2016/02/11 のログ
ご案内:「商店街」に四季夢子さんが現れました。
ご案内:「商店街」に朝宮 小春さんが現れました。
■四季夢子 > 季節の移りは何があっても滞りなく行われ、気がついたら年が明けていたなと溜息が白く宙に混ざる。
宛ら雲雀が風に舞い、蝸牛が枝を這うかのようだ。と思ったけれど、これは春の事かと詰らなさそうに鼻が鳴った。
――新春。
草木萌え出る御芽出度い季節にはまだ遠い時期に、私こと四季夢子は夢を打ち切るように欠伸を噛み殺した。
「福内鬼外の行事も終わり、私は外をうろついて……蛇が出るか鬼が出るかって思っても、此処じゃあ今更よね。
……そんな今更な場所でも、もうすぐバレンタインか。……異世界ってそういう文化あるのかな。」
新年通り越しも良い所である。ぼんやりと過していたらこの様なのだから、光陰矢の如しとは良く言ったもので、
過ぎた矢を確と咥え、知として学ばないといけないわ――と殊勝な気持ちを僅かに抱いた。
「っかし今日は殊更に寒いわね。またぞろ雪でも降るんじゃあないかしら。」
抱いても余り暖かくは無かったのでとっとと捨てて、私は書店へ訪いを入れる。
日頃通う古本屋ではなくって至って普通の本屋だ。入口傍のレジには時節柄バレンタイン特集とやらが組まれているらしい雑誌が積まれ、
一瞥をするとその幾つかは御菓子作りのレシピ帳のようなものだと知れた。
■朝宮 小春 > 朝宮小春は、何やらドジな印象を色々な人に与えがちではあるが、こう見えてコンピュータに弱くはない。
まがりなりにも研究者を志した以上は、解析なり照合なりで活用することもあるし、学生当時一線級であったソフトの使用方法なども、必死で覚えたタイプである。
学問系統であれば、努力に比例して伸びるタイプでもあったから、比較的早く習得した方でも、ある。
まあ、教職の間しばらくそれには触れずに、ペンやチョークに持ち替えて生活していたわけであるが、………ふと、今はどんなものが扱われているのか、帰り道に調べていこうと考えた、そんな一日。
本屋で雑誌を開いて熱心に読み進め、なるほどね、とパタンと雑誌を閉じたところに目に入る特徴的な髪の色。
あら、と一人言葉が漏れて、雑誌を元の場所に戻して鉢合わせるように歩みをすすめる。
後ろから脅かせることも考えたが、場所はわきまえているのだ、うん。
「…あら、こんにちは。」
穏やかに片手を持ち上げて、少し微笑んで見せる教師。
彼女が学生の頃は、外で先生に会うのは少し嫌だったものだから、控えめなご挨拶。
■四季夢子 > 元より私にチョコレートを贈る相手は居ない。
家族と住んでいれば、また別なのかもしれないけど生憎と私はそうじゃなかった。
だから、そこまでにして本命である今日が発売日の歴史小説のコーナーへと足を運びかけて――
「……むっ?……あっ。」
頓狂でくぐもった声が漏れた。
何故にくぐもっているのかって?それは私の顔下半分は実用性しか重視していないと喧伝せんばかりに、
マフラーでぐるりと覆われていたからで、コートだって分厚ければスカートの下にスウェットだって履く始末。
スカートの意味は多分に僅かな乙女心かもしれない。
「ど、どうもこんにちは……。」
閑話休題。
ゆるりとした声に驚いて、きちんと喋れるように口元を露にした所で咳払いを一つ、二つ。
だって学外で会うのなんて随分と久し振りなんですもの。ラジオは、知っているけれど。
「こういうのも変ですけど、御久し振り。で良いのかしら……先生はお買物ですか?
