2015/06/05 のログ
ご案内:「商店街」に空子さんが現れました。
空子 > ぱふ~、ぱふぃ~、という間の抜けたラッパの音が商店街に響く。
ガラガラとリヤカーのタイヤの音が地面を震わせる。

「あーりぁとやしたぁ~♪んーふふ、今日もええ仕事したわぁ♪」

几帳面に区分けされた箱のなかに、種類別に小銭を入れていく女性。
その頭の後ろには、「大漁」と書かれた扇子が……見えるような、見えないような。
いや、気のせいだろう。

空子 > その背には巨大な扇子を背負い、額にはゴーグルのようなものを装着している。
糸のように細い目とは裏腹に、体の肉付きは全体的に程よい。

「さーて……もうお客さんもハケたし、帰ろかなぁ。
 ……ありゃ、もうこんな時間かいな。今日はお客さんのキレが悪かったもんなぁ。」

リヤカーの中からジャムパンを一つひっつかみ、包装を開けて食べ始める。

空子 > 「………。最近、どこもかしこもキナくさくてかなわんなぁ。
 お客さん減ってもうたら風紀に文句言いに行かなアカンなこれ。」

ぶつくさと独り言を言いながら、ジャムパンをもひもひ。
途中で喉が渇いたのか、天然水のペットボトルも取り出して飲み始めた。

暑くなってきたとはいえ、まだまだ梅雨にも入らぬ季節。
夜の少し肌寒い風に煽られ、リヤカーに装着された旗がひらりとはためいた。

『小栗山商店』

旗には、そう書かれていた。

ご案内:「商店街」から空子さんが去りました。
ご案内:「商店街」に小奈美さんが現れました。
小奈美 > 【ひとりの少女が商店街の一角にある文房具屋の中を除いている】
うーん、ボールペン新しいのを買いに来たんだけど……。どれが描きやすくていいのかな……
【店内にある複数のペンをあれこれ見ながら、悩んでいるようだ】

小奈美 > あっ、このペンデザインがかわいい……。書きごこちもよさそうだし、これにしておこうかな……。
そういえばノートも買わないといけないんだった、授業受けてるとこういうのすぐに無くなっちゃうなあ……
【気に入ったペンとノートをレジに持っていく。財布を取り出し、お金を払おうとするが……】

……あ、あれ? 私、財布どこにやったっけ……?
【鞄の中を探るが、財布がどこにも見つからない】

小奈美 > う、うそ……。ひょっとしてどこかで落とした? す、すみません、財布探しに行ってきます!
【大層慌てた様子で、ペンとノートを元の棚に戻し、勢いよく店を飛び出していった。……どこかで転んだりしなければいいが】

小奈美 > ダメだ……。見つからないよ……。どこに落としちゃったのかな、財布
【商店街で一通り思い当るところをぐるりと回ってみたが見つからない。途中で1回転んだことでついた汚れを払いながら途方にくれる】

小奈美 > どうしよ……。お金は必要な分しか財布には入れてないからまだ大丈夫だけど……。財布、お気に入りだったになあ
【その場で座り込み、ため息をひとつつく】

ご案内:「商店街」に神代千早さんが現れました。
神代千早 > 【たい焼きを手に通りがかる】
ん? そないな所でどないしたん? 別嬪さんが台無しやで? 
【つかつかと歩み寄り、しゃがみこむ】

小奈美 > へっ? あっ、そ、その、財布をどこかに落としてしまったみたいで、探しても見つからなくて……
【いきなり話しかけられたことに驚いたのか、おどおどしながら呟く】

神代千早 > そら大事やな……ああ、別に怪しいモンとちゃうわ。ただの暇人や
【と、にっこりと笑って立ち上がり、手を差し伸べる】

小奈美 > えっ? あ、ありがとうございますっ……
【困惑したような表情で手を受け取り、立ち上がる】

神代千早 > はー、よっこいしょーっと
まー、事情は大体わかって一緒に探すんはええんやけど、見つから無かったら生活出来ないとかそういうのある? 

小奈美 > いえ、必要な分しか持ち歩いてなかったので、生活する分はまだありますが……。お気に入りの財布だったので、無くすとへこむというか……
って手伝っていただけるんですか?

神代千早 > ん? そら、暇人なんやし助けるやろ
忙しかってんならそら、最初から声なんてかけてへんやん? 
ナンパやったらまた違うかもしらんが……
【たい焼きをすっかり食べ終えて】
なるほど、お気に入りの財布なぁ? とりあえずは来た道をも一度辿ってみよか? 視点が変わるとまた見え方も違うかもしらん
【と、手を握る……何か距離が近い】

小奈美 > え、えっと、なんかすみません、見ず知らずの人にわざわざ手伝ってもらっちゃって……
【申し訳なさそうな顔をし、もう一度来た道を引き返していく】

神代千早 > まぁ、困った時はお互い様やね、ウチは神代千早
こっちに来たばっかりでまだほとんど授業もしとらんけど、古文の講師やっとる
【何かの舞台演劇のように、せわしなくポーズを替えて財布を探しながら共に歩く】

小奈美 > 神代さん、ですね。あっ、私は河上 小奈美、常世学園3年です
【古文か……。あれ難しくて苦手だなあ、とか考えながら財布を探す】

神代千早 > ほー、小奈美ちゃんか。ええ名前やね。
サンセ言うても教師やのうてただの雇われ講師やし、千早ちゃんでもちーちゃんでもええでー? 
【そんな事を言いながら相変わらずせわしなく動き回りながら財布を探す】

小奈美 > い、いや、仮にも目上の人にそういうのは……
【ちょっと困ったような顔をする。財布はまだ見つからない】

神代千早 > まぁ、初対面でそう呼べっちゅーんも抵抗あるか
【人懐っこい笑顔を浮かべる】
さてさて、どっから出てくるやろか……
【相変わらずくるくるくるくると身体と目を動かしながら探っている】

小奈美 > うーん、ほんとどこで落としたんだろう、私……
【そんな感じで歩いていると、道の端に茶色と白のチェック柄の財布が落ちているのを見つけるだろう。小奈美はまだ気付いていないようだ】

神代千早 > 灯台元暗し……実は落としたんやのーて、服のどっかに引っかかったりしてへんか? 
折角やし、ちょっと調べたろか? 
【と、からかうように両手をわきわきと蠢かせながら迫る……そんな事をやっている時に、ふと財布が目に付き……】
お? あれちゃうか? 
【と、チェック柄の財布を指さす】