2015/07/29 のログ
ご案内:「商店街」に相模原孝也さんが現れました。
■相模原孝也 > 「第一回ー、登山用具収集のコーナー。いえーい。」
ぱちぱちぱち。
商店街の一角で、一人つぶやき拍手する寂しい少年。オレのことだ。
「とりあえず、大雑把に調べてみたけど。登山に必要なモノでオレが持ってないのは…
登山靴、ヘッドランプ、コンパス、現地の地図、腕時計、レスキューシート、ラジオ、テントに寝袋。
………予算足りないよ!」
一人でツッコミしてた。だって、実際に口に出して現実を認識しないと行けないし…。
「……山の代わりに時計塔で高さ代用できねーかなー。」
でもなー。ぼやきながら、建物の壁に背を預けて、スマホをぽちる。
■相模原孝也 > 「つっても、山で撮ってくるって約束したしなあ…。」
できませんでした、ならともかく、嘘をつくのは良くない。だが困難だ。どうしたもんかなあとまゆを潜める。
「安いやつでリストして…代用効くのは、靴と時計かな。
ヘッドランプが安いので1500円、コンパスがもうちょい上か。
レスキューシートは安いな。あ、ラジオは災害時用の手回しあったかも。」
あとで部屋で探そう。
とかなんとか。商店街の、主に衣料品やら小物やら扱っている一角で呟きながらスマホをぽちってる。
周りの視線は正直気にしないで堂々とひとりごと。口に出してるほうが整理しやすいのだ。
「星撮りに行くから、泊まりなのは確定だしなー…。テントどうにかなるといいんだけど。」
■相模原孝也 > 「……どこかに、レーザーを照射するだけの簡単なお仕事とかないかなぁ。」
現実逃避し始めた。
「まあ、ないよな。」
自分の異能についてレポートを書く際にいろいろ調べたが、レーザーの使い道は、ほぼイコールで工業、あるいはエネルギー関係であり、
そういった場所にはそのための機械が入っているものだ。正確性という意味で、機械に勝てるわけがないのだ。
■相模原孝也 > 「どーせならイチゴが早く育つ異能とかだったらよかったのになー。
それならイチゴ農家になれたのに。」
はーぁ、とながくため息を吐き出してから、壁から背を離して歩き出す。
「収集のコーナーなんて言ったけど、予算の都合上無理だし。」
とりあえず登山用具を扱ってるショップを覗いて、一番安いのだけでもメモしておくかーと、登山用具ショップを探して歩く。おおよその場所はスマホぽちして調べたし。
…結局のところ、相模原孝也の異能は社会的に見て役に立つとは言えないものだ。
同じことのできる機械と比べて、利点になりうるのは、小型であり、出力の調整が容易、そして"電源不要"である、それだけだ。
ぶっちゃけ、人間砲台くらいにしかなれない。それが本人の認識である。…ロ研のレーザー推進も、その延長線上でしかない。楽しいけど。
■相模原孝也 > 「あー、やめやめ。」
フリフリ、首を横にふる。どうにも一人で考えてると、悪い方向ばっかに頭が行く。
「ソレもコレも全部、宿題ってやつのせいなんだ。」
そのせいで、現実が押し寄せてきているに違いない。己現実め。
「っとと、ここだここだ。」
そんな一人芝居をやってたせいで、通りすぎてしまった登山用具ショップの前。
慌てて戻ってきて、自動ドアをくぐる。どうやらここは、山岳部の提携ショップらしい。入ってすぐのところに、山岳部の入部歓迎ポスターが貼られていた。無視したけど。
■相模原孝也 > 「んー………。やっぱ相応の値段がするなー。」
ぐるりと店内を周り、スマホでぼちり検索した必須アイテムのお値段を見、メモもとったが、ネットショップで見るより安い品もあったがやはりお高い。
うーん、と腕を組んで悩みながら、より安いのはないかと探しまわるが……やはりテントが一番のネックだ。
何しろ、最近のテントは、魔術を利用した快適設定!
虫除けの魔法陣、テント内は快適温度を維持、重金属雨が降っても大丈夫な化学繊維、加えて対襲撃者向けの緊急時魔術障壁展開エンチャント!
「そりゃ高いわ。」
納得のお値段でした。
■相模原孝也 > 「ただし使用者の魔力量によって、持続時間は異なります…?