そういえばラジオで歴史小説が好きだって仰ってましたけど……。」
確か朝日を拝む程だと言っていた気がする。私は記憶を掘り起こすように首を傾いで訊ねてみるのだった。
■朝宮 小春 > 「ええ、久しぶりね。お買い物っていうよりはちょっと調べ物をした帰りなんだけれど。」
普段通りの格好にロングコートを着込んだ教師は、ふふ、と微笑みながら咳払いをする生徒を見つめ。
久しぶり、といえばそうなるのか、と思う。 授業以外で会うことも少ないし、学校外となれば本当に久々である。
相手が嫌がっていないことをちら、と確認すれば、ほっと一息。
「……あ、聞いていたのね。
ちょっと恥ずかしいわね、改めてそう言われると。
……ええ、好きなんだけれど。逆に朝日を拝むまでに読み切れないと、本当に睡眠不足になってしまうから。
連休前とかでもないと、ちょっと大変になってしまうの。
だから、あえて今は封印中、かしらね。」
相手の言葉に少しだけ頬を染めたあとで、掌で頬を抑えながら説明する。
夢中になると止まらない性格なのだ。
■四季夢子 > 「クラスで噂になってたんだもの。面白い放送があるよって。
それなら是非にと聴くのが当然で、興味に添えばお便りの一つだって送るのがこの私だわ?
おこん先生はなんとなーく予想出来てたけど、蓋盛先生とヨキ先生の好みは一寸意外だったかも。
ともあれお好きなら今度、私のお薦めを貸してあげるね。」
言外に「こんにちは、ザ・四季童です。」と含み笑いを添え、含羞に染まる先生を見上げ満足そうに頷いた。
頷いた後で何に満足したのか自分でも疑問に思ったけれど、それはさておこう。
「……で、調べ物……あ、さてはお菓子の作り方とか、この島でも取り寄せの出来るお店を調べたりとかでしょう。
時節柄ですもの、先生ともなればその辺は抜かりなくかしら?」
するりと近付いて肘でつつく素振りをし、猫を殺すような感情を隠しもしないで猫みたいに笑う。
「やっぱり同僚の先生にチョコを配ったりするんですか?でも調べ物をする程ってことは……。」
■朝宮 小春 > 「あらー………、もっと年配の方かと一瞬。 じゃなくて、貴方だったのね?」
思わず本音が溢れてそれを上手く誤魔化しながら、ごほんごほんと咳払い。
「そうね、こういうものって聞いてみないとわからないものよ。
……じゃあ、今度の長い休みの間、ぜひ家にいらっしゃい。 その時に貸してもらうとしましょうかしら。」
小さく笑いながら、相手の言葉を聞きつつ、はて、と首を傾げて。
本当に頭の上にはてなマークを浮かべて、それがくるくると回る。
………!マークには、ならない。
「………お菓子を作るの?」
なんで、と言いかけたところでようやくはっ、と何かに気がついた顔をして、頭の上の?が!に変わる。
「……そ、それはまあ、考えなくもなかったけれど、今日は違う調べ物なのよね。ど、どこかで買わないといけない季節かしら………」
■四季夢子 > 「……ま、まあ私はほら、お子様じゃあないですから。」
咳払いに怨ずるような流し目を一つ。
けれどもお誘いを貰えばくるりと入れ替わってにんまりと笑顔で頷いた。
「わ、いいんですか?それじゃあ今度お伺いしま……って何言ってるんですか先生……。」
またもや私の表情が忙しく変わって怪訝そうなものになる。
どうやら猫は地雷を踏んで木っ端微塵になったらしい。冥福を祈りましょうっと。
「ん、んん~……そうね。先生とかなら……作るよりは買う方がカッコイイかも?
ほら、ちょっとこう、高級そうな奴とか……今なら商店街のお菓子屋さんでバレンタインフェア!
とか称して色々な国外ブランドの奴とか並んでいるみたいですよ。あ、今から行って見ませんか?」
思い立ったが吉日と云うものだから、私は先生の手をぐいと引いて菓子屋への同道を誘う。
本屋の店員からしてみれば客の強奪に等しいのかもしれず、真実店員の目が少し険しかったのだけど
そんな事は気にもしない私だった。
■朝宮 小春 > 「え、ええ、お子様じゃあ無いわよね。」
随分と渋い趣味だし、という言葉はなんとか上手く飲み込んで。
相手の笑顔にほっとしながらうん、うんと頷く。
飾り気も何も無い部屋ではあるけれど、呼び寄せるには丁度いい部屋だろう。
「ええ、良いわよ。 特に何も無い部屋ではあるけれど、貴方が来るなら。
………いやその、まあ、今日の今日まで忘れていたというか。」
頬をぽりぽり。
女子力の欠片も無い告白をしながら、正直なところを生徒に告白。
嘘はつけない先生なのです。
「そ、うなのかしら、ね?
