと周りを見渡す。
居住区に借りた住居からと学園への道のりはしっかりと頭に入れてはいるものの、新たな土地での不安は拭い切れない。
なるべくゆっくり、ゆっくりと歩を進める。

夜の街をゆるりと進むのは不安もあったが、ただそれだけではなかった。
この常世学園で目にする物はラウニーにとっては新鮮なものばかりで、いちいち足を止めては観察をし、紙を取り出してはそれをメモする。
そんなことをしているので、一向に居住地につく様子はない。

ラウニー > 高いビルに、夜でも煌々と光りを放つ飲食店。
それらはラウニーの元いた世界にはなかったものだった。

新たな世界のことを精一杯吸収しながら、一日を過ごす。
確かにここならば『この世界でしか得られないもの』を見つけることは容易だろう。
「それが何なのかは師匠は教えてくれなかったけど…」
ラウニーは溜息をつきながら、再度周りを見渡す。

ご案内:「学生通り」にカルマさんが現れました。
カルマ > タバコをふかし、誰もいないであろう深夜の学生通りをだらだらと歩く男が一人。
何度目かの留年を避けるため、不良生徒の彼にしては珍しく、自教室に夏休みの課題を取りに行っていたのだ。

「はぁ~あ、だっるいぜぇー・・・」

そんな愚痴を零していると、人影が目にとびこんできた。

こんな時間に人がいるらしい。
教師だったら困るなと思いつつも、彼女に近づいていった。

「こんな夜に何してんの?」

ラウニー > 「え……」
唐突に声を掛けられ固まる。
声の方向に目をやると、背の高い男が立っていた。
失礼にならない程度に相手を観察する。
服装や立ち振舞からみて、どう見ても『真面目な生徒』ではないことが伺える。
今日だけで色々な人を見てきたが、やはりこのような格好をしたものは余りいなかったように思える。

ただ、もともとこの世界の住人ではないラウニーには、それだけの情報で彼のことを判断することはできなかった。

(まぁこういう格好が流行ってるのかもしれないし……
 人を見た目で決めつけるのは良くない、か)

「学園から、家に帰るところです」
相手が危険人物である可能性もあるので、
軽く切り上げられるように、端的に言葉を返す。

カルマ > 相手の反応を見るに、流石に警戒されているようだ。
そこで彼は人当たりの良さそうな笑みを浮かべた。
タバコもすぐさま携帯灰皿に突っ込み、明るい声で話しかけてみる。

「そーなんだ?夜中まで勉強?大変だねー。実は俺もそうなんだ。
ね、深夜に女の子が一人じゃ危ないし、家どこ?途中まででも送ってこーか?」

と、親切ぶって提案してみる。

ラウニー > 教えても良いものだろうか。危険はないだろうか。
『家がどこか』と聞かれ、ラウニーは少し逡巡する。
しかし少なくとも、目の前の男の笑みからは『悪意』は感じられない。
それに周りがこれだけ明るければ、何かあったとしても大声を出せばなんとかなるだろう。
最悪、自衛手段がないわけでもない。
それにコレも経験となるだろう。

「……では、お言葉に甘えます。向こうの通りまでお願いできますか?」

暗に『家の場所を教えるつもりはない』という意味を含めて、ラウニーは彼の提案を受け入れる。

カルマ > 警戒が多少なりとも解かれたのだろうか?少し意外な反応だ。
目の前の少女が同意してくれたならば押さない手はない。

「おっけ!じゃー歩きながらちょっと話そーよ。
俺はカルマって言うんだ。キミは?」

そう言ってからゆっくりと歩きはじめる。
自分から名乗ることにより、話しやすくするいつもの作戦だ。
彼は心の中でニヤリとほくそ笑むのだった。

ラウニー > 「私はラウニーです。少し前に居住区に越してきて、
 今日はじめて学園を見たところです」

名もあまり名乗るつもりはなかったが、相手に自己紹介されては仕方がない。
何も話さないというのも気まずいので、軽く話題を降る。
この時点でカルマの術中に嵌っているのだが、ラウニーには気付く素振りはない。

「カルマさん、も学生ですか?
 今日の昼には学園では見かけなかったですが……」

一部では授業も行われているが、今は本来は夏休みだ。
学園にいる生徒は限られているのだが、学園の常識のないラウニーにはそれがわからない。