2015/09/08 のログ
ご案内:「商店街」にミウさんが現れました。
■ミウ > 時は、夜中。
数多の電灯が、この商店街を明るく照らしていた。
多くの人々が行き交い、買い物などを楽しんでいるのだろう。
授業に疲れた学生や教師達が、夕食の調達にでも来ているのかもしれない。
今日も、商店街は賑わっていた。
商店街の入り口に存在する巨大な看板。
その上部に、白い翼を生やした十代にも満たない外見の少女がちょこんと腰を降ろしている。
風で、水色の長い髪が靡き、白き羽根が舞った。
その紅色の瞳で、商店街を行き交う人を静かに見つめている。
■ミウ > 正直、こんな所にいると目立つ。
看板の上にいるミウへと視線を移す人もぽつぽつといる。
別に、看板の上にいる理由は特にない。
しいて言うなら、この場所だと色々な人達を見れる、というぐらい。
「この島の人達は、本当に興味深い人が多いわね」
表情を変える事なくそう呟いてみせる。
■ミウ > 看板の上に座る少女。
『看板娘』。
いや、それはちょっと意味が違う……。
小さな男の子と目があってしまう。
その子は、外見で言えばミウと同い年ぐらいだろうか。
見た所、多分人間のようだけど、その年で学園の生徒だったりするのだろうか?
目線があったので、和やかな笑みで返してみる。
すると男の子も笑みで返し、人ごみへと消えて行った。
「この学園にいる子供なのだし、あの子は次世代で活躍する異能者にでもなったりするのかしらね」
それはただの推測でしかない。
そもそも、あの子供が異能者なのか、はたまた異能が開花するかなんて、ミウには知らない事だ。
ご案内:「商店街」に猫谷凛さんが現れました。
■猫谷凛 > 「何なのにゃあれ?」
食材を買いに来た商店街の看板
見上げれば妙な格好の女の子が座っている
「むーん…コスプレかそれとも…
ギーちゃんはどう思うにゃ?」
そう帽子に話しかける
ユラユラと動くだけで何も返さないが
■ミウ > 男の子が過ぎ去った後、
人ごみへと再び目を移すと、黒く丸い帽子を被った少女を見つける。
黒いショートで、黄色い瞳をしている少女。
視線が合うと、ミウはにこりと笑みを浮かべる事だろう。
彼女の言うギーちゃんについては、謎だ……。
ちなみにコスプレではなく、なんと普段からこの格好。
■猫谷凛 > 「白いワンピに白い翼…天使…?」
普段なら少し頭の螺子が飛んだ少女と断定してお買い物に戻った
だがつい先日公園で出会った少女、彼女はコスプレ少女ではなく怪異だった
彼女もまたそういう存在なのかもしれない
「特ダネの予感にゃぁ♪」
帽子を外して抱きかかえ首をゴキゴキと鳴らす
重くはないがやはり頭の上にずっと乗せているとつらい物がある
ニコリと笑顔を返し買い物に戻る…
ふりをして物陰から看板の上の少女を見つめる
■ミウ > 笑顔を返してくれる少女。
そのまま買い物へと行ってしまう。
年は十代半ばぐらいだったかな?
その年齢的にも、少女もまた、学園に通う生徒の一人なのかもしれない。
外見で異能や立場なんて、想像するのは極めて困難だが。
「それにしてもあの少女、少しわくわくしている感じがしたのは気のせいだったかしら?
もしそうだったとすれば、ここは商店街なのだし、何か欲しい物の発売日だったりするのかもしれないわね」
新しい物が出た時、わくわくする人間は多い事だろう。
神であるミウも、それは分からなくもない。
神の能力《神通力》の一つ千里眼でも使えば、彼女が物陰に隠れた事がもしかしたら分かったかもしれない。
だが、あいにく使わなかったので少女が物陰に隠れているとは気付かないままだ。
しばらくすると、ミウは翼を広げて、ふわりと看板から飛び降りる。
まるで無重力かのような静かさだった。
着地の瞬間はやはり、周囲から視線を浴びたものだ。
「そろそろ行こうかしらね」
そのまま、商店街の人ごみへと入っていく。
白い翼が生えた目立つ少女なので、尾行者がいるなら見失う方が難しいだろう。
■猫谷凛 > (と、飛んだにゃ!)
帽子に擬態したギーを抱きしめる腕に力が入る
本物の天使かもしれないと期待が右肩上がりに高まる
(ギーちゃん、絶対見失っちゃダメにゃよ?)
また頭の上にギーを乗せ尾行する
背があまり高くない人混みの中でも頭の上のギーからはよく見える
二人(?)で協力しながらつかず離れずで後をつけるだろう
■ミウ > 今のところ、後をつけられている事になど気付いていない。
この人ごみなので、千里眼でも発動しないと気付くのは難しい事だろう。
ミウは低身長なのだが、白い翼が生えているためかえってそれが余計に目立つという状況。
尾行する側にとっては、有利な状況のはず……。
少しの間、歩き続けた後、ある出店の前で立ち止まる。
「それ、おいしそうね。
三つ、いただけるかしら?」
『たいやき』と大きく書かれている屋台だ。
しばらくすると、店主はたいやきの入った紙袋を渡してくれる。
「ありがとう」
そう優雅な笑顔で返すと、代金を支払う。
そして再び歩きだした。
■猫谷凛 > (思ったよりも普通…にゃ?)