…うん、オレには使えないかな。」
魔術の先生からして、魔力はあるみたいだけど才能ないね、とか言われる魔術レベル。
どうやら最新アイテムを利用するには、魔力が必要なようだった…。
「魔力はすげーよなあ。エネルギーをいろんな形に変えられるし、いろんなとこに転用できるし。ん?」
自分が口にした内容に、ちょっと首をかしげた。魔力、エネルギー、変化…。
「ま、いっか。今度調べよう。」
ぽいっと浮かんだ考えを放り投げて、とりあえず最新じゃないテントのコーナーを見て回ることにした。
■相模原孝也 > 旧式テントのコーナーを見て回ると、一応手の届く値段のテントはあるようだ。
ただしお手軽かというとそうでもない。
夏はまだまだこれからが真っ盛り。遊ぶためのお金もほしいし、山登りの予定は一回だけだ。その一回にこの値段は…と考えてしまうお値段だ。
「んー…どうしたもんかな。 お。」
悩みながら、いっそ一度帰ろうかな、と考え始めた頃合いだ、そのポスターが目に入ったのは。
レンタルテント。 と 書いてある。まだ使えるが、古くなったテントをレンタルしてくれるらしい。
お値段は販売されてるテントの安い奴の7割ほど。しかもちゃんと壊さず返却すれば、30%はキャッシュバックするとのこと。
「これだ!これなら安上がりにできる…!」
思わずガッツポーズだが、もう一度ポスターに目を通して、むむっとまゆを寄せた。
……レンタル期間は一週間、超過1日毎に追加料金が発生するそうだ。
「……よし。色々予定立ててから、またこよう。」
山の地図など、まだまだ用意するべきものは色々とある。今回は、テントの調達手段を得たことでよしとしよう…。
こうして、第一回登山用具収集のコーナーを終わりにして、登山用具ショップを出たら、アイスでも買って帰ろうとコンビニに向かうのであった。
ご案内:「商店街」から相模原孝也さんが去りました。
ご案内:「商店街」に矛海 遼さんが現れました。
■矛海 遼 > 陽も沈み、街灯に光が灯る暗い夜。
空に雲は全くなく、月が照らしている中。
一人の青年が腕に袋をぶら下げ、ゆったりと歩いている。
普段の服装と比べると大分ラフな服装で歩き回る姿は、
知っている物からすると少々特異に映るだろうか。
■矛海 遼 > この時期は暗くなっても中々暑い。
少し体を動かせば汗が出てくる。
異能を使えば自身の周囲や体温を操ることでそれらとは無縁なのだが、
なんとなく。汗を掻いてみるのも悪くないと思ったからか、このような行動を取っている。
苦痛は感じないが疲労は感じる。この感覚自体は好きだ。
自身が『生きている』と実感できるからだ。
商店街の所々に設置されているベンチに腰を下ろして一息。
袋から一本、缶コーヒーを取り出して一口飲む。
■矛海 遼 > ふぅ、と声を漏らして空を見上げる。
やはり夏の星々は良い。酒や食事が進むという物だ。
春に桜、秋に月、冬に雪とあるように。
「…………花火大会はやるのかね?」
独り言のように呟きが溶けてゆく。
この学園に来る以前、娘や部下たちに花火を見せるために場所取りをしたことがあったが、場所取りの疲れで眠ってしまっていたが故に見逃した事も有り、割と興味のあることではある。
もっとも、花火を眺めながらの一人酒になりそうではあるが。
■矛海 遼 > 「いや、祭りもあるか?」
浜辺でスイカ割り大会だの、学校側でミスコンだの、イベントに事欠かさない場だ。
夏祭りは行われるだろうと思う。………去年の浴衣、入れば良いなぁ。
「………………」
そういえばここ最近、ダイビングで海へ出向いていたからかコゼット先生から渡されたローブを渡すのを忘れてしまっていた。
詫びに以前渡せなかった鰻の蒲焼きと鰻ボーンも付けて………
「浴衣、作っておくか……」
ローブのおかげで寸法は量れる。こういった事は積極的にしていこう、うん。
コーヒーを一気に飲み干し、空になった缶を投げ飛ばし、ゴミ箱の穴に吸い込まれて綺麗に音を響かせて立ち上がる。
■矛海 遼 > やるべき事は決まった。しばらくは素材を調達するために、いろいろ店を回ってみることにしよう。
料理も裁縫も、この工程が楽しいのだ。
何かを作りあげる楽しみは何物にも代えがたい。
「………今夜は3割増しで頑張ってみるか」
不思議と、やる気が湧いてくる。どうにも現金な物だ。
数か月前の自分からは考えられん。
自身へ苦笑いを向けながらゆっくりと商店街を後にする。
残ったのは蝉の鳴き声と月の光だけだった。
ご案内:「商店街」から矛海 遼さんが去りました。