2016/10/22 のログ
ご案内:「商店街」に因幡幸子さんが現れました。
因幡幸子 > どうでもいい話その1。
私の世界の通貨とこの世界の通貨はとても良く似ていて決して同じじゃない。
なので当然私の財布に残っていたお金はこっちじゃあ使えないんです。
でも異世界の物品はなんでも貴重な資料になるそうで、早い話両替とかして貰えました。
どうでもいい話1、おしまい。

「ん~……まあ多分?私ってマシな方なんですよね、きっと。
異世界転生系の小説とかだともっと突拍子も無い所に行くし……うんうん、
きっと私のなんて突然深夜バスに乗せられて何処かに連れ去られたようなもの……!」

放課後、駄菓子屋に良く有る的な透明プラスチックのキャンディケースを颯爽と小脇に抱え
悠然と長い足を組んだ姿勢で商店街の一角にあるベンチに座り、物憂げに言葉を吐き出す私の吐息は甘いもの。
だって口に1個30円くらいで買える棒付きキャンディが入っているんだもの。ちなみにコーラ味。
他にもキャンディケース内には苺だとかグレープだとかチョコミントだとか色々なフレーバーが
カラフルな包装紙に包まれて幾つも入っているんです。16歳といえばもう子供じゃないんですから
こうやって大人買いを学校帰りに勤しみ、余裕をアピールしておくんですよ!

因幡幸子 > 「ま、ちょっと転校したとでも思うしかないんですかね。
才色兼備な私からすればこの程度なんて事……いや結構辛い!」

そして次の飴を入れた口の中は辛い。なんだこれ!?と破いた包み紙を見るとハバネロ味とか記されていて
思わず天を仰いで、思わずかくりと項垂れる。耳だって萎れてぺたりと下がってしまう訳。

「パパもママもきっと心配しているだろうしな~ほら私の家ってお金持ちだし?私って可愛いし?
誘拐されたんじゃないかってきっと大騒ぎに……そこんところどう思う?」

がりごりぼりとハバネロ味を粉砕してやりながら傍らに問いかけるとなんという事でしょう。
そこには茶錆模様の丸々と太った一匹の猫が居るのです!ちなみに問いかけても猫なんで応えちゃくれません。
何だか欠伸とかしてるので喉の下に手でも入れて撫でさすってやりましょう。

「そういえば猫耳生えてる人とか犬耳生えてる人も居たなあ……案外バラエティ豊かよね。」

そして多分あの人はゴリラか何かかしらん。と往来を歩く身長2mはありそうな筋肉モリモリマッチョマンを見遣る。

ご案内:「商店街」に霧依さんが現れました。
霧依 > 商店街はハロウィン一色に染まり、関連の品々をさばくのに忙しい様子。
そんな中、商店街端の楽器店から出てくる女は、普段通りの移動に適した格好をしながら、のんびりと歩き始める。

楽器のメンテナンスの方法を伝え、メンテナンスに必要な道具を貸してもらい。
時折店で演奏する、そんな中。

自由人は今日もゆるりと足を好きな方向に向け、………目の前のベンチにいる仮装した少女の隣に、すい、と腰を掛ける。

「ああいった人が好みなのかな。」

なんて、ちょっと笑いながら声をかけて。

因幡幸子 > 結論、落ち込んでいても仕方が無いので旅行にでも来たと思って今を楽しむ事とする。
そして元の世界に帰った暁には異世界旅行記とか執筆して因幡幸子はスターダムを駆け上がる!

「……ふっ、完璧………完璧よ。断崖絶壁のような私の未来……っ!
それできっとステキな恋人とかも出来ちゃってー順風満帆な人生を謳歌――って何を仰る錆猫さん。
あんなむくつけき大男なんて、というかやっぱり私は耳が立派な人がーって喋ったぁぁぁぁぁああああ!?」

林檎味の飴を口に放り込み意気軒昂と未来への道を模索する私の悲鳴が周囲に響くっ!
萎れた耳もぴぃんと立ち上がるようになって危うく口に含んだ飴玉をも落としそう。

「んがぐっ…………って猫じゃなくて人だった。驚かさないで下さいよ!
世界に独りしかいない私が吃驚死にしたらどうするんですか!まだ御餅を喉に詰まらせるほうがいいですよ!」

