2016/07/18 のログ
ご案内:「常世公園」に比良坂 冥さんが現れました。
比良坂 冥 > 日の暮れかけた公園
遊んでいる子供や、ベンチに座る人影もなくなってきた時間帯

少女はその公園の砂場にしゃがみこんでいる

ザクッ ザクッ ザクッ

何かが砂場に突き刺さるだけの音が、一定間隔でその場に響く

ご案内:「常世公園」にメグミさんが現れました。
比良坂 冥 > ザクッ

ぽい、と
その手から玩具のショベルが放り捨てられた
おそらく、此処で遊んでいた子供の忘れ物か何かだろう

陰の落ちた顔はどこか重く
僅かにその目が笑むように釣り上がっているが、表情は笑っていない

「……」

ボトッ ボトボトッ

何かが砂場へ投げ込まれた音

「……」

ばさばさ、立ち上がって、足で砂を蹴やるように
掘り返した砂場を埋めた

メグミ >  
 比良坂 冥 。
 その異常な精神性と強力な異能性から保護観察を要する生徒である一人。
 異能そのものはコントローラブルであることからも、一般生徒としての保護観察――と聞いている。
 厳密にはそう解釈している。

(さて……)

 その生徒は今、公園に居る。私の視界内に居る。 
 ……子供用のショベルで掘っては埋めて、掘っては埋めて。
 何かしらの行為を繰り返している表情は昏い。

 暫し考えた結果、接触を取る事にする。
 
「――こんばんわ。大分、日も暮れてきましたね。」
 

比良坂 冥 > 「……こんばんわ」

ゆらっと砂場から立ち上がって、そちらに視線を送る

「……誰?」

足元には何度も掘り返され、埋められた痕がある

メグミ >  何度も掘り返されては埋められた後。
 偏執あるいは強迫によるものか。一度見遣り、その様に思ってから思考の隅に置く。
  
「――ぁ、すみません。メグミと申します。風紀委員の者です。
 少しだけ、比良坂さんの具合をお伺いに参りました。」

 柔らかい物腰で、片手を胸元に置いて礼をする。
 その言動を裏付けるよう、外套の上からは風紀委員の制服が見え隠れしている。
 
「最近の生活は如何ですか?
 聞かせられる範囲で構いませんので、答えて頂けると嬉しいです。」

比良坂 冥 > 風紀委員、という言葉が出ると 途端にその場の空気が重くなった
心なしか街頭の灯りを遮って出来た陰が濃くなったような印象すらも与える

「……ご苦労様…両親なら相変わらず行方不明のままだよ。
 …どこにいったのかなあ…こわいね…この島……うふふ」

言いながら、一歩ずつゆっくりと近づいてゆく
保護観察
この島に来る原因になった殺傷事件のこともあり、こうやって風紀委員の監視がつけられている
それほど強い監視ではないものの、時折こうやってこちらの 状況 を把握しに来るのだ

「……特に変わりないですよ。
 あ…オトモダチが増えたり減ったりはしたかな……」

じぃ、とその全身を舐めるように、濁った瞳が眺めまわす

ジジ、ジ、という音と共に街頭が点滅する

メグミ >  
 ――一瞬だけ身を強張らせた後、直ぐに気を取り直して身体の力を抜く。
 周囲に怪異的な現象や空気の変動が生じたものの、それは彼女に因るものだと思えば冷静を保つ。