お菓子屋さんになんて、久しく行っていないけれど。それなら一度行ってみましょうか。
夢子さんも、誰かに買ったりするのかしら?」
腕を引かれながら連れ立って店を出れば、寒風の吹く商店街を二人並んでのんびりと。
相手の横顔を覗き込みながら、首を傾げて尋ねてみる。
■四季夢子 > お子様では無いと言葉を追従させる先生に気分を良くして店の外。
頬に触れる風の冷たさに身を抱くようにすると、傍らの先生とは似ても似つかない残念な己の体躯を思い出す。
「……うわあ忘れていたって先生枯れてるぅ……。」
菓子屋へ赴く道すがらに木枯らしのような声が眼差しに付き添う。
存外甘党ではなくて辛党だったりするのかしらとどうでも良い事が想起され、
日本酒の一升瓶を携えた先生の姿も浮かんだけれど、どちらかと言えばワインのほうが似合いそうに思えた。
「……って私ですか?私は…・・・ま、まあ?ほら、私に釣り合う男子がいないってゆーか?
家族でも居れば親に上げたりもするんでしょうけど私、独り暮らしだし。」
話題を振られ息を飲み、危うく透明になりかかるも言葉を繋いで回避をし、
そうこうする間にお店の前へと御到着。
ショーウィンドーに飾られるは様々な趣向を凝らした化粧箱に入る、これまた様々な趣向を凝らしたチョコレート。
微に入り細をうがつとはこの事で、見ているだけでも退屈しないような、そういう品々だった。
「わー……随分と色々ある……うわ見て先生。これなんて4個しか入ってないのに2000円もする……。」
私の気分が昂ぶっているのは跳ねるような語調からも知れるかもしれない。
その昂ぶりも流石のブランド価格を見れば急転落下をみるのだけど。
■朝宮 小春 > 「あ、あははは………。
それはその、仕方ないじゃない? ほら、先生としての仕事がね。」
するーっと冷たい目線が横から突き刺さるのを感じながら、人差し指をたてて必死に言い訳を並べる。
仕事も何も、学生時代からあんまり気にしていなかったのだから言い逃れはできないのだけれど。
あ、嘘をつかない、は嘘です。 ちょっと嘘はつきます。
ワインでふらふらに酔っ払うけど、元気です。
「……あら、そうなの?
…じゃあ、二人でひとまず味見の一つでもするとしましょうか。一つ買って食べてみましょう。」
相手が思わず口ごもるのを知ってか知らずか。 ……ほとんど理解はしていないだろうけれど。
お店のガラスごしに並べられたそれを見つめれば、可愛らしいそれに視線を奪われつつ。
「本当ね……こんなにいろんな種類があるなんて思いもしなかったわ。
配るにしても、それだけの値段だと配りようもないし……どのくらいが適切なのかしら?
……あと、どれが食べてみたい?」
なんて、隣で覗き込んでいる生徒の頬を、ぷに、とつついてやる。あら、ちょっと冷たいかしら。
■四季夢子 > ブランド品は高い。
序に言うと骨董品も高いのだけど、食品の骨董なんてものは一部のお酒くらいなものでしょうから埒外とする。
ともあれブランド品は高く、その範疇には当然かつ厳然と食品も含まれていた。
確かにこれだけ高い菓子を臆せず買える人というのは格好良いし、大人だと思った。
今、傍らで私の頬を無遠慮につつく人が大人かどうかは……棚上げしとこうかしら。
「私をつついても何にもでませんよーだ。精々出てもどれが良さそうとかの言葉くらい……っていいんですか!?」
棚卸し。
とても素早い棚卸しである。
値段を見て食べてみたい?と言う事は御馳走してくれるという事で、朝宮先生は紛う事無き大人なのだった。
思わず猫が甘えるみたいに頬を突く指先に頬擦りしてしまう。にゃん。
「て、店内で食べる事も出来るみたいだし……あ、このオペラケーキとか美味しそう。見た目も綺麗だし……