声と飴を手で押さえるように口元にあてがい呼吸を整えてから真っ赤なお目目が隣の知らない誰かさんを睨む。

霧依 > とんでもないテンションで驚きながら、耳が見事にピンと立つのを、おお、と声を出して眺めてしまう。
あれ仮装じゃなくて本物だったんだ。

「驚かせてごめんごめん。
 ……いや、見事な耳だったから、仮装にしては可愛いなと思って。
 つい、吸い寄せられるように?」

驚きを隠そうともしない相手に、柔らかく微笑みながらまあまあ、と手でなだめる。
驚かせた張本人がやることではないのだけれど、気にした素振りも無く。

「もしも呼吸が止まってしまったら、人工呼吸の一つでもしなきゃいけない。
 餅が詰まった時には、吸い上げるんだっけ?」

なんて、ふんわりとした発言。

因幡幸子 > 睨む目線が緩やかになるのは偏に耳を褒められたから。
思わず左右にゆらゆらと揺れてしまいますね。耳が。

「ふふーん。いい目の付け所ですよ。これは勿論本物!
貴方達とは耳の付け所が違うって奴ですかね!ほらほら。」

しなやかな銀色の髪をかき上げるようにすると、こっちの世界の人達の耳がある所には何も無いというか
普通に髪の毛が生えているだけなのが判る筈。ついでにふんわりと洋梨の甘い香りが漂いもするんですが、
これは身嗜みの一環のヘアフレグランスです。

「人工呼吸用の道具でもなきゃ遠慮させて頂くとしてー……御餅が詰まったら餅吸い上げ機の出番ですね。
どうもこっちの世界には売ってないみたいだけど、やっぱり文化レベルの差……。」

不敵に笑って髪の毛をふぁっさーってしてやりながらも、口の中では林檎の飴が左右の頬を交互に餌を詰め込んだハムスターみたいに膨らませる。
そんな器用な私。

霧依 > 「なるほど、きっと柔らかさも違うんだろうね。
 もし貴方が良いというなら、少し触ってもいいかな。」

ふわふわと左右に揺れる耳に視線を奪われ、それに誘い出されるように言葉が漏れる。
長身の女は、首を少し傾げて、手をゆるりと伸ばそうとする。
甘い香りのする可愛らしい少女が自慢げにしているのであれば、ただの仮装少女よりも、うんと興味をそそられて。

「こっちの世界には、なかなかそういう品は無いね。
 餅が詰まったら直接吸い出すしかないのさ。
 人工呼吸も、直接がほとんどだから。」

なんて、ウィンクを一つしながら己の唇を指で触れて。くすくすと笑う。

「……飴は、林檎味かな。 一つ譲ってくれない?」

漂う林檎の香りは、飴の匂いか、彼女の匂いか。
どちらにしろ食欲をそそられ、そんなことも言う。

因幡幸子 > 「おおっとぉ?これは不躾で品の無いお願いが飛んできちゃいましたけどぉ?
特別に許可を出してしまいましょう!」

言葉や手を誘い出しておいて相手の言葉を引っつかんで投げ飛ばすようなお行儀の悪さ。
きっと愛嬌の内と自己完結して私は相手にそっと頭を傾けるのです。
きっときっと上質のカーペットのような触り心地に満足する事請け合いでしょうか!

「って飴玉ちゃんが欲しいんです?まあお近づきの印に分けて上げてもいいでしょう。
ええと林檎林檎………。」

膝上に鎮座ましますキャンディケースに白魚のよーなお手手を突っ込みがさごそとリクエストの味を探すのですが
生憎と林檎味は私が食べているもので最後な様子。

「あ~林檎無いな……こっちの苺とかどう?変り種ならハバネロとかカレーとかベーコンとかあるけど。」

ス……とケースの口を隣に向けながらお好きにどうぞと促してみる。

霧依 > 「どうも僕は育ちが悪くて、
 欲しいものがあるととりあえず頼んでみようかな、って思ってしまうんだ。
 ありがとう、お嬢さん。」

微笑みながらお礼を囁けば、柔らかく指が滑って、ふわふわの感触を楽しむ。
先端から中まで滑って、そのまま優しく付け根の部分を指でかりかりと。
とっても柔らかくて気分がいい。