「分かりました。
 ……では、学生生活の面で困った事はありませんか?」

 神秘的・超常的な存在を取り扱う召喚師である性質上。
 神格・怪物や化け物と呼ばれる様な、一般人の常識から逸脱した存在とのコンタクトにはそこそこ手慣れている。

 ……決して目の前の彼女を化け物呼ばわりするつもりはないが、
 狂気や非常識に動じない程度の胆力は持っている。つもりだ。
 

比良坂 冥 > 「そんなことより」

一方的に話を遮る少女
その瞳は薄く濁り続けている

「貴女のことを知りたいな……」

これまでの保護観察員は比較的屈強な男やそれなりに年を重ねた人が多かった
自分よりひとまわりほど小さい子がこうやってやってくる、なんてことはなかったのだ

「名前は?何年生…?どこに住んでいるの…?恋人はいるの?友達の数は?休みの日は何をしてるの?
 人に言えないような趣味とかある?初体験はいつだった?最初に意識した異性は誰?普段手入れを気にしてるところはある?
 その髪型を選んでる理由は?シェイプアップとかしてる?講義は何を専攻してるの?
 お父さんとお母さんは元気?ペットは飼ってる?好きな食べ物は?嫌いな人っている?
 カラオケで歌う十八番は?子供の時によくした遊びは?よくいくお店とかある?
 最近あった良いことは?悪いことは?買い食いとかよくするほう?一日三食たべるほう?
 人を叩いたことはある?難しかったなって思う試験は?虫とか好き?私の事どう思ってる?」

ブツブツブツブツブツブツブツ

小さな声で何かを呟きながら、歩みを進めて近づいてゆく
制止する行動を見せなければ、文字通り目の前まで───

メグミ >  
 濁る瞳が此方を捉える。
 会話は割られ、踏み込んで来る。

「ッ、」

 固唾を呑む。一瞬気推されて踏み止まる。
 ――恐らく、反応を間違えると宜しくはないものだ。
 傾いた天秤を直し、長期詠唱用の術式を起動する。
 補助なしにあそこまで喋り倒す事は出来ない。
 
 
「――2年生のメグミ。姓はありません。
 風紀委員神秘対策課に属していますが、恋人は少ないですし友達もいません。
 えっちな事はしなくもありませんが苦手です。身だしなみや運動ははついつい忘れちゃいがちです。
 召喚術を専攻として――」 
 
 ある程度まとめつつ応えに応じてはいたものの、一点の質問で言葉を止める。

「お父さんとお母さんは、死にました。」

 彼女にとっては取るに足らない事ではあるのだろうが。
 軽く流したいものではなかった。吉凶はともかく、その様に言葉と間を置くだろう。
 
 

比良坂 冥 > 一瞬の狼狽えは見逃さない
更にその瞳が混濁し、陰が落ちる

ぱかぱかと点滅するようになった街灯は否応なく不安を掻き立て、無音の公園は何か異様な雰囲気に満ち始めた

「メグミ…そっか、先輩なんだ」

体つきは自分のほうが大きいけれど、そういうのも…惹かれるのかもしれない
時に遮ることはされずにその目前───顔が近く、胸の先端がぶつかるくらいの距離にまで詰めてゆく
ぺろりと紅い舌がその厚めの唇を舐める

丁寧に答えを返す様は何か懸命にも見えて、切実で、真面目で、可愛らしかった
だからこその一瞬言葉に詰まったその質問の答はより耳立って聞こえた

ぱぁっ、と顔が明るくなる

「そうなんだ、良かったね!!」

心の底から祝福を送るような、満面の笑みを向けた

メグミ >  ”良かったね”。
 悪意も愚弄もない祝福。それらが混ざっていれば怒りは覚えるが、
 "そうでないならどうしようもない"。感性が違いすぎる。
 ……苦しくはあれど、感性の差異に引っかかっていれば召喚師としてはやっていけない。
 明らかに感性の違う神秘的・超常的な存在を従える事は出来ない。 
 故にどうにか踏み止まる。

