2017/11/21 のログ
ご案内:「学生通り」に藤巳 陽菜さんが現れました。
■藤巳 陽菜 > 常世祭。
多くの屋台が立ち並び様々な食べ物の匂いが漂ってくる。
学生が出している店からプロが出した本格的な物まで様々な店。
そこを行くのは蛇の下半身を持つ少女。
島外からの来訪者が多い常世祭の期間中、もの珍し気な視線を向けられる機会も増えていたが今に限っては気にならない。
「はあ…。」
今の陽菜の心を占めていたのはそう…空腹感だった。
■藤巳 陽菜 > 常世祭の期間中陽菜が良く利用している魔法薬の材料の店ではセールが行われている。
学生街の端に位置するその店は異邦人街や歓楽街と言った辺りまで足を伸ばさずに材料を揃えることが出来る為非常に重宝していた。
値段は少しだけ他の店より割高で便利さを考えれば全然問題ない額であるがセールを逃す手はない。
そうして学生街まで出てきたもののそこに出ていたのはいくつもの屋台。
そこから漂う匂いを嗅いでしまえば陽菜を襲うのはあれらを食べたいという欲望…。
(いや、耐えるのよ私。お昼ご飯もさっき食べたばかりじゃない…。
確かに気にはなるけど…今は耐えないと…。)
視線を下に向けて屋台を見ないようにしながらその横を通り過ぎる。
■藤巳 陽菜 > …そこから少し進めば漂ってくるのは甘い匂い。
そこにあったのはクレープの屋台…。
(そう言えばしばらく食べて無いな…。
少しくらいならいいわよね…。)
フラフラと列に並びそうになる自分を何とか制し後ろを向く。
(いつも全然少しくらいで済まないじゃない!
こんなところで買い食いしてたら着くまでに材料を買うお金もなくなるわよ…。)
『異邦人のお嬢ちゃん一つどうだい?』
「いえ、結構です。お昼ご飯食べたばかりなので…。」
迷っている様子に店の主人が話しかけてくる。
それを切っ掛けに先へと進む。
(…というか私はは異邦人ではないのだけど。)
ご案内:「学生通り」に筑波 察さんが現れました。
■筑波 察 > 「こんなに人、多かったっけ…?」
常世際。この島で行われる祭りの名称であるが、
果たして学園祭と呼んでいいものかと躊躇う程度には規模が大きい。
昨年は人ごみを嫌って混雑する通りを避けていたせいだろうが、
良そうに反する人の多さにややめまいがする。目なんて見えないけど。
「とりあえず、何か食べてもいいかもしれないねぇ。」
左右どちらに顔を向けても出店、出店、出店。
今歩いている通りは食べ物を扱う店が中心なようで、
美味しそうな香りがあちらこちらから漂ってくる。
「あれ?藤巳さんじゃないかな?」
そんな中で目に留まったクレープ屋に進路を向けると、
店の前でやや迷うようにしている人物。
その成りを見れば知り合いであると確信して、声をかけてみた>
■藤巳 陽菜 > (そう、前に進めばいつかはこの屋台の通りからは抜けられるはず…。
今はそう信じて前に進むしかないのよ…。)
目的地まで屋台が続くことも知らずにそんな思いを胸に前に進もうとしたところで
久しぶりに聞く声が聞こえる。
「あら、アナタ…久しぶりね。」
好きかどうかは置いておいてまあ友人と言えるゴーグルを付けた男子生徒。
見たところ一人のようだった。
「…この祭りって毎年こんなに沢山屋台出てるの?
