2015/08/12 のログ
ご案内:「商店街」にアルワルドさんが現れました。
アルワルド > (――私もこの国も風に舞う砂塵のようなものだからね。
そう、陛下が自嘲気味に仰ったのを良く覚えている。
塵屑でも良いではないですか。と僕が答えると陛下は不可思議そうな顔をされ
空の塵屑はとても綺麗に流れますから。と夜空を指すと
日頃大声を発する事も無い陛下が吹きだすように大笑いをされたのを、良く覚えている。

あれは、いつのことだったかな――)

――……う……。
(――朝、解けるような意識の覚醒に伴ったのは眩しさだった。
熱を伴わない光、それを厭うように瞼を擦った所で自分が夢を見ていた事を知る。
夢としか思えない状況に擱いて、現実の夢を見た事を陛下が知ったら
どのような顔をされるのかと思うと少し、面白かった。


暫く独り一頻喉を揺らし、身体を起した所で人の気配が無い事に気付く。
……どうもアーヴィングさんは外出されたらしい。

寝坊を少し恥じ、大きな寝台を抜け出し、顔を洗おうとして洗面台に赴き
良く見慣れた褐色の、己の顔を視た。
頬を抓ろうとは思わなかったが、何時もの愛用していたミスリル銀製の眼鏡が無い事には軽く違和感を感じて頭を振った。)

……少し、街に出てみますか。服も用意しなければなりませんし、ね。
(そして結論を零し、零れた結論が流れ着いた先が、今僕の居る商店街、その入口だ。
この世界で使われている貨幣ならば多少ならばアーヴィングさんから融通されている。
異なる世界の貨幣を、この世界の物と交換してくれる場所もあるそうだから、是については後日返すとし
今は服と眼鏡、共に見付かれば良い。心に決めて一歩、前へ。)