2017/10/09 のログ
ご案内:「商店街」に藤巳 陽菜さんが現れました。
藤巳 陽菜 > 「冷えるわね。」

陽の落ちかけた商店街。一日の中でも人が多くなってくる時間帯。
そんな風に呟きながら一人の女子生徒が大量の食べ物を乗せた買い物用のカートを押しながら歩く。
寒さ、それは今の身体。蛇の身体下半身を持つこの体になってからは特に気になっていた。
地面に触れている面積が多い分そこから体温を取られてしまう。
衣服で寒さを凌ごうにもこのラミア向けの服なんてものは異邦人街の方に行かないと見つからないだろうし…。

今はまだ身体を覆う鱗と下半身に溜まった…贅肉とかで何とか防げるがこの先どうなるか…。

藤巳 陽菜 > 「異邦人街の方にも行くときが来たのかしら…。」

行こう行こうと思っていたが結局、一回も行っていない。
…行ってしまえば元の身体に戻る決心が鈍ってしまいそうだったから。
だが、一時的でも元の身体に戻れる方法が見つけられそうな今ならその心配はないだろう。

それより今はご飯の話だ。

「…あと、何がいるんだっけ?」

メモを取り出して確認する。後は…卵、肉。幾つかの日用品。

「えーと、卵とかはスーパー…こっちは今日は肉屋かな?」

まとめてスーパーで買ってもいいのだけれど大量に食べるこの身体。
一円でも安鋳物を選んでいかないとお金はすぐになくなってしまう。

藤巳 陽菜 > 卵に肉。日用品。必要な物を全て揃えてベンチに座って一休み。
山盛りになった自前の買い物カートを見れば何となく冬ごもりする前の動物を思い出す。

「…ラミアって冬眠するのかしら。」

種族というか生まれた世界によって違うのだろうけどそんな疑問が頭をよぎる。
もしかしたら、自分がこんな風にお腹が空くのも冬眠の準備なのでは?

そんな疑問を抱いたけれど実際どうなるのかは来てみないと分からない。

ご案内:「商店街」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > 「よう、藤巳じゃねえか。」

夜更かしが過ぎた所為か、今日は昼過ぎまで寝こけていた。
目が覚めて食べ物を探したが、案の定と言うか何と言うか冷蔵庫は空っぽ。
どうにも動きたくないと主張する身体を無理やり動かして、散歩も兼ねて商店街まで来てみれば。
見慣れた半人半蛇の姿を見つけて声を掛ける俺だった。

「お前さんも夕飯の材料調達かい。」

藤巳 陽菜 > 「あっ暁先生。こんばんは。」

聞きなれた声に視界を上げれば見慣れた教師の姿。
無理に動いているように…疲れているように見える。

「今日から水曜日くらいまでの分をまとめて買ってるんですよ。
 …ポイントが多めに付きますし。
 それにまとめて大目に作って冷凍しておけば楽ですしね。」

友達がやっているのの真似だ。

「先生は何か疲れてるみたいですけど仕事の帰りに来たとかですか?お疲れ様です」

暁 名無 > 「はいよ、こんばんはっと。」

ひらりと手を振って挨拶に応える。
うーん、やっぱりどこか気怠い。飯は諦めて寝てれば良かったか。

「はは、何だかすっかり主婦みたいになってんな。」

少なくとも俺は買い物をする際にそういうことを意識したことは全く無い。
精々が特売日を覚えておく事くらいで、買う物は大体カップ麺。
冷凍もする必要のない独身貴族の強い味方カップ麺様だ。

「んー、ちょっとな。
 昨日夜更かしし過ぎたっつーか、半分徹夜みたいなもんだったつーか。
 一応今日は仕事休みだから、さっきまで寝ちゃ居たんだけどな。」

しかしただ夜更かしをしただけでこの倦怠感は異常だ。
となると思い当たる原因は……まあ、人類の天敵と称されるだけの事はあるってことだな。
俺はぼんやりと昨夜の邂逅に思いを馳せる。