多すぎない?」
島外…日本だけではなく国外からも注目されるこの常世祭。
年々大規模になっているというのは見たことあるがそれにしても…。
■筑波 察 > 「そ、僕だ。確かにそこそこ久しいかな?」
ひさしぶりね。と言われて、最後に話したのはいつだっただろうと記憶をひっくり返す。
確かロビーで本を貸したのが最後だっただろうか。
そう考えると確かにしばらく顔を合わせていないことになる。
「んー、毎年規模は大きくなってるみたいだけどね。
もはや学園祭ってレベルではないわけだし。
それにここら辺は特に出店が集中するから、人混みが嫌いな人には厳しいかな?」
島の中でもここではない場所だと地方の祭り規模でやってるところもあるようだが、
この辺は人も店もおおいのだ。それに規模が大きくなっていることを考えれば、
今のこの状態も当たり前といえば当たり前だ。
「あ、おじさん、クレープ一つお願いします」
そしてそんな話をしながら、クレープを一つ注文する。
威勢のいい返事と共に店主が生地を薄く焼いていく>
■藤巳 陽菜 > 陽菜が知っている学園祭なんていうのは家の近くの高校でやっていたものくらい。
…本来なら陽菜が通っていただであろうその学校のものくらいだがそれとは比べ物にならない。
「私も用が無ければ来なかったわよ。
人混みは好きじゃないもの…。」
今まで普通の身体だった頃はこういう雰囲気も嫌いではなかったが。
この身体になってから人混みは苦手だ…。
人の邪魔になるし…踏まれることだってある。
(クレープ…。)
一瞬、焼かれているその生地に視線をやる。
慣れた様子で焼かれた生地は包み紙の上に広げられて後は具をのせるばかり…。
…その屋台とクレープを頼んだ男子生徒から視線を逸らして人混みに目をやる。
「はあ、ホント嫌になるわね…。」
■筑波 察 > 「まぁ、今の君が人の沢山いるところが好きなようには見えないねぇ」
人ごみは好きじゃない。
そう言葉をこぼす彼女を見ては、まるで当たり前のことのように反応する。
今のような見た目でなければ、もしかしたらそんなことはなかったのかもしれないが、
あいにく彼女の過去に対してはまださほど興味はなかった。
「嫌って、人混みが?
……そういえば君を見つけた時、すごく悩んでたように見えたけど、
もしかしこれ?」
振動を操作する身。どんなに小さな独り言だって聞き漏らすことはない。
間抜けな反応をした直後、何かを察したような顔になれば、
少しいじめるつもりでわかりきったことを聞いてみて>
■藤巳 陽菜 > 「無駄に長いのよコレ。
…この長い体をゴムとかで括ったら少しは人混みでも動きやすいかしら?」
溜息を吐きながらそんな風な冗談を言う。
以前と比べてもうこの身体にも慣れて来ている。
「…ダイエット…みたいなものよ。」
小さく、ひどく小さく呟く。
…お金があんまりないとかはどうも恥ずかしくて言えない。
普通なら雑踏に紛れて消え入りそうな声。
「…分かったら目の前で食べるのとかは止めてよね。
それ、食べるなら私の視界の外で食べてよ?」
■筑波 察 > 「長いって、仮にも蛇なんだから長いのは仕方ないようにも思うけどね?
むしろスルスル人ごみ抜けていけそうなイメージすらあるけど」
ゴムで括ったら動けないのではないか?という疑問は心のうちにしまっておく。
きっと冗談だろうし。
「ダイエットが必要な身体には見えないけどね?
ていうか、ラミアの身体って燃費が悪いって聞いたけど、君は例外なの?」
正直専門分野ではないのでその辺はさっぱりわからない。
ただ、なんとなく今の彼女は何かを隠しているというか、
意地を張っているというか。
「まぁ、ダイエット中なら仕方ないね。
なんなら君にあげないこともなかったけど」
店主からクレープを受け取れば、言われた通り彼女の視界に入らないところでクレープを堪能する>
■藤巳 陽菜 > 「もう少し、短い方が良いわ。
こんなに長くちゃ部屋の湯船にも浸かれやしないもの。」
バランスを取るにしてももう少し短くて十分だと思う。
「いいえ?生まれつきのラミアの人は結構燃費が良い人が多いらしいわ。
特に変温性のラミアの人は一回で2,3日持つらしいし…。
代わりに冬場は冬眠がいるらしいんだけどね。」
陽菜は普通のラミアではないから特に燃費が良い訳でもない。
「…うっ。
ア、アナタに貰うなんてそんな必要ないわ…。
…まあ、でも…どうしてもって言うなら貰ってあげても…。」
ダイエット中だとか言った事が仇となった。
…いや、そもそも彼に食べ物を奢ってもらうような謂れはない。
…でも、どうしてもというならまあ仕方なく貰ってあげない事もないかな?
