2017/05/02 のログ
ご案内:「学生通り」に暁 名無さんが現れました。
■暁 名無 > 世間はゴールデンウィーク。特大連休真っ盛り。
常世学園教師陣も連休を思い思いに過ごしてるなか、俺は連休徹して予定なんざ無かった。
まあ、実家に帰ろうにも実家は無く、恋人と過ごそうにも恋人は居ない。
案外授業ってのは良い現実逃避の場になってたんだなあ、
と半年ちょいを振り返ってみてしんみりしたりしてたのが、昨日。
流石に何日も続けてしんみりしてたら頭にキノコか何か生えて来そうだったので、たまには外に出てみた次第だった。
「まあ分かっちゃ居たが、そこはかとなく人、少ねえな。」
何となくで足を運んだ学生通りをぶらぶら歩く。
5月の頭の連休でこんな島が観光地としてフィーバーする事も無く、通りはややがらんとしていた。
■暁 名無 > 「何つーか、期待してたわけじゃねえんだが。
家族仲が良くなくてせっかくの連休だってのに家に帰り辛く友達はみんな実家に帰ってるし暇と若い身体を持て余した俺好みの生徒とか居ないかと思ったんだが……」
どうやら大幅に望み薄のようだネ!
そんな冗談を言う相手も居らず、庇の上で初夏の陽気に満足そうに昼寝をする猫がこちらを見ただけだった。
うーん、なるほど。これが虚しいって奴だな!
知ってる知ってるとも、むしろこの感情だけが友達と言っても過言じゃあない。
「……はあー」
虚しさクンが常日頃見守っていてくれることに涙を禁じ得ない俺は、
腹立つくらい晴れ渡った空を仰いで溜息を溢したのだった。
ご案内:「学生通り」に和元月香さんが現れました。
■和元月香 > ゴールデンウィーク。
こちらも同じく、実家には顔を出せぬ身。
てか顔も見たくねぇわとも言いたげな吹っ切れた笑顔を浮かべた月香は、
学生通りを明らかに暇そうに散歩していた。
遠目に見たカップルには爽やかに中指を立てながらも、ずっと笑顔だ。
(いや~~~~~……。暇だ!)
…前方に見える男性も何やら自分と同じく暇そうである。
(はて、誰だっけ?知らんね)
一瞬で結論に辿り着き、まじまじとその男性を眺める。
教師かもしれないなぁなどと軽い調子で予測を立てながら。
■暁 名無 > ぼけーっとしているのもいい加減飽きてきた俺は、上着の胸ポケットから煙草を引っ張り出す。
先月の給料で、昨日3カートン大人買いしたからまだまだ余裕だ。きっと来週までは保つ。保つと信じたい。
「やっぱ天気のいい日はこれに限るわなぁ……」
一本咥えてさて火を着けようか、ってタイミングで視線を感じた俺は、何事かと身を竦めた。
はて、誰ぞに喧嘩を売った覚えは無い。酔った勢いで何か面倒な事をしているかもしれないが、正す筋は正したはずだ。
となると例の借金か、それとも……
「……って何だオイ。」
むくつけき借金取りを想定しつつそれとなく視線を辿れば、
何のことは無い、女生徒がこちらを見ているだけだった。思わず安堵のため息が漏れる。
■和元月香 > 「…どうも~」
男の視線がこちらに向くと、
月香はにこりと笑みを深めて軽く頭を下げる。
煙草を取り出した男にちょっと片眉を上げたものの、
次の瞬間には何事も無かったかのように男に歩み寄った。
「別に何も用は無いっすよ!
まぁ、私以外にもこんな連休にオヒトリサマがいるんだなーって思っただけです!」
もしかしたら心に刺さるかもしれない言葉を満面の笑顔で言う。
月香はぼっちはちょっと空しくなるが辛くは無いので平気そうである。
しかし、振り向いた時見えた例のカップルにはまた爽やかに親指を下げていた。