「……ありがとう。そうだな………
 ハバネロとかベーコンの飴は、ちょっとあなたと出会った思い出を彩るには、不釣り合いな気がしない?
 ……まだ一つあるなら、それでいいよ。」

と、咥えているその棒をひょいと指さしてみて、どうかな、なんて無邪気に笑う。

因幡幸子 > 「そこでそー言われてしまうと私が悪者になっちゃうんだけど!
そこはほらぁ、もっとこう阿吽の呼吸のツッコミ的なものぉあっ♡」

何処か申し訳無さそうな小声が返る事に頭を傾ける私の可愛いお顔が渋くなる。
言葉も追っかけるよーに渋くなるんだけど育ちの悪さを示すような手付きに言葉尻が蕩けるようになっちゃった。

「……っ。そういう触り方はセクハラ!」

飛び跳ねるように頭を起し、咄嗟に手につかんだ棒付きキャンディハバネロ味を相手の頬にずびし!と打ち込む
……と、言うよりは頬をぐりぐりするように押し付ける。うりうり。

「なんでそうナンパみたいな事を仰るので……同性に見えるんだけどもしかして男性?ハロウィンの女装?
あと私の食べかけを上げたら間接キスじゃないの」

屈託なく笑う綺麗なお顔を歪めるように、もう片方の手に持ったカレー味のキャンディが逆側の頬を特に理由もなく襲う――!

霧依 > 「可愛い声も出せるじゃないか、って言えばいいのかな。」

とっても悪役の言葉を、しらっとツッコミ的に返しておく。
ご要望のツッコミはこちらです。

「おぅっ……セクハラだった? ごめんね。
 どのくらいまでなら大丈夫だったのかな。」

ふわっと質問するようにしつつ、相手の耳を知ろうとする。
弱点を理解するのって大切ですよね。別に耳が弱点かな、なんて思っていませんよ。

「……? ああ、可愛らしい花を可愛いな、って言うことに性別が関係あるのかな。
 僕は、そういうことはあまり気にしない性質なんだ。

 ……頬をそんな風にされたこともあまりないから、新鮮な気分だけど。

 間接キスは、気になってしまう?」

子ども扱い、ではないけれど。
頬をぐりぐりされているのだから、こっちも指で頬をつんつんしてやろうか。

因幡幸子 > 「そうそうそんな感じ……じゃーなーくーてー。耳は普通は裏側の表面を撫でる程度だと思うんですよね。
それともこっちだと兎の触り方ってこうなんです?」

ツッコミを受けて私のしなやかな手に半回転が加わり相手の両頬をぎゅいんと飴玉が抉り込むように食い込む。
尤も痛いって程じゃあないつもりですけれど!

「……褒められつつしれっと凄い事を仰りましたね?のたまいましたね?
いやいやそこは気にしましょうよ、気にしましょうよ!」

大事な事なので二回言いました。主に同性愛的な何かであるとか間接キスなことについて。
勿論私の世界にも前者のような事はあるんだけど、生憎、生憎?と私はノーマルな方だったので困惑顔です!

「で、えーとつまりナンパされたんでしょうか私。先日は学校の先生らしからぬ先生に胸を揉まれそうになるし
これは吃驚体験目白押し!どうか私以外に押してください!」

頬を突かれながら口角泡を飛ばし……なんてことはなく落ち着いて落ち着かず悲痛な言葉は泡のように零れました。
そも異世界に来た時点で手遅れだとか、そんな解答は求めては居ない。

霧依 > 「どうかな、僕は自然に触れたつもりだったんだけど。
じゃあ、どこまでなら大丈夫だろう。 耳の裏側だけなら大丈夫かな。」

ふぬ、と頬を飴でぐりぐりやられ続けて、声が出る。
懲りない女はそっと手を伸ばし始めて。

「……? そうかな。
 何、気にすることは無いよ。
 僕は別に可愛いものを可愛いと素直に口にして、触れて記憶に残しておきたいだけなんだ。
 誤解したらいけない。」

