2017/10/10 のログ
暁 名無 > 「じゃあもう触れるだけ触っとかないと。」

ラミアの尾に触れる機会なんて滅多にない。
鱗の感触から温もりまで、手から伝わる情報は何一つ逃すまいと俺は触れ続けた。
いっその事巻かれてみたいという欲望まで芽生え始める始末だが、流石にそれはぐっと押さえる。
またセクハラだとかなんとか言われそうだし!

「あっ、悪い悪い。
 でも、何だ。すごい興味深いな、幾らでも触っていられそうだ。
 そういや藤巳、脱皮は?もう脱皮は経験したのか?」

正直どこまでが触っていい範囲なのか、把握しづらい。
多分排泄孔とかその辺りは当然として、
普段接地してるところも、人間で言う足の裏みたいなものでくすぐったいのかもしれない。

藤巳 陽菜 > 「先生には耳を触らせてもらいましたし。
 …お返しみたいなものです。」

思いついた言葉を今更、言い訳みたいに言う。
あれが無くても触らせていたとは思う…いやどうだろう。

「先生、暁先生がこんなに夢中になってるのはっ!
 先生があっ、生物の先生だからなんですよね?」

くすぐったいや他の感覚に少し声を漏らしながらそんな事を聞く。
聞いてしまう。

「っ…まだした事ないです。
 ぅん…その先するかもと思うと…不安な感じはありますけど。」

くすぐったい、でも止めることなくそのまま話を続ける。
触って良いと言ったのは自分だ。

暁 名無 > 「いや、あの時は……」

最終的に藤巳の胸に顔を埋めた状態になっていた気がする。
いや、藤巳自身は多分俺の耳の方に意識が集中してて気づいてなかったように思えるけども。
だからあの時のお礼と言われると、むしろ俺の方が何かしなきゃいけないような気がしてならない

「え?……まあ、そうだけど。
 それに、藤巳が元の身体に戻る為にもちゃんと現状は把握しておかないとな。」

急に何を聞きだすんだろう、と首を傾げる。
他に考えられる理由があるのだろうか。……俺には分からないけども。

「そっかそっか、どんなふうに剥けて来るんだろうな。
 全体が一気にスルーっと抜けるのか、それとも人みたいに少しずつ剥がれるのか……
 兆候があったら言ってくれよな。手伝うから!」

我ながら少しばかり興奮し過ぎの気もするが、無理もないことなのだ。
だって普段生徒の前で動物好きは公言してないし。
隠して抑えてる分、こういう時に少し暴走気味になるんだろう。後で反省しよう。

藤巳 陽菜 > 「そう…ですよね。」

陽菜自身にも何故か分からないけど少し寂しく。

(…何だろう?この感じ。)

「じゃあ、しっかり覚えてください。
 構造も、見た目も、この触り心地も全部。 
 …ちゃんと把握して…覚えておいてください。」

覚えておくことは確かに元に戻るための理解につながるだろう。
でも、それだけだろうか?

「さあ…?何とも言えませんけど…。
 手伝うってそれは…えーとセクハラでは?」

普段のセクハラからくる言動ではなく、純粋に興味から言ってる。
言葉に熱が籠ってる。
でも、それはそれとして恥ずかしい気持ちはある。

「…まあ、分からなくなったら頼りにしてます。」

暁 名無 > 「ああ、覚えとく覚えとく。
 今後ラミアの下半身に触れるなんて事あるか分からないしな。
 そもそも藤巳で初めて触ったし、
 いやずーっと気にはなってたんだけど、流石に俺から切り出すのは気が引けてさ。」

どうせなら尻尾の先と言わずほぼ全体をくまなく触れてみたい。
本物の蛇とどこが同じで、どこが違うのか。
触れられて弱いところは同じなのか。気になる事は山ほどある。
でも、流石に今この場でそれを確かめても良いか聞くのは気が引けた。だって屋外だし。

「えぇ!?どの辺がセクハラ!?
 ……いや、もしかしたら上半身も脱皮が起こるかもしれない……そうしたら確かにセクハラになるだろうけど……。」

その場合はその場合で、凄く興味深いからやっぱり居合わせたい。
でも流石にそれはセクハラで言い逃れも出来ないからなあ……

と、気付けば大分時間が建っていた。
名残惜しいが俺も買い物を済ませないと。

「よし、よーし。
 とりあえず、俺も買い物行かないとだし、そろそろ良いかな。
 サンキュー、藤巳。貴重な体験をさせて貰った。」

出来ればまた、もっとくまなく触れたいが。
それは日を改めて、藤巳に頼んでみるとしよう。

藤巳 陽菜 > 「私ので参考になるかは分かりませんよ?
 私ラミアじゃないですし…。」

この姿になっているのはあくまで異能のせい。
純粋なラミアではないしそもそもラミアかどうかも分からない。
違う部分が多すぎる。

「…下半身も…その一応私の身体ですからね。」

上半身にしか興味がなさすぎる。
…流石に上半身の脱皮が起こる事は無いだろうけど。

「ええ、多分異能でこんな風になった身体をそんな風に触ったなんて
 世界でもかなりレアな体験ですよ?」

男の人では初めてかもしれない。

「はい、それじゃあ。また学校で会いましょう。」

離れた手に少し寂しさ、物足りなさを感じてしまう。
でも、それは表情にも出さずに手を振って。

暁 名無 > 「あっ、確かに……
 てことは、ちゃんとした本物のラミアにも触ってみないといけないのか……?」

確かに純正ラミアと藤巳が同じであるという保証は無い。
それなら比較してみる必要はあるのかもしれないが……でも。
触り心地は普通に蛇のようだし……ううむ。

「あっ、はい……いや、それは忘れてないけど!」

許可を得たとはいえその身体を撫で回しているという事実がとても重い。

「あ、そうなんだ……思った以上に貴重な体験をしてたわけか。
 ふむ、じゃあ次は上半身を……って流石にそれはセクハラか。」

へらりと笑いつつ、俺は目当てのスーパーへと向け歩き出す。

「おう、それじゃーな。
 また弁当楽しみにしてるぞー。」

ひらひらと手を振りかえして、そのまま俺は雑踏の中へと消えていくのだった。

ご案内:「商店街」から暁 名無さんが去りました。
藤巳 陽菜 > 「ラミアの人が触らせてくれるかは分からないですけど…。」

いくら研究目的と言ってもそう簡単に身体を触らせたりはしないだろう。
増して男性相手にである。ある程度の信頼が無ければ触らせてはくれまい。

「…まあ、別物って言えば別物なんですけど。
 触られた感じはするので…。」

自分の物だけど自分のものではない。
そんな状態。

「ええ、完全にセクハラです。」

いつもみたいなセクハラにムスッとした表情を作って返す。

「ええ、私もマフラー楽しみにしてますね。」

そう言って立ち上がると周囲の人の多さに気づく。
…こんなに人がいる中で触られていたのか。
それに気がつけば途端に恥ずかしくなって急いでその場を立ち去ろうとする。

「…はぁ。」

理由も分からない溜息をついたりしながら

ご案内:「商店街」から藤巳 陽菜さんが去りました。