2016/11/14 のログ
ご案内:「商店街【常世祭期間中】」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 先日、とある事が切っ掛けで知り合った風紀委員会所属の少女から薦められた…風紀委員会。
あの後、書類等を必要な物を揃えて面接に行ったが、何とか無事に審査は通った。
正直、異能に関してがネックではあったが何故かそこは見逃された…のだろうか?
そして現在、商店街の見回りを先輩の男子風紀委員と共に行っていた。…いたのだが。

「……先輩は…サボリかな……そんな気配あったけれど」

何かソワソワしてたし、用向きがあったのだろう。己の赤い風紀委員会の制服を見下ろして。
何と言うか、凡人を目指す自分にとってこの色は目立って苦手だった。
やれやれ、と嘆息を零しながら口元をマフラーで覆いながら見廻りを再開する。
とはいえ、新人一人で見回った所で大した成果にはならないだろうけれど。

(いや、成果があったらあったで問題なんだよなぁ…トラブルが起きたって事だし)

死んだ魚のような瞳を左右に向ける。地元の人で賑わう商店街。
が、学生街から流れてきたのかどうか知らないが、生徒の姿もちらほらと伺える。

飛鷹与一 > 学生街や歓楽街に比べればこの辺りは平和、とは行かないまでもトラブルの類はやや少ない。
地元民が多いからかもしれないが…と、思いながら見廻りをしていたら喧嘩を見かけた。
どうやら生徒同士の喧嘩らしい。それを眺めて状況を確認する。周囲は遠巻きに眺めているようだ。

(……まぁ、俺が仲裁するしかないんだよなこれ)

こちらに何人か視線を向けてくる。風紀委員会の制服を纏っているからだろう。
そのまま、喧嘩をしている男子生徒二人に声を掛ける。

「……あの、すいません風紀委員会の者です、が――!?」

タイミングが悪かったらしく、ヒートアップした双方から拳が飛んで来た。
反射的に、身に染みた古武術と護身術の動きでザッ!と無駄の無い足捌きで後退。

「……落ち着いてください。もう一度言いますけど風紀委員の者です。事情を説明し――!」

今度は蹴りが飛んで来た。何でだ…!と、思いながらも顔は無表情の新米風紀委員。
反射的に蹴りを右腕で外側に軌道を逸らすようにしていなして受け流す。

(……双方共に相当にヒートアップしている、と。この場合どうすればいいんだろうか)

咄嗟に蹴りをいなした右腕が痺れるように痛い。別に超人や達人のレベルではないのだからしょうがない。

飛鷹与一 > 気が付けば、派手に喧嘩していた筈の男子生徒が双方ともこちらをターゲットに定めている。
正直勘弁して欲しい。一対一で対峙するならまだしも、一対二はキツい。

(他の人ならこういう荒事も対応余裕なんだろうけれど…!)

殴りかかってきた一人目の右ストレートを左手で外側に軌道をいなして交わし。
続いて二人目の膝蹴りを後ろに飛んで交わす。この場合こちらが制圧するしかない。
とはいえ、流石常世島の生徒だ。身体能力も地味に高そうで…嫌になる。

「少しは…人の…話を…っ!聞いて欲しいん…です、けどっ…!」

攻撃を交わし、防ぎ、いなしながら口にするが相手は聞く耳を持ってくれない。
あくまでこちらからは攻撃を仕掛けないのが少年の基本スタイルだ。
この場合、それが災いして攻め立てられているのだけれど…それでも全部直撃だけは避けている。
勿論、余裕でやっている訳じゃあない。少年は顔には出ていないが必死だ。

飛鷹与一 > 『っの野郎、ちょこまかと!』『いい加減当たれよゾンビ野郎が!!』

口々に攻撃を仕掛けながら罵倒してくる男子生徒×2。んな理不尽な、と内心で思いつつ。
ゾンビ野郎は流石に酷い…多分、生気のない目付きをしているからだろう。

「だから、商店街で喧嘩するのは止めてくださいと、風紀委員として注意を…っと!?」

拳が飛んでくる、と思えばピタリ、とそれが不意に止まり。
嫌な予感がして思い切り上体を逸らす。鼻先スレスレを掠める薙ぐような蹴り。
拳はフェイント、側頭部狙いのこの蹴りが本命だったらしい。…よく交わせたものだ。

(とはいえ、そうそう何度も交わせそうに無い…むしろ、応援は…駄目だ、周囲に風紀の人は居ない)

必死で対応しながらも周囲に時々視線を走らせる。が、どうやら応援は望み薄のようだ。
こちらから仕掛ける事はあまりしたくないのだが、いよいよそうも言ってられなくなってきたかもしれない。

(むしろ、そろそろ疲れてきたぞ…どんだけタフなんだこの不良生徒さん達は)

飛鷹与一 > 「……。」

仕方ないか、こちらも疲れてきたし。と、割り切れば不意にこちらから一歩前へ。
踏み込みと共に男子生徒1の片足をこちらの足で踏み付け。
一瞬、油断した生徒の顎を掌低でかち上げて脳震盪でダウンさせる。
そして、二人目へと即座に最小限の足のターンで切り返して向かい合う。

(……正当防衛になるのかなぁ、これ…)

そんな事をフと考える。直後に相手の拳を身を低くして掻い潜り、肘打ちを叩き込んで悶絶させる。

「……ハァ…ハァ…取り合えず…制圧、かな」

息を乱しながらスマホを取り出して本部に連絡。応援を要請しつつへたり込む。
周囲の商店街の人達から拍手を送られるが、そちらに軽く会釈くらいしかする余裕が無かった。

「…初仕事でこれ、かぁ。どうなるやら本当に…」