2015/07/01 のログ
ご案内:「常世公園」に綿潟からめさんが現れました。
■綿潟からめ > やせっぽちで小柄な少女が一人、夕暮れのベンチに腰かけている。
血色は悪く、くすんだ茶髪を雑に伸ばし、顔の両脇でリボンでくくっている。
ざっくりとハーフパンツとパーカーを着た姿はいかにも無造作だ。
彼女、綿潟(めんがた)からめは、だらーんと深く腰をかけ、何か考えているのか、辺りを見回しているのか。
と、その足元に鳩が一羽近づいてきた。
からめは訝しげな目線をその鳩に向けたのち、ああ、と頷いた。
「……餌なんてないよ、私の方が餌が欲しいくらいだっつの」
そう無愛想に言うと、片足で鳩を押しのけるようなふりをして追っ払おうとする。
だが鳩は意に介さず、近くをうろうろ歩き続けていた。
からめは溜息を一つ漏らすと、諦めたように、茜色の空を見上げてぼーっとしだした。
ご案内:「常世公園」に楓森焔さんが現れました。
■楓森焔 > がらんごろんと妙ちくりんな音が響く。
そんな音とともにやってきたのは奇妙な風体の少女。
鉄下駄を履いて、白い道着に身を包んだ、それこそステレオタイプな格闘家。
「あー、今日はつかれたー!」
懐にかかえた袋からあんまんを取り出しつつ、それをぱくつきながら。
「ん?」
なにやら気だるげに空を見上げる少女を見かけた。
「よー、なんか見えてんの?」
相手の素性を特に気にすることもなく、陽気な口調で声をかけた。
■綿潟からめ > やかましい音に、空を見上げたまま少し眉を寄せた。
なんだか近いところで止まられてしまったな、と思っていたら、声をかけられる。
億劫そうに顔を降ろして、楓森を見た。
鉢巻きを巻いた頭から鉄下駄の足元まで、隠すことなく目線を走らせて。
「夕空、紅雲、夏の風」
ベタに詩的なことを言ってから、ベンチの肘置きを利用し頬杖を突くと、鷹揚に眠そうに微笑んだ。
「……が見えるけど。むしろ、何も考えないように上を向いてたから、何も見えてなかったっていうべきかも」