「……ええ。先輩ですよ。」

 唇を舐めるような過度のスキンシップ。
 やんわりと対応する事は出来れど、成すがままでは喰われる気がする。
 冷静である分、強い危機を覚えてしまう。

 良かったねではなく、その前の会話に応じるよう喋る。
 

ご案内:「常世公園」に龍宮 鋼さんが現れました。
比良坂 冥 > 「フフ」

冷静に、反応を返すメグミへ微笑む
相変わらず濁った瞳はどこかその笑みを狂気的にも見せるのだが

「……逃げないんだぁ」

くす くす

するりとその手を伸ばして、メグミの肩から流れるようにその双丘へと滑らせる

「これだけして逃げないってことは…メグミ先輩は、何かを期待してるのかなぁ……」

龍宮 鋼 > (家の冷蔵庫に何も無かった。
 なのでコンビニまで行って冷凍食品を買い漁り、ついでに今日発売の週間マンガ雑誌を立ち読みし、読み終えればコンビニを出てメシと一緒に買ったコーラを飲みながら帰る途中。
 冷凍のハンバーグがごっそり入ったビニール袋を二つぶら下げて公園の前を通ったところ、その公園内に二人の女子生徒がいた。
 学園都市であるこの街では大して珍しくもない風景なのだが、白い髪の女子生徒の方から面白そうな「におい」を感じて立ち止まる。
 公園の入り口からは、黒い髪の女子生徒は背中しか見えないが、白い髪の方はなにやら楽しそうに笑っているようだ。
 それを、コーラを飲みながらぼんやりと見る。)

メグミ > 「期待もしていないですけれど、逃げる理由もありません。
 ……でも、胸を触られるのは嬉しくないですから 少し困ってしまいますね。
 手は良いけど、胸は駄目です。」

 平均的な大きさの双丘。
 つまるところの胸を触れられればやんわりと両手を取って握る。
 ――強く握るものではない。掴んだ手を跳ね除ける事も出来るだろう。

 足音を覚えればその方へと向く。
 広範囲に異常な現象を起こす以上、風紀委員としては被害の発生や規模を抑える必要がある。
 そう思えば一度だけ龍宮の方へと振り向く。誰かは知らないくとも、確かに居る。

「生活においては変化なし、と伝えておきますね。
 ……今日の保護観察は以上です。お疲れ様でした、比良坂さん。」

比良坂 冥 > 冷静で、強固だ
そして自分から 逃げない と言った

「……じゃあ、胸以外ならいいの?」

ところなど構わない
腕を抑えられるままに、そのまま倒れこむように相手を押し倒そうと

そこで、メグミを挟んだ向かい側、
すなわち自分の正面に人影を見つける

「……」

瞳の闇が、公園に漂い始めた不気味な雰囲気と共に色濃くなりはじめる

龍宮 鋼 > (何やってんだ、と思いながらことの次第を眺めていれば、白い髪の方が黒い髪の方を押し倒しに掛かろうとしているのが分かった。
 別にどこで誰がナニをおっぱじめようと関係ないのだけれど、)

公衆の面前で盛ってんじゃねーよ雌猫ども。
乳繰り合うんならヨソいけや。

(それを見せられると言うのはまた別の話だ。
 イラついている感情を隠しもしない口調で大声を出し、飲み干したコーラの缶を公園の隅のゴミ箱へブン投げる。
 腕の力だけで投げられたそれは20mほど離れたゴミ箱のヘリで一度跳ね、そのまま派手な音を立ててゴミ箱に吸い込まれていった。)

メグミ >  
「性器と目も駄目ですよ。
 後、個人的に脇腹と足の裏も駄目です。」

 冗談めかしつつ、倒れ込む素振りを見れば受け止める。
 要求を呑みすぎるのも宜しくはないが、拒絶しすぎるのも宜しくはない。
 ……対峙を崩さぬ様、測りながら接し続ける。
 その割にちょっと甘いのは、どうしても人間であるとの意識が拭えないからだろう。

 ともあれ、野次が飛べば自身の左手で比良坂の右手を掴んだまま身体を離す。
 ……先ほどと違いしっかり握っており、外そうとしてもなかなか外れない かもしれない。

「……と、失礼いたしました。」

 野次を飛ばした少女へと向き直り、頭を下げる。
 

比良坂 冥 > 「……」

身体を引き離された後、まるで汚物を見るような視線を現れた龍宮鋼へとへと送り続けていた

どうして邪魔をするの?
その権限はあるの?
あなたがそれを埋めてくれるの?
そのどれもが独りよがり
言い分としては当然、龍宮鋼の言葉が正しい

が、この少女にとってはそんな倫理観や常識、節度などはまるで加味するに値しない存在だった
ただただ自分の欲求を阻害する言葉を発した"敵"へと、ドス黒い殺意を送り続ける

