2018/06/18 のログ
■追影切人 > 「…まぁ、そこはオマエの努力と巡り合わせ次第、としか俺からは言えねーけどなぁ」
友達がほしい願望は切実なのだろう。男は特にそういうのが無いせいか、いまいちピンと来ないのだが。
「ふぅん?まぁ無事だったなら御の字ってやつだろうよ…って、んな泣きそうに言うんじゃねぇ」
今にも縋り付いてきそうなアリスに困ったように。どれだけボッチ歴が長いんだ。
「それ、アリスが食いたい奴だろーがよ。俺は甘いモンは食えねぇ事は無いが苦手だしな、そもそも」
と、いうよりこう見えて菓子類とかデザートをあまり食べないのである。
好みを強いて言うなら、甘さ控えめの方が食べ易いとかそのくらいであろうか。
何ともつまらない返答かもしれないが、それが事実なのだからしょうがない。
「まぁ、俺の事はいーんだよ。オマエが食いたいモン奢ってやるし」
まぁ、ぼっちに耐えてきたアリスへの労いとかそういうのもあったりするし。
■アリス >
「努力………」
友達を作る努力。って……何をすればいいんだろう?
考えたら背筋に汗が浮かぶ。
こういうのを、ぼっちじゃない人は雨が降ったら水たまりができるくらい当たり前にこなせるの?
先が思いやられる。
「えー、でも追影さんが食べられないのはやめとく」
「さすがに奢ってくれるっていうのは悪い気がするなぁー」
嬉しそうに髪を触りながら、中華料理屋を指差す。
「あれ! 日本のヌーヴェル・キュイジーヌ・シノワーズ!」
「餃子定食っていうの食べたけど、美味しかったわよ?」
知らないでしょ?と続けそうな笑顔で。
■追影切人 > 「…んーー…まぁ、そこは俺もどうすらいいかはよくわかんねーけどよ?」
何せこちらもぼっちが常みたいなものだ。アドバイスしたいものだが、どうしようもないのが現実である。
「あん?別に俺の事は気にしないでいいっつーの。…ったく、変に遠慮しなくてもいーんだけどな」
と、言いつつも彼女が言う餃子定食にへぇ、と頷いてみたりして。
折角だしそっち方面を食べるのも良いかもしれない。
まぁ、少女と一緒に食べるのが餃子定食、というのも中々にアレかもしれないけど。
■アリス >
この時、私アリス・アンダーソンは知らなかった。
大衆中華料理屋で餃子定食を食べるのは、仕事帰りのサラリーマンみたいだということを。
…後でそのことを知って、友達をそんな場所に誘ったことを
嫌がられなかったかとか、おっさんみたいと思われなかったかとか、一人悶々と考えた。
閑話休題。
「友達のことを気にしないなんて! 寂しいこと言わないでよ!」
「マスター、お久しぶり!」
中華料理屋に入ってテーブル席に座り、得意げにメニューを開いた。
客層に気付くまで思い至らない。
「追影さんは何食べるの? 嘘、ラーメンに醤油味?」
「日本文化は奥深いわね……」
メニューに夢中になる。
ご案内:「商店街」に追影切人さんが現れました。
■追影切人 > ちなみに、その時点で少年は既に気付いていたのだが、彼女を気遣って?か口にしなかったと言う。
お陰で、何とも男女のツレといて訪れるには何とも言えない大衆食堂での食事となる訳だが。
「…あーハイハイ、分かった分かった。取り敢えず、まずはダチを何とか増やさないとな」
中華料理店に入れば、マスターのおやっさんに軽く挨拶しつつ席に就く。
メニューをを見る前に周囲を見れば、矢張りというか客層は偏りがちだ。
むしろ、自分は兎も角として彼女の方が浮いている気がしないでもない。
流石に、この時間帯に金髪碧眼少女が訪れれば否が応にも目立つというもので。
「…オマエ、何だか楽しそうだなぁ。…あー俺は豚骨ラーメンで。こってり系が食いたい気分だし」
飲み物は…まぁ酒を頼むのもアレだし、無難にウーロン茶辺りにしておこう。
■アリス >
「そう! 友達増加作戦! その話し合いが必要よ!」
自分が浮いていることに、この時もやっぱり気付いていなくて。
そういうところが、ぼっちに繋がっているんだろうなって後で述懐した。
「じゃあ、私はマーボー定食とウーロン茶!」
「それは楽しいわよ、友達と食事だもの。生まれて初めてだわ」
にっこり笑って、その日は友達増加作戦の作戦会議をした。
後で自分ばっかり話して、追影さんの話を聞いてなかったな、とか思ったり。
何はともあれ、その日は笑顔で過ごしたし、友達と食べる中華は美味しかった。
それだけは間違いない。
ご案内:「商店街」からアリスさんが去りました。
ご案内:「商店街」に追影切人さんが現れました。
ご案内:「商店街」に追影切人さんが現れました。