2018/01/21 のログ
狗隠 > 特に何をするでもなく、ベンチに腰を下ろして小休憩をしながら目の前の人の往来を眺める。
落第街やスラムと違い、平和や日常といった言葉がとても似合う光景だ。

「―――…ふむ。」

無意識に零す。悪くない、と思うのは自分自身の意思でそう思ったのか、それとも死者の想念がそう呟いたのか。
どちらにしろ、自分には混じれそうも無い光景だが…少し、そちら側が羨ましいと素直に思ったか。

(…こちらに偶々飛ばされたのは災難だったが、この街並みを観察できたのは僥倖だったかもしれんな)

無論、血生臭い争いが無いだけで裏側ではこちら側もあれこれ問題はあるのかもしれないが。
時々、学生らしき姿もチラホラと伺える。常世学園の生徒だろうか。

「学園……か。それこそ俺には縁遠い場所ではあるな」

狗隠 > 「…さて、ずっとこうしていてもしょうがない。また少し歩くとするか」

よっこらと立ち上がる。執事服にもすっかり慣れたのはいいが、あまり違和感が無いのもそれはそれで問題か。
とはいえ、替えの服を用意する金も無いのでどうしようもないのだが。

(まぁ、衣食住全てが足りない現状は致し方ない。一先ず、それなりの金銭を何とか工面しなければな)

この平和な街並みは正直居心地は良いが、所詮は己は怪異の端くれ。
ずっとこちらに留まる訳にはいかないだろう。そう改めて思いつつ歩き出す。

ご案内:「商店街」から狗隠さんが去りました。