龍宮 鋼 > (大声を出した後、へばりつくようなそれを感じた。
 殺気。
 敵意よりも数段濃度の高いそれは、落第街に居ても出会う事の少ない濃度であり。)

……へえ。

(なにより、今手にぶら下げている冷凍食品よりも魅力的なご馳走だ。
 ドシャリ。
 その袋から手を離し、地面に落ちる音。)

今日は、ツイてる。

(歩を進める。
 もう一人は服装から風紀委員のようだが、知ったことではない。
 ゴキゴキと両手の指を鳴らしながら、ズンズンと距離を詰めていく。)

メグミ >  
 ……明瞭な敵意を送り続けている。
 気分を害せば怒るる。それは神秘の世界に於いても良く見られる事だ。
 何せ、そのような存在は認めぬもの従う理由など一つもない。それらは自分がルールだ。
 当然社会に溶け込むものもいるが それは別の話。
 
 倫理に従わぬのならば、自分の害になるものは排除するのは当然の摂理だ。
 ――彼女を化け物と評するつもりはないが、私とは違う倫理で動いている。
 それは社会に縛られない存在が持つような、根源的なものに思える。

 だからと言って、事を起こさせる訳には行かない。
 そこは違えてはならない。

 手を放し、"何かを落としながら"距離を詰める。二人の間に割って入る。
 事は荒立たせまい。比良坂を背に、好戦的な動きを見せる龍宮を見て立ちはだかる。
 
「――風紀委員です。
 いかなる事情があれ、公園内での私闘は認められません。
 どうしても行うのでしたら、先ずは風紀委員――私を敵に回しなさい。

 比良坂さん。今の所貴方は被害者ですが、応じるのでしたら例外ではありません。
 ――公平に、纏めて相手を致します。」

 

比良坂 冥 > 「……応じる…何に?」

ようやくその口を開く
そこから漏れた言葉は冷たく、重苦しい

「……巣に踏み込んだ獲物を蜘蛛が食べることを、私闘とは言わないんじゃないかな…」

不安定だった街灯の点滅が止まり、公園を覆い照らす

「………今日は二人もいるから、お腹いっぱいになるかなぁ…ならないかな……」

くす、くす


くす              くす
          くす
   くす                 くす
                          くす
  くす          くす

……嘲り笑うような笑い声が日の落ちた公園に小さく響く
明るく照らされた公園にはいつの間にか、たくさんの虫が集まりはじめていた

龍宮 鋼 > (極上のご馳走を前に、邪魔をするヤツがいる。
 今の自分にとって、風紀委員と名乗った彼女はその程度の認識でしかない。
 敵に回せと言われるならば遠慮なくぶちのめしてしまうか、と考えたが、しかし彼女個人ならともかく風紀委員そのものを敵に回すのは色々と面倒が生じる。)

――あーあー。
風紀委員サマの許可がねーとケンカ一つも出来ねーっつーんだもんなぁ。
頭のお堅いお役所仕事をしてらっしゃる方はお偉いことですねーぇ。

(あからさまな不満を隠す事もなく、大声でわめき散らす。
 風紀委員に楽しい楽しいケンカを邪魔されたのは一度や二度ではなく、そう言った情報だけなら彼女も知っているかもしれない。)

んで、お偉い優等生の風紀委員サマはあの完全に頭ぶっ飛んだバケモンをどう宥めるおつもりで?