尾行しながらそんな事を思う
姿形は違うがやっていることは普通の女の子っぽい
見ている分には微笑ましいがこれではニュースにもならない
(どうしたものかにゃぁ…)
何か面白ハプニングでも置き場なぁと思いながら後に着いて行く
そして誰にも気づかれないまま、頭の上のギーはとてもとても小さく震えている
■ミウ > 看板の上に腰を降ろしておいてなんだが、その後は普通にしている。
わざわざ商店街で、意味もなく何らかのアクションを起こす事も難しい。
ハプニングが起きれば、その内容にもよるが、確かに何らかの反応を見せる可能性はある。
ミウは屋台の近くにあるベンチに座って、たいやきを取り出すと、無邪気に笑う。
そして、たいやきを口にすると、
「とても、おいしいわ」
と率直に感想を述べる。
やはり、人間のつくるたいやきというのもは、とても良いものだ。
「しっぽにまであんこが入っているのね。
この店は、よく分かっているわ」
たいやきのステータスとも言える、あんこの量。
この量をけちって、しっぽにまであんこを注がないたいやきの印象は、かなり悪くなるものだ。
今日も平和な商店街。
ハプニングというハプニングは……。
……ないはずだった。
『ぐがあああああああっ!!』
突然、商店街の裏から聞こえる声……。
「なにかしら……?」
それを聞いて、きょとんと首を傾げるミウ。
周囲の人々も『何だろう』といった感じで声が聞こえた方に振り返る。
■猫谷凛 > 「ただの女の子にゃぁ…」
笑顔でたい焼きをほおばる少女を見て残念そうに呟く
仕方ない、今日は帰って寝るしかない…と思ったところで
悲鳴が聞こえる
(スクープチャンス!)
タン、タン、と短距離転移を使い建物の屋上へ向かう
目を輝かせ悲鳴の発生源を探す
■ミウ > そこには一人の男性がいる。
その男性は頭を抱えており、苦しがっているようだ。
彼は異能者であり、その異能はかなり不安定だった。
つまり、異能の制御がほとんど出来ていない状態だ。
だが最近、ある程度異能の制御が安定して、ひきこもっていた彼は外に出てきた。
それがこの様だ。
異能が暴走を始めている。
「大事にならない事なら、いいわね」
ミウは食べかけのたいやきをひとまず紙袋にしまい、ベンチから立ち上がると千里眼で声がした方向を見る。
万物を見通す千里眼。
建物の障害物をも透視する。
なんと、男の人が頭を苦しそうに抱えており、正常ではない事が一目で分かる。
彼が、あの声を発したのだろう。
悪い予感しかしない。
■猫谷凛 > 「偏頭痛…じゃないよにゃ♪」
デジカメを構え苦しむ男を撮影する
何が起こるのか楽しみと言った表情で男と見下ろしながら
「んー…異能か魔術の暴走……
でも変な流れは感じないしたぶん異能かにゃ。」
メモメモと携帯をタップする
メモアプリはこういう時に使えていいにゃ、と笑いながら
■ミウ > 『ぐがああああああああああ!!!!』
男は叫ぶ。
そして、全身から触手が生え始める。
異能の暴走。
制御の失敗。
意思の喪失。
本来、あってはいけない事だ。
その瞬間を千里眼で見る。
「暴走……しているわね」
二回目の咆哮に、商店街の人々は恐怖し始める。
たいやき屋のおじさんなんて、目を見開けていた。
この中にも、異能や魔術を使える人は多くいるだろう。
だが彼等も死にたくはないだろうし、積極的に関わろうとする人も少ない。
放っておけば、風紀や公安が出張る前に大きな被害がでるのは確実。
下手をすれば、大勢の人が巻き込まれて死ぬ。
人の命は二度と蘇らない。
創造神であるミウは、その事をよく知っている。
ひとまず、食い止めてみる必要はあるだろうか……。
そんな時、千里眼の視界に映る一人の少女を見つける。
「あの少女は、さっきの人ね」
デジカメで、暴走状態の男を撮影しているようだ。
その様子から、野次馬なのかな? とか解釈してみる。
とりあえず、男の元へと向かおう。
ミウは空間転移を行い、無数の触手が生えた男の眼の前に現れる。
ちなみに、たいやきはベンチに置きっぱなしだ。
「異能を暴走させてしまうなんて、とても危険な事よ」
彼にはそんな事、分かっていると思うけれど、そう話かけてみる。
返事はない。意識がふっとんでしまっているようだ。
■猫谷凛 > 「うっはぁ…ギーちゃんと違って可愛くないにゃぁ…」
全身から生える触手と叫ぶ男
まるでB級映画のような光景に声を漏らす
「あれ?あの子…」
突如現れた少女
ミウを見つめる。危ないとは思うが
転移で現れた事を考えれば何か手があるのだろうと
見守るだけ…頭の上のギーも共に見つめる
■ミウ > 『ぐがうああうああうああああ!!』