と、そんな上から目線で眼をやると…
既に食べてる。
「…まあ、ダイエット中だから。」
力なくそんな風に呟くと通りを進んでいく。
■筑波 察 > 「その身体じゃ普通の人間ように設計された環境は不便だろうねぇ?」
なおさら後天的に今の身体になったというなら、その苦労はなおさらだろう。
その気持ちはわからなくもない。かと言って同情も慰めもするわけではないが。
「じゃあ燃費が悪いっていうのは後天的なラミアのことか。
ん?それならなんでダイエットがひつようなの?
きみもともと人間でしょ?」
彼女の説明に「へぇ。」と感心するが、その説明を聞いて浮かんだ疑問。
クレープを食べたがっていたのは知っているが、
食べない理由がダイエットでないのならなぜ食べるのを躊躇ったのだろう。そんな疑問。
「……おじさん、もう一つもらますか?」
疑問は解消されていないが、結局もう一つ買うことにした>
■藤巳 陽菜 > 「この島はまだマシに暮らせるけど…
本土の方じゃ文明的な生活は難しいわね。」
流石に風呂はそこまでの湯船は部屋に無いが寮の大浴場を使えば問題なく浸かれる。
それ以外でも様々な種族に配慮した仕組みが用意されている。
「後天的なラミアとか私以外に見たことないわよ…。」
或いはラミアの語源となる女性も後天的なラミアであると言えるが…。
陽菜が知っているのはそれくらいだ。まあ…確かに燃費は悪いが。
「それと一口にラミアって言っても違う生物なのよ?産まれた世界も身体の仕組みも違うし。
ただ、蛇の下半身と人の上半身を持ってる種族を便宜上そう呼んでるだけだから。」
普通にこの世界の人間と変わらない異邦人だって細かい事を言えば違う種族と言えるだろう。
「…ちょっと食べすぎちゃうから我慢するようにしてるの。
あんまり沢山食べすぎても…その…お金沢山かかるし…。」
異能への研究への謝礼、異能がある生徒への補助制度、家族からの仕送り。
それらによって陽菜の生計は成り立っている。
その中で食費を削らなければお金を他の事に回すことは出来ない…。
■筑波 察 > 「本土ねぇ……
結局この島以外の場所って、人間じゃないものに対する理解は表面的だからねぇ」
大変容以降、外から来た存在や、突発的に変異した存在に対する差別は一応落ち着いた。
でも根本的に必要なものの整備や環境づくりは二進も三進も行っていない。
「前にも言ったけど、君は先駆者だからね。君が味わった苦労は誰かの役に立つさ」
先駆者。前例があれば彼女はとっくに治っていたかもしれないし、
諦めがついていたかもしれない。
前例がないせいで手探りの状態なんだろう。それをわかったうえでの発言だが、
彼女には少し嫌味に聞こえるかもしれない。
「似ているものを括って呼びたくなるのは人間の性さ。そうすれば扱いが楽だからね。
相手に対する興味が薄いと、まとめてしまいたくなるんだよ」
あまりにも冷たい言い分だが、言った本人は気にしていない。
「今日は祭り。我慢する理由があるのかな?」
そう言ってできたてのクレープを差し出す。
何が好きなのかわからなかったので、自分が頼んだものと同じものだが、
普通のクレープだ。>