なんて、くすくすと笑いながら口のよく回る少女を眺めて。

「そい。」

喋っている間に林檎の飴を引っ張って引き抜こうとしてみる。

因幡幸子 > 「自然に不自然って言うんですよそれ!どうせなら不自然に自然にしてください!
まあ誰かの思い出に残る事はそう悪い気はしませんけどね。いつかは帰る身ですしぃ」

風に揺れる柳みたいな人柄に私はついつい嘆息をだらあーっと流してしまうわけです。
霧を手で掴むような感じで捕えられず、それで居て相手には耳を捕えられてしまいもするんですが、
まあその手付きが表面を触るに留めるなら良しとしましょう。一安心ですね!

――なんてしてたら素早く飴を引き抜かれてぽんっと音が鳴ったような鳴らないような?

「――お?」

不意打ちだったものだから私の唾液が銀糸のように曳いて、飴玉は相手の手の内に。

「いやいや、いやいやいやちょっと!?」

お待ちなせえ!?と私の手が飴を奪い返すべく、恰もカンフーの達人かなにかのよーに躍るッ!

霧依 > 「なるほど、いつかは帰ってしまうんだね。
 僕もふらりと旅に出る身だから、その時その時で、しっかり思い出に残したいんだよね。」

笑う。笑いながら優しく表面を撫でて、今度は心地の良い毛づくろいのよう。
飴を引き抜く動きは非常に素早かったのだけれど。

「………動くと食べちゃうよ。」

なんて、まるで刑事ドラマのワンシーンのように相手に言葉を投げかける。
とってもばからしい一コマだけれど、あーん、と口を開いて、くすくすと意地悪に笑って。

見事に反応するのだから、なんとなくからかいやすい。

因幡幸子 > カンフーマスターのように動いたかと思えば彫刻のようにピタリと止まるこの私。
そうです因幡幸子華の16歳です。

「くっ……何が望みだ貴様……!そんな事をして親御さんが悲しむとは思わないのか……!」

刑事ドラマの一幕のような言葉の応酬ですが、生憎と私の方は大根役者のようにくぐもった声。
だって動くなって言われていますし、致し方が無く腹話術です。

「……で、其方も旅人と言う事は別の世界から来たんです?私も異世界というか並行世界というか
そんな感じの所から来たんですけどね。」

腹話術のまま世間話が出来るのも私だからこそですよ!なんて胸を張ってやりたいけれど動けないので無しです。
しかし隙を見せたらその瞬間に貴様の命が終わらなかったりする事を知るが良い……!

霧依 > 「僕の望みはわかっているんじゃあないかな。
 というかお嬢さん、とっても器用だよね。」

動きの鋭さ、キレ、そしてこの腹話術。どこを切っても素晴らしい。
そんな可愛らしい少女の耳を手に取って、やわやわと撫で回すことにしよう。

「……ん、いや、僕はこの世界をずっと旅している変わり者。
 違う世界に飛ばされたなら、どうにかして帰るために旅をしなければいけないんだけれど。

 自分の世界にいながら、どこにも落ち着くつもりが無い、そういう変わり者さ。

 ところでしっぽとかもあるのかい。」

耳がやわこいので、興味を抱いて聞いてみる。
動こうとすれば、あーん、と口を開いて脅迫するのだ。

因幡幸子 > 「才色兼備って奴ですよ。ああでも殴ったり蹴ったりは苦手ですけどね?」

先日教師を杵でイワした事実は忘れた訳じゃあない。あくまで苦手なだけであって嫌いな訳じゃあない。(※但し自分が奮う場合のみ)
そうゲスったらしく笑い崩れそうになるけれど其処はぐっと我慢の子!会話が一先ず平穏なら様子を覗うのがきっと正解ですよ!

「おやそういう旅人さんなんですか。ですよねえ、異世界に飛ばされたら帰りたいですよねえ。私も帰りたいです、今、すごく……
ところで尻尾はありますよ。でも不用意に触ったりしたらダメですよ、そういうのもセクハラですからね。」

学校指定の制服スカートに隠れて傍目には判らないでしょう。しかし私には立派な耳に似合うような可愛い尾がきちんとあるのです!
だからきちんと応えてその上で釘を刺して……な事を腹話術でする訳ですが、流石に段々疲れもするわけで。

相手が動くならその機に乗じて奪い返すように飛び掛ってやりましょうか!きえー!