比良坂 冥 > 「……取り下げるのなら大きな口を叩かなければいいのに」

くす、くす
酷く耳障りな、嘲り笑い

どうぞ、どうぞもっと巣の中へ踏み込んできて
まるで誘いこむように、立ち尽くした場所からは動かない

メグミ > (ッ、――初対面では重しが足りませんか。)

 あるいは見当を外している。
 とは言え、向こう少女が一旦降りてくれたのは幸いだ。

「……何かと思えば。
 真面目に風紀委員として働くのでしたら、諫める為の介入程度なら出来ますよ
 それでも一旦抑えてくれたのは感謝しましょう。……そうですね。」

 踏み込んで気を引くのもリスクが高い。ウルトラCが無い事も確かだ。
 ……多少叱られはするだろうが、やむを得ない。
 比良坂が児戯に準じた異能を発現する事は知っている。

「だけどやっぱここでやるのは駄目です。絶対に認めません。
 ……貴方の名前は存じ上げませんし、少々苦しいですが……

 こっからずっと北西まで走って転移荒野まで走り抜けてください。
 ――喧嘩ではなくて児戯なら、風紀委員の管轄外です。取りあえず一旦走ってください。
 そこで起きた事は、学園としては自己責任となってますから。」

 妙な事を口走る。
 把握している以上管轄外と言うには厳しくもあり、それでも危険に冒させる事には違いない。
 転移荒野への行き来が自己責任であったとしても、生徒同士の私闘の傷が持ち帰られれば問題にはなる。
 とは言え仕方ない。ここでやられるよりマシだ。

「……比良坂さん、鬼ごっこ、しませんか?
 してくれるのでしたら100秒分、数字を数えてくださいな。」

 苦し紛れの提示。
 比良坂に顔を近づけ、そう尋ねる。
 

比良坂 冥 > 「……どうして?」

無理である
そもそもなぜ、ここで争うことがダメなのか
そういう意識すらが少女からは欠けている

そして、鬼ごっこと言われれば───

「……クス、そう……逃げるんだ。此処から…私から…」

笑みが深くなり、唇の端が釣り上がる
無愛想な無表情を保っていた最初の印象とはまるで変貌するその面は、既に狂気に満ちている

メグミ > (――ダメ、ですかッ。) 
 
 重しが足りない。より強い欲望を積むことが出来ない。
 察すれば、事情を知る風紀委員・生活委員並びに保険課、そして一部の信頼のおける教師。
 通報用として組んでいるマクロを起動し、気取られる前に通報を入れておく。
 

龍宮 鋼 > (はぁ、と溜息。
 楽しいケンカになると思ったのが、すっかり萎えてしまった。
 お陰で挑発されても全く燃えない。)

走るだぁ?
ふざけんじゃねぇよ、テメェが走れば良いだろうが。
転移荒野までダッシュで走って、そのまま門でも入ってどっか別の世界の風紀取り締まってろ、ボケ。

俺だってテメェみてぇな下っ端風紀委員なんざしらねぇよ。
そんで龍宮鋼の顔ぐらい覚えとけアホ。

(ましてや逃げろと言われたのだ。
 彼女にそんな意図は無いのかもしれないが、自身にすれば同じこと。
 そんなことを言われればテンションだってダダ下がりだ。
 割と無茶な要求を風紀委員に一方的に押し付けて。)

そんでお前もお前だよ。
俺とケンカするっつー時に他のヤツに気ィ取られてる余裕なんかあんのか。
俺とケンカすんなら俺だけ見てろや。

(そして白い髪の彼女にも指を突きつけてそんな要求を。)

比良坂 冥 > 「だって君…吠えるばかりで何もしてこないんだもの…浮気だってしちゃうよ」

深い嘲りの笑みと共にそんな言葉を龍宮鋼へと投げかけ───

「───何してるの?」

突然に、自分の前に立っているメグミの肩を掴む
見かけどおり程度の力しかないものの、痛いほどに力が込められている

気取られぬように───というのも蜘蛛の巣の上では難しい
ほんの僅かな獲物の動きも逃さない、今の少女は完全に捕食者としての雰囲気を身に纏っていた

メグミ >  
 
「分かりました。龍宮 鋼、覚えておきましょう。
 それが出来るなら今頃そうしているかもしれませんが――」

 困った調子で流す。
 ……最後の手段。本当に単独で武力を行使するしかないものか。
 通報はした為、一応の恰好は付けた。建前は張った。

「どうしようもないので最後の手段に出ます と連絡しました。
 ……穏便に済ませたかったんですけれど、出来そうにありませんので。
 私が身をささげても、満足しそうにありませんし……。」

