2016/03/04 のログ
ご案内:「常世公園」に城 北風さんが現れました。
■城 北風 > (広い公園の片隅にある、ほとんど使われることのない遊具…)
(その遊具の陰に、一人の男子生徒が立っている。)
「ふむ……いつの間にやら春だな。
この冬はインフルエンザにかかるわ水疱瘡にかかるわ、散々であったわ…」
(言いながらも、どことなくやつれた面差しを自信満々に宙に向け、胸を張る)
「だが!これもまた我が神の下された試練であろう!
神よ!!汝が剣、峻険にも勝る試練であろうが、折れも砕けもしませぬ!!」
(朗々と声を張り上げ、ひとしきり高笑いをする…)
■城 北風 > (男子生徒は手にスマホを持ち、それを操作しながら公園の中をすたすたと歩いていく。)
(随分と早足だ。)
「確かこの辺りが……ああ、こうなっているのか……」
(ブツブツと独り言を言いながら、取り出した方眼紙になにやら書き込んでいく。)
(どうやら地形の調査をしているようだ。)
「この辺は遊具が密集しているのだったな…うまく映らないのも当然であるか」
(また周囲を見回し、すたすたと歩いていく。)
■城 北風 > 「ふむ……ふむふむ、なるほど……
しかしこの島は広いな。全く全容が掴めぬ。
ここに長く住んでいる者たちならば、島のことを詳しく知っているのだろうか」
(やはりブツブツ呟きながら、島の略図と手書きの方眼紙の束を見比べている。)
(さらに、方眼紙に描かれた地図をスマホに取り込み、データ内のマップと照合していく。)
■城 北風 > 「しまった…カメラの方も持って来ればよかったな」
(本来このスマホは本体である受像機と一組で使うものなのだが、男子生徒はうっかり本体の方を忘れて来てしまったのだった。)
(本体はクソ重たいヘルメットなので、病み上がりに持ち歩きたくない、という気持ちもあったようだ…)
「あー……ここが、こうなっておるのだな。それでここは……こちらに繋がると
クソ。たかが公園のくせに広すぎる。島のくせに土地が余りすぎている。
野菜でも育てて売ればブランドになりそうなものなのだがな…」
(細かい作業になるとどうしても独り言が増えるタイプのようだ。)
■城 北風 > 「……よし。この辺りはおおむね埋まったな。次は……ん?」
(一通り作業を終えた男子生徒が荷物をまとめる、その足元に一匹の犬が寄ってきた。)
(薄汚れた子犬だ。)
「なんだ貴様は。我は食い物など持っていないぞ」
(シッシッ、といかにも迷惑そうに犬を追い払おうとするが、犬は離れない。)
■城 北風 > (ふんふんと鼻を鳴らしてすり寄ってくる犬に、迷惑そうな表情を浮かべる男子生徒。)
「…こら。寄るな。我は貴様を助けることなどできぬ。他を当たれ」
(犬を無視して立ち上がり、男子生徒はすたすたと歩き出す。)
(薄汚れた子犬は、その後ろを懸命についていく。)
「………」
(子犬がついてくる気配を感じたのか、男子生徒は足を止め…)
「…!」
(逃げるように駆け出した。)
■城 北風 > 「はぁっ……はぁっ……!
我は……動物は好かん……!」
(走りながら肩越しに振り向く。案の定、子犬は走って追いかけてくる。)
(その様子はどことなく楽しそうですらある。)
「くっ……くそ! あの犬ッころ、何故我に目を付けた……!?」
(たまたま犬が近くにいただけだろうが、それでも動物が苦手な男子生徒にとっては、犬に目をつけられたように思えるのだ。)
「誰か……いや……どこか……はぁっ、高い場所に……!」
(病み上がりで長く走り続けるのが辛くなってきた男子生徒は、逃げ場を求めて走りながら辺りに視線を走らせる。)
■城 北風 > (急いですぐ傍のすべり台の上に駆けあがる。)
(急なはしごのすぐ下で、子犬は足を止めた。ぐるぐるとその場で回り、男子生徒を見上げてキャンキャンと吠える。)
「うぐ…… 一体どうすればいいのだ……」
(すべり台の斜面はツルツルとよくすべる素材でできているため、ここから犬が上ってくる心配はなさそうだ。)
(途方に暮れたような顔で、男子生徒はすべり台の上で膝を抱える。)
「ああ……我のひと時の塒が、あのような邪悪な獣に支配されていようとは……」
(一時期公園で寝泊まりしていた男子生徒にとっては、それなりに思い入れのある場所のようだ。)
■城 北風 > 「……仕方ない。あの邪悪な獣が去るまで、ここで憩うとしよう。
人生は長い。我が神の御許に参るまでの暇つぶしと思えば…さしたる不都合はない」
(フ、と不敵に微笑み、男子生徒は籠城戦(?)を始める。)
(意外としつこい犬が去るまで数時間あまり、男子生徒はすべり台の上でひたすら待ち続け、見事に風邪をぶり返すのであった…)
ご案内:「常世公園」から城 北風さんが去りました。