2015/12/02 のログ
ご案内:「商店街」にダナエさんが現れました。
ダナエ > 常世島にのみ数軒の店舗を持つ、
ローカルな中規模スーパーの支店の一つ。

通りに面した自動ドアが開き、
左手にきれいな色の液体の入ったプラスチック容器を握りしめ、
右手にエコバッグを下げて、異形の重騎士が歩いてくる。


騎士が歩道に出たその後ろから、
メガネの奥の眼光鋭い中年女性が小走りに駆けてくる。
『そこの岩の人ちょっと待って』と低い声。
一瞬自分のことだと気づくまで間があったが、
すぐに怒りとともに振り返る。
「……無礼な、誰が岩だ!」

だが中年女性は騎士の怒りなど微塵も気にする様子はなく、
『あなた、まだお会計済んでない商品あるよね。
こっちに来てくれる?』と強い口調で問い詰める。

ダナエ > 「何の話だ?
 すべて会計は済んでいるぞ」
ムッとしながら右手のエコバッグを差し出すと、
女性は首は振って騎士の左手を指差した。

「……んなっ!?」

何も持っていないはずの騎士の左手にしっかりと
握られていたのは、透き通った緑色の発毛剤。
驚きのあまり落としかける。

「な、なんだこれは!! いつの間に……!?」
騎士にはこんなもの、まったく手に取った覚えはない。
それもそのはず。【強欲】が左手に干渉して、
この発毛剤を騎士に気づかれないよう棚から取ったのだ。
目的は騎士に窃盗犯の汚名を着せるためなのか、
それとも【強欲】自身の純粋な欲求なのか。

ともかく、混乱する騎士の左手を中年女性が──
カリスマ万引きGメン島田常代(52)が、掴んだ。

『誤魔化しても無駄だから。ここじゃ人目もあるし、中でゆっくり話そうか』と、万引きGメンは厳しい表情のままで言う。
完全に警察24時の案件である。

ダナエ > 背中に冷たい汗がどっと流れる。
万引きGメンの手を振り払い、
「ち、違う!! 私はこんなもの盗ってはいない!!」
『うんでもあなたが持ってたよね。中で話そう』
流石にカリスマ、動じない万引きGメン島田常代(52)。
手強い相手だということを直感し、汗がさらに噴き出る。

「そうか、これは【強欲】の仕業だ!
 私に取り憑いている亡者が、私の手を使ったのだ!!」
あーそっち系で来ちゃうか、と呟く万引きGメン。
よくある?万引きの言い逃れの1パターンとして
受け止められてしまったらしい。
「ほ、本当なのだ、嘘ではないぞ!!
 例えどれだけ金がなくとも、
 騎士が窃盗などするはずがない!!」
法の守護者たる騎士が、まさか犯罪を疑われるとは。
圧倒的に不利なこの状況。涙目。

ダナエ > その後の騎士は、
・品物を手掴みにして店を出た=隠す気がない
・自分は本当に呪われている(実演付き)
この二点を万引きGメンとスーパーの店長に必死に
アピールした結果、
二度とこのスーパーを利用しないことを条件に、
どうにか帰してもらえたらしい──

ご案内:「商店街」からダナエさんが去りました。