藤巳 陽菜 > 「一人で何人分も食べますから少しぐらい気にしとかないと…
 仕送りとかホント全部食費に消えますからね。」

割と切実な問題だった。
そして陽菜はそこまで気にしながら美味しそうなものがあったら我慢できずに買ってしまっていた。
…それはそれ、これはこれなのだ。

「徹夜…大変ですね。何か研究とか?仕事とか?
 …流石にいくら暁先生でも遊んでて徹夜とかではないですよね?
 まあ、プライベートに対して色々言うつもりはないですけど体には気を付けてくださいね。」

いや、この先生なら遊んでいて徹夜…あり得るかもしれない。
そこに対して文句を言う事はないけど…教師としてはどうだろう?

暁 名無 > 「前も言ったかもしれんけど、多少は自制心をな……。
 無意識のうちに食っちゃうってんならともかく、美味そうだなとか、食べたいなって思ったら我慢するってのも大事だぞ?」

藤巳の異能がどういう原理で発現しているのかは不明なままだが、
それでも自制心を養うのは大事だろう。
自分自身を御しきれないのに、異能を御せる訳もない。

「いやまあ、一応学校には居た訳で、遊んでたって訳じゃ……。」

一概に否定しきれないし、仮に遊びだとしてだいぶ色んな意味でギリギリラインでの遊びだったと記憶している。
でも一教師として生徒を導いていたのだと考えればまだ……まだセーフだ多分…。

「んまあ、そんな事よりも。
 最近随分朝晩と冷える様になったよな、風邪とか引いてないか?」

藤巳 陽菜 > 「我慢はしてますよ。我慢しないと多分キリがないですし。
 でも、自覚して食べてる分無意識で食べてるよりはマシだと思います。
 …まあ、努力はしてみます。」

この身体になってからまだお腹いっぱいになった事がない。
食べ放題の店に行った時もお腹一杯にはならなかった。
それでも、満腹になるまで食べ続けないのはまあ一応自分で制御できてるうちには入るだろう…ギリギリなると思う。

それより無意識で勝手に食べるの方が怖い。
何を食べ物と思ってしまうかが分からない。何を食べてしまうかわからない。

「一応?まあいいですけど。」

遊んでいたわけでないのなら特にいう事は無い。
学校というなら多分一人だろうし…。

(…いや、だから私がプライベートをそこまで気にする必要もないけど…。
 ないんだけど…!)

「ええ、今は大丈夫です。
 でもこの先寒くなったらちょっと不安ですけど…
 一応下半身が生身で地面に着いてるので冷えそうですし…。」

暁 名無 > 「あんまり無理強いをさせたくは無いんだが、金銭も絡んでくると厄介だしな。
 そもそも恒常的な大食は蛇としても異様なんだが……」

瞬間的な大食いならまだ理屈は通じる。
しかし恒常的なものとなるとちと分からない。
そもそも動物と言うのは、特に肉食動物は、そう頻繁に食事をするわけではないのだ。

本当に藤巳の食欲の過剰増加は異能の所為なのだろうか。
それとも……いや、余計な憶測はすべきじゃないな。

「一応。
 うっかり屋上で転寝とかしたりとかしてたのさ。」

その後の展開はそっと心に秘める。
藤巳が知ったらどんな顔でどんな罵倒をされるか分かったもんじゃないし。

「そうだよな、流石に寒いよな。
 うーん、保温タイツとかそういうのを穿いてみるとかどうだ?」

あるいはいっそ魔術でプロテクトをかけるとか。

藤巳 陽菜 > 「そろそろ持たないレベルですし…。
 ええ、蛇は一回食べたら暫く食べなくても大丈夫なんですよね。」

この身体になった時に調べた、蛇は一回食事をとれば何日も持つらしい。
変温動物の蛇と違いこの身体は恒温、人ほどの体温だが幾らなんでも食事量は多い気がする。
あまりにも燃費が悪い。