相変わらず叫ぶ男。
まるでバーサーカー。
異能自体も、結構強力なもの。
暴走により、余計に強化されているようだ。
男がミウに目を向けると、さらに咆哮。
『ぐらああああああああああああ!!!!』
そして無数の触手で、ミウを突き刺そうとしてくる。
ミウは敵意を向けていなかったのだが、さすがは暴走した異能者……。
誰構わず、攻撃してくるようだ。
この状態で、ミウ以外の誰とも接触がなかったのは、幸いだった。
「神にいきなり手を上げるとは、恐れを知らないのね」
ミウは、品良く笑みを浮かべる。
そして、神の能力サイコキネシスを使い、触手を止めてみせた。
『ぐっ……』
どれだけ男が頑張っても、その触手が動く事はなかった。
■猫谷凛 > 「神…?」
よく聞こえないが確かにそう言った
自分を神と言う少女を見つめ…
「頭がぶっとん出る方だったにゃ…」
はぁ、とため息をつく
天使や悪魔ならまだ信じるが神と言われれば呆れが先に来る
異能かはたまた魔術か、男の触手を全て止めたのを見て勝敗は決したと安心する
後は気楽に観察しておこうと眺める
近付いて刺されでもしたら大変だ
■ミウ > 『ぐぬううっ!!!』
その通りに、勝負は決していた。
強力な異能者と言えども、神には遠く及ぶものではない。
商店街という人の多いところでこれ以上暴れられても、迷惑になる。
これ以上暴れられないように、とりあえず捕える事にしよう。
別に、彼に傷を負わせる必要もない。
「大人しくしてもらうわね」
ミウは無数の聖なる鎖を創造し、触手ごと巻きつけていく。
かなり頑丈な鎖なので、この男如きが断ちきれるものでは決してない。
男はしばらく暴れ続けるが、しばらくすると大人しくなった。
■猫谷凛 > 「エグイぐらいにワンサイドにゃぁ…」
デジカメで撮影しながら男に同情する
いくら危険とは言えここまで一方的だと流石に同情の念が湧いてくるものだ
「ん、どしたのギーちゃん?」
頭の上から段々と後頭部にまで降りてきたギーを掴み抱きかかえる
まるでミウに恐怖するかのように凛にペタリと張り付きながら
神に敵意を向ける
■ミウ > この聖なる鎖は、暴走を浄化し、人を正気に戻す力がある。
しばらくすると、男も自我を取り戻すだろう。
明日から、彼も元通り、生活していく事になる。
何かが起こる前に事前に終わらせた事になる。
つまり、事件なんてものは始めから勃発していない。
この件に関して、風紀や公安の出番なんて、ないという事だ。
あまりにもワンサイドだからこそ、起きてしまった状況だ。
商店街とはいえここは裏道なので、人目もない。
人目がないと言えば、ある事を思い出す。
「そういえば、野次馬が一人いたわね」
ミウはその野次馬であるデジカメを持った少女の方に視線を移す。
■猫谷凛 > 「おっと…そろそろ撤退にゃ…」
一部始終は撮影したしメモも書いた
これ以上ここに居ても何もないし何だか少女がこちらを見た気がした
「全速後退にゃ♪」
ギーの様子が変なのに首をかしげつつ
手早く荷物をしまい地上へ、逃げ足では負けないと
自負しているがそれは人間相手ならの話で…
■ミウ > 野次馬の人は去って行く。
彼女は荷物をしまって、地上に行く。
デジカメで撮影されていたという事は、ここで起きた事を映像に残している事だろう。
別に、撮影している事は始めから分かっていた事だ。
「大人しく、去って行くのね」
このまま去る相手を追う事もないとは思ったけれど……。
なんとなく、好奇心が沸いてしまった。
ミウは上品な笑みをして、
そしてテレポート。
地上に降り立つ少女の前へと姿を現す。
「こんばんは」
上品な笑みを崩さず、挨拶をした。
■猫谷凛 > 「に゛ゃ゛!?」
突如目の前に現れたミウを見て立ち止る
分かってはいたが中々行為の魔術を使えるのだと勘違いし
「こ、こんばんはだにゃ♪さっきのはお見事だったにゃぁ♪」
今更通行人を装っても仕方ない
素直に挨拶に応える
そして抱きかかえられたギーは
威嚇の様にワサワサと触手を広げている
■ミウ > お見事だと褒められると、
「ありがとう。
完全に暴走して、暴れ出される前に食い止めれてよかったわ。
もし暴走されていたら、この商店街も血の海になっていたかもしれないわね」
と優雅に返す。
市街地でそんな事になったら、シャレにもならない。
そういえばさっきの男をあのまま放置している。
一応、千里眼でしばらく男を見守っておこう。
その時、彼女の抱きかかえる帽子から触手が──。
「ま、また触手なの?」
少しだけびっくりしてしまう。
「それにしても、不思議な帽子ね。
少し、触ってみてもいいかしら?」
そう訊ねてみる。