2017/02/24 のログ
■冬夜 > 「別にいいよ。
どうせ暑さも寒さも感じないから、ナツキに見られるだけならどんな服装でも。」
へらっと笑いつつ結構重要なことを言い放つ。
見た目は人間に見えても、その実は魔力生物なのだ。そこら辺はやはり人外ということだろう。
ちなみに注意した店員は、良いんですよよくありますからなどと言いながら去っていった。
おそらくこの世界の常識を持っていない人がたまにやるのだろう。
「そう?そう言われると、なんだろうね。…いい気分かもしれない。」
服を伸ばす夏希の頭を見ながら、えへへと笑う。
その顔はどうにも、正直人間より人間臭い、ただの子供のようにも見える。
「この服、気に入ったかも。ナツキに褒めてもらえたしね」
■東瀬 夏希 > 「まあ、そういうのならば簡易的なものにしよう」
とは言え全裸にさせるのはよくない(夏希的に)ので、適当なパジャマをぱぱっと3着ほどチョイス。
店員には改めて頭を下げつつ、今後細かい事を教えていかないとなと決意。
「うむ、悪くない。そうだな、似合っている」
こくこくと頷きながら。全体に違和感がないのは、似合っているといってもいいだろう。
「なら、それとこのパジャマと、予備のこれにしようか。他に必要なものは……衣服では、無かったな?」
確認。確かなかった、ハズ。
■冬夜 > 「はーい。正直裸とかでも別に僕はかまわないんだけど…
ナツキは怒るよね?」
流石にそこら辺の知識がないわけではないようだ。
ところどころ虫食い穴状態だが、常識は多少はある。多少は。
「ありがとう。
えーと、今のところは……あっ、そうだ。」
ぽん、と手を打つ。そういえば、いちばん大事なものを忘れていた。
「確か下着も買わないといけないんじゃない?」
■東瀬 夏希 > 「うむ、怒る。と言うより困る」
大真面目に頷く。
流石に男性型の存在が目の前で全裸では目のやり場に困る。と言うかどうしていいかわからない。
「……あ」
そして、下着を忘れていた事に気付き、硬直。
服ばっかりを考えて、すっかり失念していた。
「しまったな……ううむ、しかし、そこまで細かく考えなくていいか……?」
女性型であれば、それこそブラジャーなどをかなり真剣に考える必要がある。夏希は毎度それで困っている。デカすぎるからだ。
だが、男性であれば、市販のそれっぽいものを適当に用意するだけで大丈夫……だと、思う。
■冬夜 > 「困るの?
…そういうことなら困らせるのは嫌だし、やめておくよ。」
ふむー、と考え込む。
正直考え込む必要があるほど深刻な問題でもない気がするが。
「ん、僕は構わないよ。安くて丈夫なものならなんでも。
別に人前で見せるようなものでもないし。」
とことんまで無頓着であった。
とはいえ、本当に特に拘りはないようだ。サイズが適当なものを見繕えばそれで済む。
女性型でなくてよかったと思うべきか、男性型だったことを呪うべきかは夏希次第。
■東瀬 夏希 > 「ああ、困る」
大真面目に頷く。
夏希も夏希で変な気はするが。
「うむ、ならばサイズを確認して、何枚か……あ」
ふと気づく。
……冬夜のパンツのサイズを、把握していない。
しかし、そこに下着を当てに行って確認するのは、何とも気恥ずかしい。
だからと言って、店員に頼むのも…
■冬夜 > 「……?どうかした?」
首を傾げて、動きを止めた夏希を見る。
何を考えているのかと不思議そうな表情だ。
目算で言えば、MかS。伸縮性のあるものなら、さほど気にしなくても良いかもしれない。
…だが、間違っていたら目も当てられないのも確か。ノーチェックで買いに行くのは、多少なりともリスクを伴う。
まぁ本人に頼めば、そこら辺の店員を捕まえて測ってもらいに行くかもしれない。たぶん。
■東瀬 夏希 > 「いや、下着のサイズを、確認し忘れていてな……」
困り切った顔で口にする。
腰回りを一瞥するが、変に意識してしまったのか目を逸らす。
「私が自分で確認するのも気恥ずかしくてな……自分で確認して貰えないか?」
■冬夜 > 「ん、いいよ。
……なんだか困らせちゃったかな、ごめんね?」
そう言って、くるっと向きを変えて下着売り場へ向かう。そこら辺の店員に声をかけ、手伝ってもらうように頼む。
そのまま、向こう側の試着室へメジャーなどを持った店員が消えていった。
「測ってきたよー。
あと、これがおすすめだって。」
その後、数分もしないうちに冬夜は幾つか下着を持ってきた。
店員についでにおすすめされた商品らしい。
■東瀬 夏希 > 「いや、いい。忘れていた私が悪い」
そう言いながら冬夜を見送る。まあ、自分以外の人間と話すのも必要なことだろう。
そして少し待って、戻ってくる冬夜を迎える。
「そうか、おすすめを貰えたのならばそれにするのが手っ取り早いだろうな」
そう言いながら、そのおすすめされた商品を受け取って籠に入れようとする。
■冬夜 > 「分かんないって言ったら丁寧に教えてくれたよ。
きっと、分からない人もいっぱい来るから慣れたんだろうね。」
はい、と籠の中へ下着を放り込む。
…この店だけでも、様々な存在が一つの繋がりの中で活動している。
ヒトもワーウルフも妖精も妖怪も、人として生きるがために人として振る舞っている。
そこには種の壁はなく、ただそこにいる存在として生きている。
「買い物って、良いものだねぇ。」
まるで達観したような口調で、しみじみと呟く。
じじくさい。
■東瀬 夏希 > 「そうだな。きっと、その店員の方が、私たちよりたくさんのことを知っているのだろう」
小さく笑いながらレジに運んでいく。
少し見渡せば、数日前なら「殺すべき異端」とみなしていた存在がたくさんいる。
世の中は、自分が思っていたよりももっともっと、混然一体としていたのだ。
「そうだな、良いものだ」
会計を済ませた後、そう答える。
……こういう日常も、悪くない。
■冬夜 > 「ん。今日は楽しかった。ありがとうね、ナツキ。
こういうの初めてだから、正直ちょっと不安だったんだ。見せないようにはしてたけど。」
あはは、と笑いながらその後ろに付いていく。
この存在にも、不安という概念はあったようだ。
「でも、思いすごしだったね。すごく良いものだったよ。
…また来てもいいかな?今度は他の店にも行ってみたい。」
そんな他愛もない話を流しながら、日常は過ぎていく。
きっとその流れは残酷だが、決して非道ではないのだろう。
■東瀬 夏希 > 「正直…私も不安だったのだ。互い様だな」
小さく笑う。
実際、彼女も不安だったのだ。異端だらけの場所。ほとんど経験のない衣服の買い物。
どうすればいいのか不安ばかりであったが……案外なんとかなるものだ。
「そうだな。折を見て何かしらの買い物を繰り返していこう。
そうしているうちに、学べるものも多いだろうからな」
なんとなく。
なんとなくだが、今までよりは、目に映る風景が色鮮やかに思えた。
ご案内:「学生通り」から東瀬 夏希さんが去りました。
ご案内:「学生通り」から冬夜さんが去りました。