2015/09/07 のログ
ご案内:「常世公園」に須藤流人さんが現れました。
■須藤流人 > しとしと。ここ数日、昼夜問わず雨が頻りに降っている。
まるで地球が夏を早く忘れ去ろうとでもするかのように、涼やかな風を纏った水滴が、天より無数に落ちていた。
そんな中、常世公園敷地内に「ついさっき」出来た店。
雑貨屋「atria」は、あった。
「いやー、まいっちゃうねえ。こう雨続きだとろくに散歩も出来やしない」
ほんのつい数刻前はからりとした秋晴れだったのに、急に雲色が変わったのだ。
久々の晴れに気を良くした流人は公園で散歩と洒落こんでいたのだが、突然の雨模様に急いで瓶から店を出したのである。
「雨の日のこんなところじゃお客もこないだろうし……お金でお天気がいじれればいいんだけどねえ」
嘆息して、カウンター奥のパソコンを点ける。今日は開店というより雨宿りのためのもの。
完全に遊んで過ごすつもりであった。
■須藤流人 > 「秋雨前線、だっけ。参っちゃうよねえ、そんな焦って秋にならなくてもいいのにさ」
まずは日課のメールチェック。mithurinやアヘオクといったショッピングサイトからのメール、懇意にしているブティックからのメール、悪友たちからのゲームのお誘いメール、etcetc...
未読メール数は50を超えていた。
メールタイトルを眺めて、気になったものは内容を仔細に読み込み、あとはまとめて既読ボタンで処理をする。
ここ最近は見なければならない重要なメールも来ず、半ば流れ作業の体だ。
その後にツブヤイッターを閲覧するためのアプリ、fanetterを起動する。
流人のフォロワーとフォロー数は殆ど同じだ。ゲーム等で知り合った人物と互いにフォローをしあう、それだけのタイムライン。
それでもフォロワー数は4桁に達しており、そこそれなりにタイムラインの流れは活発だ。
「『土砂降りなう。さっきまでいーお天気だったのに散々>< だれか神様に文句言ってくれない??』……と」
■須藤流人 > 数回リプライの応酬をした後に、G.L.Onlineのアイコンをダブルクリック。
店ではさすがにバイザーを付けないが、別にコントローラーとモニターだけでもプレイは出来る。
迫力のある戦闘などは体験できないが、収集職などは、バーチャルリアリティを用いないほうが実は効率的に出来たりする。
モニターの画面を俯瞰してみることができるので、採集などにはそのほうが都合がいいのだ。
「えーっと、この時間だと……デリライト鉱石か。あれ最近値下がりしてきたんだよなあ……1Gだけ値段下げてオークション流す奴本当に何なんだよ、オークションの破壊者としか言い様がない……」
いくら顔立ちが整っているとはいえ、モニターの前でブツブツと文句を垂れている姿は、あまり格好のいいものではない。
■須藤流人 > そうして黙々とプレイに励む。これこそが流人の来店待ちスタイルであり、世の商売人が見たら激怒しかねない。
結局のところ、流人は商品が売れようが売れまいがどうだっていいのだ。
自らの異能により宝くじの一等を当てた流人にとって、この店は趣味、お遊びの部類。
客が来れば楽しいし、来なければゲームでもしていればいい。
流人は、これからの人生を一生遊んで過ごそうと思っていた。
■須藤流人 > その日は結局一日中雨で、客もなく、雨が上がるまでずっとずっとゲームに没頭していたという。
ご案内:「常世公園」から須藤流人さんが去りました。