でもこっちのチョコレート大福も……パンケーキにチョコレートエスプーマをたっぷり、なんてのも……」
尚御値段的にはチョコレート大福が一番安い。8個入りで1200円はお値打ちと言えるかもしれないけれど、
バレンタインデーにはまったくもって似合わない物体よね、これ。でも美味しそうなのは間違いなかった。
「じ、じゃあこのオペラケーキとチョコレートドリンクのセットとか……。」
……後日自分用に買おう。大福にそう力強く頷いて私は一番高い奴を先生に告げる。
ケーキワンカットとドリンクセットで1980円はかなりの強気な御値段だ。
■朝宮 小春 > 「あら、そう?」
頬を突いても何も出ない……って思ったら、急転直下の変わり身を披露。ギュン、って回転するのをなんとなく感じる。
指に頬ずりする姿に、現金ねぇ、と苦笑を浮かべて。
「ええ、そうね。あまり途中で寄り道、しかも買い食いを是とすることはできないところだけれど。
貴方は子供ではないし、いい、かしらね? …特別よ。」
少しだけ考えながら言葉を選んで、……それが当たり前になってしまわないように、丁寧に返す。
さて、と改めて覗きこめば、相手の言葉に少しだけ顎を抑えて考え………ずに。
「ええ、いいわよ。 それじゃあ入りましょうか。」
と、さらりと店の中に入ることにする。
見栄を張るのも大人って奴なんです。 まあ、元々他にそんなに使わない生活をしているのもあるけれども。
テーブルに座って注文をあっさりと済ませてしまえば、店の中をぐるりと見回して。
どこもかしこも、華やかな女子の姿とトークで包まれて、……多少の居心地の悪さというか、座りの悪さがあるのか。
水を口に運びながら周囲の様子をきょろきょろと見回す。
「……こういうところ、あまり来ないのだけれど、人気なのねぇ……」
■四季夢子 > 「特別。好奇心を擽る言葉だわ……。」
困らないくらいのお金。と云うのものは仕送りされているとはいえ
高い食べ物に縁がある訳でもないのが正直な所。
特別扱いで特別な食べ物となれば、心躍る辺りまだまだ子供なのかしらん。
なんて大人ぶって自己分析をするも躍るように言葉が弾んで足取りがそれに倣い、先生の後を追う。
席に着いて店内を見回すも、雰囲気自体は普通の喫茶店と云うもので、
メニューを見てもバレンタインフェアを謳う特別な物意外は普遍的でごく普通の品書きだった。
「あ、そうなんですか?……と、言っても私もあんまり来ないんですけど……どちらかと云うと甘味処的な、和風なとこのが多いかな?
なんでも異邦人街に美味しいお店があるらしいんですけど、場所柄ちょっと勇気がいるかなって二の足踏んじゃって……。」
挙動不審な先生の様子がおかしくって、ついついと相好が崩れる中での雑談。
「先生も今度男の人とか誘ってみたらいいんじゃない?ほら、チョコレートを渡すついでに誘ったりとか……
同僚の先生に気になる人とかいないんですか?」
御行儀悪く両手でテーブルに頬杖をついて時節柄、先程の会話をすこうし蒸し返すような、周囲に合った華やかしいものを向ける。
■朝宮 小春 > 「ふふ、………まあ、特別扱いをしているなんてバレたら大変だから、本当に秘密、ね。」
人差し指を唇の前に当てて、片目を閉じてウィンクを一つ。
茶目っ気のある仕草を見せながら、向かい合うように座りながら念を押す。
喫茶店の中……違うのは、男性の姿がほとんど見えないことくらいか。
「……あら、やっぱり? そんな気はしたのよ。
……なら、……今度一緒に行ってみる? 異邦人街は行ったことがあるから、貴方が行きたいなら。」
相手の言葉に、うん、と頷いて誘ってみる。
元々あまり人を誘うようなタイプではないけれど、この子なら、と思う。
特別扱い、しちゃってるかもしれないかな。
「……? あー、…………そう、ねぇ……?
