2017/03/20 のログ
ご案内:「商店街」に美澄 蘭さんが現れました。
美澄 蘭 > 休日の午後。蘭は商店街の雑貨店を訪れていた。
どちらかといえば、フェミニンな質感の品揃えの。

ホワイトデーに、まさかまさかの出来事があり過ぎて。
それでも、関係の破綻だけは起こらなくて。
最後に、お返しに立派なものをもらったのはいいものの…
しばし悶絶した後、蘭は気付いてしまったのだ。

もらったものを家族に見られたら すっごい叱られる という事実に。

美澄 蘭 > 蘭の親や祖父は、蘭の将来に関することや、能力に関することではそうそうお金を惜しまないでいてくれた。蘭は、そのことにとても感謝している。
…しかし、その一方、「自分の身の丈に合ったものを持つ・消費することを意識する」ということに関して、とても厳格だった。怒鳴られたりしたわけではないが。
しかも、普段は優しい父が、こういう場面では「田舎の古い家」という出自に相応しく、容赦がない。

個室が余分にある部屋に引っ越しをして、今後は度々家族は部屋を出入りする。
そんな場面で、機械式の懐中時計なんぞ見つかろうものなら…まあ、お察しである。蘭はまだ学生なのだから。

そんなわけで、蘭は雑貨店にそれを入れておけるものを探しに来たのだ。
鍵付きの、アクセサリーボックスのようなものを。

美澄 蘭 > (出来れば、他にも入れておけるアクセサリーなんか買っても良いかも。ちょっとしたやつ)

そんなことを考えながら、鍵付きのアクセサリーボックスがまとまって置かれているエリアを、この少女らしくないややふわっとした足取りで行き来している。
どういう構造になっているのか、開けて確かめてみたりして。

(出来れば、段になってるか何かして開けてすぐ見えないやつで…
ああ、もちろん肝心のものが入らないとお話しにならないわよね)

もちろん、大きさが確認出来るように、肝心のものは今日も持って来ている。
鞄のストラップにチェーンをかけて、鞄の中に入れてあるのだ。

美澄 蘭 > 「………結構、難しいわね………」

部屋の大きさやらを考えると、あんまり大きいボックスは置けない。目立つし。
そんな中で段数があるものがは深さが足りず、かといって段がないと、開いたらすぐ見えてしまうわけで。

ちょっとばかり、アクセサリーボックス選びは難航していた。
デザインが気に入ったものから構造を確認し…たまに懐中時計を取り出して、入るかどうかを確認して、少ししょんぼりする。
そんなことを、繰り返していた。

何より…鍵は必要なのだ。絶対に。ちゃちなものだとしても。

美澄 蘭 > そうして、今度はオフホワイトの、ちょっと曲線を帯びたコンパクトなデザインのボックスに手を伸ばしてみる。
開けてみると、鏡があって…収納スペースは二段。見た目の割に、下の段は1つ1つの区切りが大きめだ。
下の段の大きめのスペースに懐中時計を合わせてみると…少し、余裕を持って納まった。
蘭の瞳が少し光を増す。それから、付属の鍵を確認して…

「………うん、大丈夫」

満足げに頷く。おもちゃみたいな鍵でもいいのだ。物々しい方が、よほど悪目立ちする。
デザインも、蘭の手に届く価格帯では、まあ悪くない。

美澄 蘭 > そんなわけで、懐中時計をそのボックスを手に取って会計まで持っていく。

「これ、お願いします」

会計の店員に差し出して、お会計。

結局、蘭はボックスを選んだ達成感と軽めの疲労感で満足してしまい、アクセサリーなどを追加で買うことはせず、その雑貨店を後にしたのだった。

ご案内:「商店街」から美澄 蘭さんが去りました。