「…先生こそ風邪とか引かないでくださいよ?」

大方、休憩してたらそのまま寝てしまっていたのだろう。

「この身体に合うやつってあるんでしょうか?
 異邦人街とかなら売ってますかね?」

暁 名無 > 「そうなんだよ。
 いくら半分が恒温だからと言っても、幾らなんでも過剰すぎる。」

運動量が多いのならまだ分からない事も無いが、どう見ても藤巳は体育会系とは程遠い。
それに、蛇の半身を動かすのに不慣れだったころに比べ、今は余分なエネルギーも使わず身体を動かせている様に見える。
となると、本当に何が原因なのだろうか。

「あはははは、気を付けまーす。」

一日二日寝込んだところで特に困る様なことはない。
授業の方は少し進み過ぎてるところがあるし、積んでる研究や仕事も特に無い。
いっそ休暇でも取ろうかと思うほどだ。

「そりゃあるさ、異邦人街だけど。
 いや、学生用としてこっちの方でも売ってんじゃねえかな……
 あとはもう蛇の方は諦めて、その分人間体の方でとにかく厚着するかだ。」

藤巳 陽菜 > 「あっ全身恒温ですよ?
 触ってみます?あっ上側の方触ってくださいね。」

そう言って尻尾を先を教師の方へと向ける。
…温度は人肌程度、鱗に覆われた感触人とも蛇とも違うそれはきっと珍しいものだろう。
その珍しさ、異常さが燃費の悪さの一因かもしれない。

「本当に気を付けてくださいよ?
 ちゃんと昼以外にも野菜も食べて、夜もしっかり寝て、手洗いとかうがいとかも…。
 …風邪ひいて他の人に移したりしてもあれですし…。」

軽い返事に対して更に言う。
授業の進行に問題がないにしても体調が良いには越したことない。

「ありますかね?あんまり見たことないんですけど…。」

需要はあまりなさそうだからちゃんとしたところにしか売ってないかもしれない。
制服屋さんとかなら売ってるだろうか?それか異邦人街まで足を伸ばすか。

「うーん、それもありですね。
 お金も抑えられますし…。」

暁 名無 > 「全身?
 ……えっ、あ、触っていいのか?」

向けられた尻尾を見て、思わず身構える。
爬虫類が苦手というわけではない、むしろその逆だ。
なので一度触れば気が済むまで離さないだろう自覚がある。
が、折角の申し出を無下にするのも悪い気がする。悪いな。うん、悪い。

「じゃ、し、失礼して……」

恐る恐る尻尾の先に触れる。
そこからはもう黙々と。黙々と藤巳の尻尾の手触りを堪能し始める。何だこれすげえ。おもしれえ。

「はーい、はーい……はーい。
 っとに、藤巳はお母さんみたいだな。」

黙々と尻尾を触りながら生返事を返す。
もう俺の体調とかそういうのは割とどうでも良いというか、ああこれ凄い。もう一日中触ってられそう。

「そういや、こないだお前さんに似合いそうなマフラー見つけたんで思わず買っちまったんだけどさ。
 明日の弁当受け取る時にでも渡すわ。いつもの弁当のお礼とでも思ってくれ。」

忘れてた忘れてた。
パチンコで大勝した帰りに買ったものが、研究室の机に置かれっぱなしだ。
機会があれば渡そうと思っていたのに、中々機会がなかったからなあ……。

藤巳 陽菜 > 「はい、先生が嫌でなければ。」

一瞬、身構えられた。
…流石に触るのは躊躇したのだろうか確かに爬虫類特に蛇は苦手な人も多い。
と、思ったが杞憂だったようで普通に触り始めた。

「元の身体に戻るまでの期間限定ですからできるだけいっぱい触っとかないと損ですよ?」

元に戻れるのは幾ら先か分からないけどそんな風に言う。

(…何か変な感じ。)

触られる感触がとかじゃなくて…暁先生が必死になって尻尾に触ってるのが何かムズムズする。
嬉しいような、恥ずかしいような、優越感みたいな、言葉に表せないそんな良く分からない感じがする。

「あぅ、マフラーですか?流石に少し早いような…。
 でも、ありがとうございまぅ!下側の方は触らないでください!」

変な声が出る。
…これはあまり良くない事かもしれない。