お礼として渡す先生はいるけれどね、私からで喜ぶ人も早々いないと思うし。」
苦笑を浮かべながら、首を横に振って。
■四季夢子 > 「大丈夫ですよーだ。私の口はご覧の通りとっても堅いんだからっ。」
頬杖をついたまま口端を不細工に歪めて上機嫌。
日頃の贔屓にやっぱりと言われるとおや?とも思うんだけど、
続く言葉のほうがもっと意外だったから前者は店内の雑踏に紛れてしまう。
「……行った事あるんですか?ああ、家庭訪問的な?……ともあれ、うーん、それならお言葉に甘えてしまおうかしら。
何だかお部屋に遊びに行く約束をしたり、異邦人街に行く約束をしたり、随分な特別扱いですね、先生?。」
忠言ともやっかみともつかない言葉を転がして鼻を鳴らしていたく得意気。
でも首を振ることには身体を起してちょびっと大仰に肩を竦めた。
「う"ーん、そんな事無いと思うんだけど……ま、でもなんていうか其のほうが先生らしいかも。」
ラジオでも控えめなキャラが場にあっていたし。とまでは言わずに頷いて勝手に納得。
■朝宮 小春 > 「ふふふ、……じゃあ、それに期待しておくとするわね。
いくら私でも、大勢にお店へ誘われたら困ってしまうわ?」
言いながら、上機嫌な彼女を見ていると微笑ましくなる。
頭を撫でたくなる、といえばいいだろうか。
「ええ、そこまでは危険ではないって言われているから、一応一通り見て歩いたは歩いたもの。
知らないのに語ることもできないしね?
………そう、ねぇ。……特別扱い、ってことでいいかしら。」
なんて、苦笑交じり。
頭をぽん、と撫でながら待っていれば、届くケーキにドリンク二つ。
「私らしい、ってどういう意味かしらね?
……ほうら、特別扱いしてあげるから、教えて頂戴?」
ケーキをフォークに一切れ刺して、はい、あーん、ってしてあげる。
特別扱い中の特別扱いで、にっこりと。
■四季夢子 > 「百聞は一見に如かず。でしたっけ。古人の言を尊ぶなら私も倣っておこうかな。骨董品屋の娘ですもの。」
期待の言葉に口端を人差し指で柔和に曲げて見せ、調子の良い言葉を述べて甘言に気を良くす。
頭を撫でられても厭う事は無いんだけれど、生憎と指通りの悪い癖毛なものだから、撫で心地は余り良くないかも。
ちょびっと頬を不満そうに膨らませるのは、そんな様子を給仕の女の人に視られて、ちょっと笑われた気がしたから。
「特別扱いは嬉しいですけど、頭を撫でられるのはちょっと格好悪い気が――」
言葉の合間に重なるように、"朝宮先生らしさ"を差し向けられる。
乞われるままに向けられたもの。層状に重なるガナッシュやモカクリーム、チョコレートが綺麗なオペラを一口にし、
甘言よりも尚甘いお菓子に目端が緩んでしまった。
「んん……ほら、なんていうか……真面目な感じ?ラジオでもそうだったけど……なぁーんか振り回されるのが似合いそうな……。」
ケーキの後は水を含んで、それからとチョコレートドリンクのストローを咥える。
咥えるけれど吸っても全っ然出てこないから、スプーンで上に乗った生クリームごと掬うようにして頂く事にした。
此方はチョコレート自体に余り甘さが無く、上に乗ったクリームが其の分甘いタイプのようで、程好い甘苦さが心地よかった。
■朝宮 小春 > よしよし、と頭をなでてやれば頬をちょっとだけ膨らませる。
そんな姿が可愛らしくて、微笑みながらそっとスプーンを引いて。
「そう? ………可愛らしい、と思われるかもしれないわよ。」
なんて、ちょっとだけ意地悪に笑いながらも、包み込むような掌で頭を撫で、そっと手を離して。
美味しそうに目を細める姿にちょっと気になるものだから、私もすぐに食べてしまいましょう。
「…あら、美味しい。 ………ふふ、こうなると、買って帰っても自分で食べてしまいそうね?
………ええと、……褒められているのかもしれないけれど、そう感じないというか。」
とほほ、と肩を落として溜息を一つ。
振り回される姿が似合うと言われても! と思うが、事実なのだから仕方ないだろう。
「それじゃあ、せっかくだから買って帰るものも食べながら選んでしまいましょうか。
相談に乗ってくれるんでしょう?」
なんて、微笑みかけて。
穏やかに相談相手に巻き込みながら、配るチョコレート選びに付き合ってもらいましょうか。
ご案内:「商店街」から四季夢子さんが去りました。
ご案内:「商店街」から朝宮 小春さんが去りました。