2017/11/10 のログ
ご案内:「古書店街「瀛洲」」にレンタロウさんが現れました。
レンタロウ > 「………話には聞いていたが。」

先日、図書館で知り合った少女から教えてもらった場所へと男は来ていた。
きっと驚く。そう言っていたので、どれ程のものかと期待するような思いでいたけれども。

「想像を絶するとは、こういうことを言うのだろうな。」

視界に入るのは書店のみ。
それもやけに古びた外観故に、また違う世界にやってきたのかとも思ってしまう。
軽く眉間に皺を寄せて、少々間抜けに口を開けたままで突っ立っていた。

レンタロウ > 「と、突っ立ってるために来たわけではないな。」

瞬きを数回した後、漸く目的を思い出したと歩き始める。
自分のことに関する情報を集めるべく、此処へと訪れた。
何か関係することが記された書物でも見つけられれば恩の字と言ったところだった。

「店主に聞きながら回った方が効率的か…?」

一々、店の中で探すよりは店主に話を聞いた方が早いかもしれない。
腕組をして首を傾げる最中も、歩を進めるのを止めずにいた。

レンタロウ > 最初は店の中に入っては、陳列されている本の背表紙を流し見していたけれど、
あまりにも膨大すぎる本の量に早々に諦めることを決めた。

「うむ!やはり聞いた方が絶対に早いなっ!店主よ、すまんが聞きたいことがあってだな!」

決めたからには直ぐ行動とばかりに店主に声をかける。
自分の格好と所持品について記述されている書物に心当たりが無いかと、
それこそ片っ端から聞いて回っていく。

レンタロウ > そうして、店主に聞き込みを行うこと数十分。
聞き込みした店主の人数は30を超えたけれど、成果はまだ0だった。

「…少し休憩するか。」

予想していたが、やはり早々思い通りにはいかない。
長めの溜息をついて額を手で押さえつつ、適当な段差に腰かけた。

「似たようなのならば、幾つかあったのだがな…」

ご案内:「古書店街「瀛洲」」に藤巳 陽菜さんが現れました。
藤巳 陽菜 > 魔法薬の作成の手順書。材料の図鑑。
図書館で借りるにしては頻度が多いそう言った本を探しにこの街に来た。
本、本、本。溢れる本の多さに目的の物もあるだろうと期待に胸を膨らませたのは最初だけ。

直ぐにウンザリした顔でこの書店街を歩く…正確には這うことになったのだった。

「はあ、どんな本が私向けかとか書いてる本とかないかしら…。」

そんな風に呟きながら進めば溜息を吐いて沈んでいる男がいる。

(きっと、この人も欲しい本が見つからないんだろうな…)

なんて勝手に親近感を覚えながらその男性へと視線を向ける。

レンタロウ > 1回、2回の失敗ならばまだしも、流石に30回以上も失敗に終わっているとなると、
流石に多少落ち込んだ気持ちにもなる。
しかし、そのままでは進展も何も無いと気持ちを切り替える。

「んーむ…あれか、俺の聞き方が悪いとかか?」

額に当てていた手を離し、腕と脚を組んで考え始める。
ひょっとしたら、自分の質問の仕方が悪いのではないか。
ちゃんと要点を押さえた質問をすれば、見つけやすくなるかもしれない。
そう仮定して、質問内容を頭の中でまとめていき

「よしッ!これならばいける…気がするッ!店主、店主ー!」

すく、と立ち上がり、直ぐ傍の書店へと乗り込んだ男は

「………。」

数十秒後、同じ場所に再び腰掛けていた。