2015/10/15 のログ
ご案内:「商店街」に黄泉 雪さんが現れました。
黄泉 雪 > 近頃は日が沈むと日中は考えられなかったほどに寒くなる。
普段から長袖のメイド服を着用するようになってからどれくらい経っただろうか。
今では更に重そうなトレンチコートを羽織って。中々にちぐはぐな服装である。

「……ラキスト2つ。ソフトね。」

どうせ誰も見てやしない、とキャラ作りも投げ打った商店街の隅の隅。
なぜ学生向けの地区にあるのかはわからないがこのあたりでは貴重なタバコ屋である。
きっと自分のような居残り組や先生方が利用しているのだろう。

「不良学生もどんだけいるやら」

ぼそりと呟き、1本取り出した紙巻に火をつけ一服。
もう少しすれば吐く息と、煙と、区別もつかないようになってしまうだろうか。

黄泉 雪 > 小銭を数枚漁り、自販機へ投入。
そのあとの口臭を思えば頭が痛いが、こればっかりは鉄板というやつである。
どこかで口を濯ぐか、なんて考えながら缶コーヒーを買ってしまった。

「出張店舗、ねぇ。」

折角の学祭だ、ということでバイト先のメイド喫茶も張り切っている。
なぜか自分が出典交渉役に選ばれてしまったが面白そうだ、とは雪自身も思っていた。
割り当てて貰えそうな区画を頭に思い浮かべ、どのあたりが妥当だろうかと思案する。

黄泉 雪 > 香ばしい煙を1本分、たっぷりと味わってひと休み。
缶コーヒーをぐい、と呷る。

「普通に考えて生徒の出店でメイド喫茶もどきなんざいくらでもあるのか……?
そーなりゃどうやって差別化するか、が問題になるか」

と、また考え始めてしまった。
もう一本、火をつけてぷかぷかと紫煙を浮かばせる。
視線はあちらこちらと彷徨い、指も虚空になにやら描いてはいるものの、考えがまとまる兆候はなく。

黄泉 雪 > 「……うしっ」

ここで1人考えても埒があかないと割り切り、タバコの火をもみ消すと灰皿へと放る。
懐から取り出した手鏡とリップ。
ぱっと見の体裁を整えると帰路へとつく。

「嗚呼、畜生。夏がもう遠く感じるなぁ」

じっと立ち止まっていたからか、少しだけ肌寒さを感じてコートの前を合わせた。
まだ気が早いけれど、今年の冬に雪は降るだろうか。
なんて考えながら、駅へ向かう人の流れに混じってゆく。

ご案内:「商店街」から黄泉 雪さんが去りました。