 嘘は言っていない つもりだ。

 掴まれながらも、左腕に強い痛みを覚えながらもボタンだけは押す
 気取られたが仕方ないし、地に落ちたそれを拾う暇はない。

 出来得る限りの事は行った。
 ……仄かに、地面が煌く。まだ 動かない。 
 

龍宮 鋼 > (どーしたもんかなぁ、ここで挑発に乗るのもなんかバカみてーだしなぁ、なんて色々考えていたら白い方が動いた。
 異様な雰囲気で風紀委員の方を掴んでいる。
 それを見た自身の顔が、とてもとても楽しそうな悪い笑顔になる。)

おっとおー!
風紀委員様に乱暴を働くとは太ェ野郎だ義によって助太刀いたす死ねェ!!!

(そんな誰がどう聞いても棒読みのセリフを大声で叫びながら地を蹴る。
 人外の筋力に龍の魔力を上乗せした爆発的なパワーが公園の土を抉り飛ばし、その見た目にそぐわぬ速度で突進。
 罠も何も眼中にない、と言った様子で更にスピードを上げ、それをそのまま乗せた拳を全力で白い少女の顔面に叩き付けるようにぶん回す。
 位置的に風紀委員の顔のすぐ横を自身の拳が通るだろうが、彼女が動かなければ当たらないのだからきっと問題はない。
 たぶん。)

メグミ >  
 
 動く。
 ……止めなければ、そのままメグミに当たるだろう。
  
 

比良坂 冥 > 「そっか…可哀想にね……」

最後の手段、という言葉を使うメグミに、なんだか哀れんだような表情を見せる
これもきっと本心からの言葉で、普通の人間には意味もわからない
ソレぐらい、彼女の精神は破綻していた

「……?」

少女の動体視力ではまるでその接近を視認できていなかった
知覚こそは出来ていたものの、ほとんど棒立ちであった

…ただ、自分の前にメグミが躍り出た事に、一瞬驚いたっような表情を見せる

龍宮 鋼 > (視界の中で黒い頭が動いた。
 ビタリ、と直前でその拳と自身の身体を止めた。)

何してんだ、怪我してェのかよ。
弱ェ癖に俺の前に立つんじゃねぇよ。
どけ。

(拳をひっこめ、風紀委員の後頭部を睨みつける。
 身長はややこちらの方が高いが、恐らくこちらの方が姿勢は悪い。
 ならば眼の位置は似たようなものだろうか。)

比良坂 冥 > 「……くひっ」

白い少女の顔が歪む

「ひはっ、あはっ、あひははははは、はははははははっ」

狂ったようにけたけたと大声で嘲笑う

「わからないの!?わからないんだ!!今、自分が助けてもらったのに!
 ひひっ、あー…残念、痛そうだったのになぁ…今の……あぁ…もったいない…もったいなぁい……」

自分の体を抱きしめるような姿勢でぞくぞくと身体を震わせる
──もう少し公園が明るければ、紅潮した顔を見せる少女の太ももを伝う
一筋の液体も目に入ったかもしれないが

メグミ >  
「退きません。
 ええ、殴りたいならどうぞ。」

 即答。断言。
 迷いなくそう告げて睨み返す。

「例え殴られても此処は退きません。個人としても風紀委員としても退きません。
 ……喧嘩の相手が欲しいなら改めて応じますが。」

 少しだけ、周囲が騒がしい気がする かもしれない。
 まだ誰かが来る様子はないが――これだけ暴れれば外にも騒音や怒声は漏れてもおかしくはない。
 比良坂に呼応するような怪奇現象に加え、
 メグミが端末を落して尚通した通報も時間が経てば人を寄せる要素足りえる。
 不運が重なれば、何も起こらないかもしれないが――。