霧依 > 「じゃあ、用意をして触るのはいいのかな。
 耳でこれだけふわふわだったら、尻尾はどれほどのものか。
 どうにも興味が沸いてしかたない。」

なんて、くすくすと微笑み。
ほらほら、食べちゃうぞ、なんて調子に乗っていたら。

「ひゃっ!?」

素晴らしいカンフーの動きで突っ込んでくるものだから、ベンチの上で押し倒されるように横になってしまい。
女であることが良く分かる膨らみで受け止めてしまうとしよう。

「………積極的だけれど、そんな風に驚かせたらこうなるよね。」

飴の棒を口に咥えてしまいながら、眼をぱちくりさせて相手の顔を見る。

因幡幸子 > 「あ"ーっ!」

飴を奪還すべく飛び掛る私を迎えるのはとっても柔らかい感触。
この感覚、まさかこの人ノーブラ!?と戦慄するのもそこそこに私の悲痛な声が夕暮れ前の商店街に響きました。
さようなら飴玉君。そしてベンチの周囲にはキャンディケースから散乱した幾多の飴が散らばってしまいました。

「……ぐぬ、ぐぬぬぬぬふんぐぬぐぐぐぐ……!!」

苦虫を噛み潰したかのような真っ赤な顔で相手を見つめるも時既に遅し。で、あるならば前向きな私の執るべき事は唯一つ!

「……そ、そういえばそっちの名前とかまだ聞いてなかった。私は因幡幸子。異世界の日本、月本出身の華の16歳です。」

一つじゃなかった。
えーとりあえず身を起し、ベンチの背凭れに悠然と凭れて長い足を組んで余裕をアピって……おっと飴玉を拾わないと。
そんなこんなで一つどころか五つくらいの動作を交えて世間話。そう世間話なんです何も無かったんです。
私の顔が赤いのは太陽が赤いからなんですよ。

霧依 > 「……ごめんね?」

流石にちょっと悪いと思ったのか、柔らかい胸の上で頭を撫でる。
ここまでするつもりはなかった。反省は少ししている。

「……僕は霧依。少しだけ困った能力があって、それをなんとかできないかと思ってこの場所にいる。
 幸子ちゃんは元の世界に戻るまではここにいるのかな。

 だとしたら、……お詫びにお食事でもどうかな。
 僕、このあたりのお店はたくさん回ったからさ。」

一緒に飴を拾いながら、ぺろりと口の中の飴を舐める。
こっちは赤らめる様子もなく。口から出す素振りも無い。楽しく舐めちゃう。

因幡幸子 > 「御免で済んだら警察は要りませんよ!まあ何で謝ってるのか解りませんが!解りませんが!」

飴玉を拾いながら大事な事なので二回言いました。いやーこの人なんで急に謝ってるんでしょうかね!
まるで何かあったみたいじゃないですかいやだなーHAHAHAHAHAHAHA!!
でも萎れた私の耳はちょっと元気になりました。うん、悪い人じゃあなさそうですね。
決してご飯を御馳走してくれるからって訳ではありません。

「はあ困った能力。そういえば此処の方々は皆さん色々あるみたいですね。治療?でいいのかは判りませんけど
上手く行くといいですね、うんうん。」

暫くもすれば散らばったキャンディの全てはレトロゆかしいケースに収まる訳で、私は蓋をきゅっと締めてすっくと立ち上がります。
尾はやっぱりスカートの中なので見えませんが、それらしき膨らみは判るかもしれません。

「とりあえず何を詫びるのか不明ですが、御馳走してくださると言うなら断るのも悪いですし与りましょう。
あ、ラーメンなんかいいですねラーメン!」

兎にも角にも平穏な出会いが一つ増えた。そういう事にして私は品目に注文をつけて霧依さんの後をついていきましょう。
尤も動きが妖しいな、とか思ったら脱兎の如く逃げるのは言うまでも無い事ですが。

