2016/11/11 のログ
ご案内:「商店街【常世祭期間中】」に大河さんが現れました。
大河 > 特別対策部に(望まず)所属してからの数週間、男は働き詰めといってもいい有様であった。
その分の報酬こそ出るものの、基本的に楽な仕事と言っていいものはほぼ一つもなく
激務と呼んでいい終わらない依頼の連続は、如何な男といえど流石に堪えるものがあった。

「あ゛~…」

商店街に立ち並ぶ店の一つで、ゾンビの呻き声の様な声を上げて椅子にもたれかかる。
テーブルには男が頼んだものであろう料理の皿が、積み木のように重なっていた。

大河 > 「あいつ等人の事こき使いやがって…」

食事を取り、久々の休みで疲れも抜けてまず頭に思い浮かぶのは、あの女性のような顔立ちの部長と
魔法使いを名乗る同僚の姿。

そして連鎖して思い出す、ギルバートが上司となったきっかけの自宅の崩壊と
シングと共に子守をする羽目になった
フィリップという名前の我侭な子供の護衛任務。

「…」

お冷を飲みながら、睨むような表情で舌打ちをする男を
正式な部活の所属者だとは、誰も思わないだろう。

大河 > 「ありがとう」

ふと、思い出しているうちにフィリップと呼ばれたあの少年が
助けた際に口にした言葉が、脳裏を掠める。

「…そういやあいつ、今何してんだか」

そのまま記憶はどんどん時を遡り…やがて、自分が覚えている限り
最も昔の記憶が、引き出される。

大河 > ―――

???「そうだな、大河なんてどうだ、何か虎っぽいし、強そうでいいだろ!」
雨の降る中、まだ少年だった彼に対し、目の前の人物はそんな事を口にする。

???「よし、決まりだ!やっぱ名前がなくちゃ呼ぶのも面倒だしな!お前は今日から大河って名乗れ!」

少年が黙しているのを肯定と受け取ったのか、目の前の人物は
陽気に言葉を続ける。
が、直ぐにそれは一転して、今度は神妙な面持ちで悩み始める。

???「あー、けど名前が決まったんなら、やっぱ苗字も決めとかねえとなあ…
お前、何か名乗りたい苗字とかあるか?」

少年は興味がないといった様子で、目の前で一人くるくると様子の変わる人物を眺めている。

???「特になし、か…ん~、と、な、る、とぉ…どうせならこう、ビッグな苗字がいいな!
折角名前が強そうなんだしよ、あー、そうだな…お、そうだ!」

目の前の人物が、何かをいい案を思いついたのかその表情が一気に晴れる

???「よっし!今日からお前の苗字は―――」

大河 > 「…いっけね。」

いつの間にか眠っていた男が、目を覚ます。
あたりはまだ明るく、店の前の通りは祭事という事もあり人で賑わっている。

「…妙なもん思い出しちまったな。」

余り思い出したくない記憶だったのか、神妙な面持ちで
何かを考え込む。

大河 > そのまましばらくゆっくりとしていたが、やがて携帯からかかってきた電話に出ると
舌打ちをして店を去っていった。

ご案内:「商店街【常世祭期間中】」から大河さんが去りました。