 ……後ろで奇声を挙げる彼女のことは、一旦様子を見ておく。
 刺激してはいけないタイミングだろう と。

 

龍宮 鋼 > えーわかんなーい。
俺助けてもらった事ないからー。

(身体をくねくねさせながら、アホみたいなぶりっこ口調。
 異様な雰囲気の彼女はそこで一旦放っておいて、目の前の風紀委員に眼を戻して。)

――めんどくせぇ。
もういいわ、どけなんて言わねぇよ。

(言うが早いか脚が出る。
 右脚を横から振り回すように上げ、そのまま富貴委員のケツを蹴り上げるように。
 防がれようが防がれまいが、とにかくそのまま白い方と自分の間からはじき出すように力をこめ、)

自力でどかす。

比良坂 冥 > 「終わったら教えて」

先ほどのテンションは一瞬で終了、元の仏頂面へと戻る
ふぁ、と少し退屈そうに背伸びして、丁度自分の後ろにあった砂場近くのベンチに座り込んでしまった

メグミ >  
 蹴り上げはメグミを弾く。
 そのまま浮いて、受け身すら取らずに――

「――来なさい、トレントッ!」

 落ちながら声を発して数本の巨木を龍宮と比良坂の遮蔽足りえる様に呼び起こす。
 ……全長20m程の、強固な生きた巨木の群れか。

 だが、無理くり呼び起こした分受け身は間に合わない。
 強く頭を打ち、呻く。
 

龍宮 鋼 > 邪魔だッつってんだろ!

(蹴り上げた脚で思い切り踏み込み、同時に右拳を振るう。
 召喚された巨木の群れの内、白い少女との最短距離に居るヤツのどてっぱらをぶち抜くように、全力で持ってぶん殴る。
 一発で無理なら二発、三発とひたすらにぶん殴り続けるつもりだ。)

メグミ >  
 大凡5発。それだけ叩けば打ち砕けるか。
 当のメグミも痛む頭を抑えて起き上がる。

「――Summonッ!」

 もう1本、同じものをその経路の先に呼んで遮蔽を作る。

 ……また、殴り続けていると残りの木々から蔓の鞭の幾らかは飛ぶ。
 絡めとる蔓と叩き付ける蔓の混合だ。半龍の身体を貫く程ではないが、大分邪魔臭い。

 ……よろめいた身体を起こし、急いで比良坂の元まで向かう。

「終わりましたから、行きましょうか。」

 言うや否や、積極的に左腕で比良坂の身体を引き寄せようとする。
 メグミの頭からは血が流れているものの、気にする素振りはない。
 

龍宮 鋼 > (殴っている間にも周りのヤツから蔓が飛んでくる。
 叩き付けるものは無視し、絡めとってくるものは引きちぎり、最初のヤツは突破した。
 しかし即座に次が現れ、邪魔な事この上ない。)

うっぜぇなぁオイ!
っは、しかもそこそこ堅ェ!

(言葉と逆に、顔には笑みが浮かんでいる。
 要は暴れられればそれで良いのであって、その相手が白いヤツでも召喚された巨木でもどちらでも良かったりする。
 身体や腕や脚にまとわり付く蔓を、前に突き進む事で無理矢理引きちぎり、新たに召喚されたヤツの前へ。
 脚を広げてスタンスを大きく取り、腰を大きく捻りながら反動で横殴りに殴りつけ、反対側からも同じように。
 その間も飛んでくるであろう蔓は、その動きそのもので引きちぎったり弾き飛ばしたり。
 もう二人の事はどうでも良くなってしまっている。)