霧依 > 「可愛い相手と出会ったのに、すぐに食事に誘わなかったことを謝らないといけないから。
 それじゃあ、行こうか。
 ラーメンなら、そうだな………。この近くにとっても美味しい店はあるんだ。
 濃いスープと澄んだスープの二種類、好きな方を選べるから。」

なんて、ウィンクをぱちりと。
相手の尻尾のふくらみはちゃんと理解するけど、流石に飴をぶちまけたことを悪いとは思っているのか、そんなに無茶はしないだろう。

今日は。


食べ終わってから、きっとお部屋に誘って丁重に断られてしまうのだろうけれど、連絡先の交換くらいは許してくれるかも、しれない。

ご案内:「商店街」から因幡幸子さんが去りました。
ご案内:「商店街」から霧依さんが去りました。
ご案内:「商店街」に斉藤遊馬さんが現れました。
斉藤遊馬 > (ハロウィン。橙に紫に黒。色彩を変えた商店街。)
(ところどころに人形、風船、立て看板。かぼちゃにこうもり、お化けに魔女。)
(季節のイベントに敏感なこの路地。店員も仮装していたりと、中々に気合が入っている。)
(そんな中、携帯ショップの店頭で、展示されたモックをしげしげと眺める少年の姿。)
秋冬の新機種出てからの方がよかったかな……。
(一機種見ては置いて、次を眺めては置いて。)
(どうやら”これだ!”というものが無いらしく、先ほどから暫くそうしている。)

斉藤遊馬 > ……でもなぁ。
(また一つモックを置いて、己のズボンのポケットに手を差し入れた。)
(引き抜かれた手の中、一台のスマホ。少年の愛機である。)
(暗い緑色のボディは、まだ傷も少なく十分使えるように見える。)
(ただ、問題は。)
画面、割れるんだもんなぁ。
(そう。画面に走った皹であった。)
(少年が画面を操作すれば、なんとか反応はしている。しかし。)
急に使えなくなったら、泣くし。マジで。

斉藤遊馬 > これまで風紀でのガサ入れにも、酔っ払いの取り押さえにも、痴話喧嘩の仲裁にも耐えてくれたっていうのに……
(手首を返して、背面、スピーカー、サイドボタン、眺めて。)
(再度画面見てから、はぁー、と深い溜め息を吐いた。)
手を滑らせて落としたら割れるって、ひどいわ……。
(酷いのはお前の取扱では?携帯電話は精密機器では?ケータイショップ隣の雑貨屋の店員は訝しんだ。)
(しかしそれには気づくこと無く、少年はもそもそと携帯をポケットに仕舞い直す。)

斉藤遊馬 > へっぷし

あっ

(映像作品ならスローモーションになっている。)
(少年の脳内時間も引き伸ばされ、世界が間延びしたように感じられて。)
(それでも現実の時間は一瞬である。ポケットに入れ損なった携帯は地面に落下した。)
(トーストを落とせばバターを塗った面が下になる。)
(ならば携帯電話ではどうなるか。無論。画面が下だろう。)
(狼狽えることができる所まで、脳が現状を理解していない。)
(少年は呆然としたまま、しゃがんで。)
(恐る恐るというように、携帯を拾い上げ、ゆっくりと、ひっくり返せば。)
携帯が……死んだ……
(全面に罅が広がった画面を見た。少年の心も死んだ。)
ま。
(開いた口。あー……と声とも息ともつかぬ音を漏らしてから。)
まじかぁー……。
(項垂れた。)

斉藤遊馬 > (先ほどと同様に画面にタッチしてみるものの、反応する様子は無い。)
(辛うじて画面端、僅かばかり反応が見えるものの、ロック解除にすら至らない。)
(つまり今、少年の長年の相棒は死んだのだ。)
ぐえぇー……。
(手に持った携帯を額のそばに寄せて。すまん、と小声で呟いた。)
(数秒そのまま固まっていただろうか。)
(手を下ろした。深呼吸一度。)
よし。機種変しよ。
(表面上はすっぱりと、諦めをつけたように見えた。)
(改めて己の携帯電話をポケットの中へと仕舞い込めば、ショップの中へと足を踏み入れる。)

ご案内:「商店街」から斉藤遊馬さんが去りました。