比良坂 冥 > 「……終わったの?」

まだガンガンと叩く音が聞こえているけど
薄っすらと目を閉じかけていた、どうやら眠りかけていたようで

メグミ > 「ええ。」 

 終わっていないものの、終わったと言うことにしておく。
 当然物音は激しく、少し考えれば疑問に思う所はあるだろう。

 対峙直前に落した"何か"
 それを指を弾く音で呼び起こす。怪鳥の様な奇妙な石造、全長2m程のガーゴイルが三匹生える。奇妙な工芸品を触媒にした簡易召喚。
 巨木とは違い同様の殴打ならば2発殴れば砕ける程度だ。武器も持たず、すばしっこいだけのもの。
 ……木にしろ石にしろ倒されれば塵となって自然に還るような生物だ。

「遅くなってしまいましたから、家までお送りします。
 ――まだ帰りたくないなら、一人で帰っても大丈夫ですよ。」

 呼び起こしたその内の一匹を此方に向かわせ、寄せたまま石造にまたがる。
 比良坂がメグミを拒む事をしなければ、そのまま飛び立たせて飛び去るだろう。
 ……当然、拒めば降りる事も乗らない事も出来る。その場合もそのまま飛び去る。

 通報済みであり、ある程度の障害で時間を稼いでいる。
 応じなければ仕方ないし、大ごとになる前に増援が来るだろうと読む。

 ……蹴り上げられて受けたダメージは少なくはなく、あの少女の戦力も高い。
 応じない場合でも去った方が被害を抑えられると踏み切った。
 

龍宮 鋼 > (巨木から殴られ、巨木を殴り続けているうちにだんだんと数が減ってくる。
 何度も蔓に叩かれれば、顔に青痣ぐらいは出来るけれど、そのぐらいで止まる戦闘狂でもない。
 一つ、また一つと巨木を殴り倒し、巨木の群れを全て打ち倒す頃には、きっとガーゴイルに乗った風紀委員はとっくに居なくなっている頃だろう。
 白い方がどうするかはわからないが、残っていたとしても通報を受けて駆けつけるだろう増援がすぐ近くまで来ているはずだ。
 その状態で更にケンカは流石にしない。
 残っているならじゃあな、と軽く別れの挨拶をするだろう。
 残り二匹のガーゴイルは、邪魔をしなければ無視し、邪魔をするなら適当に殴り付けつつ、半分解けてしまった冷凍食品を拾って、増援が到着する前にすたこらさっさだ。)

ご案内:「常世公園」から龍宮 鋼さんが去りました。
比良坂 冥 > 物音がやんだ
諦めさせたのか、と素直に感心する

「……すごいね、魔法みたい」

言いながらベンチから立ち上がり

「……一人で帰るよ。襲われてもいいなら、同行してもらうけど」

メグミ >  
「……分かりました。お気をつけてお帰りください。」

 反射的に頷き、応える。
 額には汗と血の混じったものが垂れている。
 
 改めて見遣ると、大分テンションを落としているように見える。
 構わなかったから拗ねた様にも思えるし、躁鬱の激しさに由来する風にも思える。
 とは言え、何より痛感したものは思考そのものの在り方の違いだ。
 行動から性質を推察しても、次の瞬間には砕けて翻っているだろう。
 考えた所で分かるものではないのかもしれない。
 
 ……心身共に疲弊した自身に鞭を打ち、呼び出したガーゴイルにまたがって飛び去る。
 残る召喚物も、無事なものは引き揚げさせる。あの少女も撤退してくれたのなら残す必要はない。
 ……連絡は改めて入れるとしよう。どれ程査定が下がるだろうか。
 とっ散らかった思考を整えきれぬまま、夜空へと消える。
 

ご案内:「常世公園」からメグミさんが去りました。
比良坂 冥 > 「……ふぅ」

小さくため息
ほんの少しだけど、昂ぶれた、けれどそれだけ

下腹の奥の疼きが収まらない

部屋へ帰ったら、しばらくは………

ご案内:「常世公園」から比良坂 冥さんが去りました。